this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
本音?嘘?風邪引いちゃいました
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
咳はないな、と
獅子目 悠月
は自身の喉にそっと触れた。
(以前引いた風邪より軽い。これなら練習に行けるな)
かくして、悠月は出掛ける準備を整えるや、
オルカ・ヴィヴァルディ
の家へと向かったのだが――。
ベルが鳴ったのを耳に、オルカは青の眼差しを上げる。
(あ、悠月が来たね)
一人暮らしの家だ。玄関まで、当然自分の足で悠月を迎えに行く。
常のように練習に来た悠月の、常の通りの顔が扉越しに見えた気がして――けれどその像は、儚く弾けた。
扉の向こう側に立っていた悠月は、榛色の瞳を潤ませて、頬を柔らかく赤に染めていたのだ。
「ええっと……悠月? それは……もしかしなくても、具合悪いでしょ?」
「問題ない、少し風邪気味なだけだ」
「いやいや。気味っていうか、それはもう風邪だよ」
実際、オルカの言葉は的の真ん中を綺麗に射ていた。
オルカ宅へと向かう最中に、悠月の熱はぐわんと上がってしまったらしい。
知らず朦朧としていた意識を何とか僅かに纏め上げて、悠月はようやっと「そうか」と納得した。
「Bene. 表情だけ見るとすごくおいしそうなんだけど~、理解したところで、今日はもう帰ろうね~」
甘くハスキーな声音で口説き文句も零しながら、悠月を回れ右させようとするオルカ。しかし。
「――まだ帰りたくない」
熱に濡れた、けれどどこまでも澄み切った声で、遮るように悠月が言った。
予想外の言葉にオルカは目を見開き、悠月もまた、自分の声にハッとする。
(何を言ってるんだ、俺は)
違うと言わなくては、と思う。目の前の相棒に、迷惑をかけてしまう前に。
けれど、オルカを見上げた悠月の口からは、
「近くに……いてくれ」
思考とは裏腹に、そんな言葉が零れ落ちた。
言霊に引かれるように、悠月の手は、オルカの服の裾を掴んでいる。
オルカは、胸中に細く息を吐いて、軽く額を押さえた。
駄目押しの上目遣い。こんなの、無碍にできるわけがない。
「あ~もう、折れるしかないじゃない~」
家の中へと、「どうぞ?」と悠月を招き入れる。
一方の悠月は、夢の中を行くような心地でオルカの後へ続きながら、
(……今度こそ言わなければ。帰ると)
と、濃い霧がかかったように上手く仕事をしてくれない頭で、それでも確かに思い決めた。
オルカの足が、客室の前で止まる。
その扉が開けられるようとするのを目に、悠月は口を開いた。
「客室は嫌だ。お前の部屋がいい」
青の双眸が瞬かれる。悠月の方も、自分で紡いだ言葉に軽く息を飲んだ。
(くそっ……何なんだ今日は。らしくないことばかり口走ってしまう)
オルカの手が、混乱する悠月を自室へと誘う。
「え~っと、本当にここでいいの? まあでもとにかく、横になった方がよさそうだよね」
眼差しでベッドを示されて、悠月はその意に無言で従った。
これ以上、妙なことを言いたくはなかったのだ。
ベッドに身を横たえると、すう、と眠気の波が押し寄せてきた。
抗い難いまどろみの中で、悠月はとろとろと思う。
(そうだ、寝るのが一番だ。余計な、おかしなことを口走る前に)
――このまま、眠りの底に落ちてしまおう。
悠月は、気付かなかった。
底へ底へと落ちていく最中、自分が無意識に、小さく音を漏らしたのに。
「……オルカの、匂いがする……」
それきりすうすうと寝息を立て始めた悠月の呟きを、オルカは聞き逃さなかった。
布団を綺麗に掛け直してやりながら、考える。
(……さて、悠月が俺のベッドで寝てるわけだけど)
――今日の悠月は、普段ぜ~ったい言わないようなこと言うよねえ。
子供返りというやつだろうか? それとも本音?
答えの出ない問いを頭の中に重ねつつ相手の額へと手を伸ばせば、蕩けるようなヘーゼルと目が合った。
「あれ? 起こしちゃった?」
「……手。優しくて、気持ちいい……」
答えになっているような、いないような。
夢と現の間を彷徨うような声を耳に、オルカはすっと目を細める。
(逃がしてあげる気がないから、悠月が落ちてくるまで待ってようって)
そう、思っていた。だから、アプローチが冗談として受け流されても、敢えて見逃してきたのだ。けれど。
(今の悠月に、ちょ~っとくらい聞いてもいいかな)
汗で額に張り付いた赤銅色の前髪を、緩くかき分ける。
顔を、相手のとろりとしたかんばせへと近づけて、オルカは低く囁いた。
「ねえ悠月、俺の事好き?」
「すき……? オルカを?」
ぼんやりと煙るような声が、オルカの言葉を繰り返す。
曇る頭で、悠月は問いへの答えをくるくると思考した。
(ああ、そうだ。俺はお前が好きだ。欲しくて欲しくてたまらない)
ずっと焦がれ、求めている。それは間違えようのない真実だ。けれど、今は。
「……言いたくない、まだ」
オルカは、少し舌っ足らずな悠月の言葉に、静かに耳を澄ませている。
「儚い花の様に守られたいんじゃない。お前とは対等でいたいんだ」
胸を張って、並び立てるような……そんな、と、悠月。
「今は……まだ、家への、父への恐怖が完全には消えない、弱いままだから」
夏には決着をつける、という想いは、悠月の胸の中だけに呟かれた。
ネコフェスでは向き合うから、と。だから――、
「強く、なるから、待って……」
それが、悠月の『本音』。
再び緩やかに閉じられていくハシバミを目に、オルカは零す。
「Va bene. いいよ、悠月がそう望むなら。待っててあげる」
でもさ、悠月、とオルカは続けた。
「最後にこれだけ聞かせて? 俺に触られるのは、嫌じゃない?」
眠りの底へと再び引きずり込まれていくその淵で、悠月は心の中で断じる。
そんなの決まってる、と。
たったひとつ、他にはあり得ない答えを、途切れ途切れに声に乗せていく。
「すき……だから、もっと触れ。お前の手は気持ちいい……」
悠月はそのまま、今度こそことりと寝入ってしまった。
そんな悠月の傍らで、オルカは誰にともなく肩を竦めてみせる。
「……いや~、すっごい破壊力だな~」
とぼけてみても、頬の火照りは消えない、隠せない。
きっと、悠月の熱がうつったみたいに、色が差しているに違いなかった。
「ほんっと……待ってるって言ったの、もう後悔しそう」
口元を押さえるオルカの心中など知らずに、悠月は、規則正しい寝息を立てている――。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
本音?嘘?風邪引いちゃいました
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月29日
参加申し込みの期限
2018年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!