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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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きづいたら、あかちゃん
実のところ、その中には確かに樹はいた。樹は急に低くなった自分の目線に僅かに戸惑った。
「あうぅ？」（あれ？ わたし赤ちゃんになってる？！）
首を傾げる樹。しかしここが寝子島である事を考えた彼女は、ふぅ、とため息１つすると冷静になった。
（まぁ、寝子島なら何時もの事だよね）
それでいいのか、というつっこみはさておき。樹は気を取り直して目の前にいる兄を見上げ、声をあげた！
「にゅーや！」（兄さん！）
だが、それを聞いたのは亮ではない。綾花である。彼女はひょいっ、と赤ちゃん樹をだっこする。
「？ おむつですか？」
「にゃーあ！」（ちがーう！）
樹が首を振ると、綾花は「それではご飯ですかねぇ」と首を傾げる。その傍らでは、生後８ヶ月前後だろう男の子が不機嫌な顔で転がっていた。
「ちゃああ！！」（しゃべれん！！）
それが赤ちゃんになってしまった勘三郎の姿であろうと誰が気づこうか。地声が大きい所でこの赤ちゃん＝勘三郎だとわかったら凄い。
「ん？ お腹がすいたのかな……。それとも眠いのかな？」
亮がだっこしてあやすも、心が実年齢のままの勘三郎はというと……。
「あうううっ！」（だっこすなっ！）
ともごもご暴れて抵抗する。亮は「機嫌悪いのか？」と苦笑するだけ。内心で勘三郎は頭を抱えた。
（俺がこんなイベントに行こうと思う事自体おかしいと気づくべきだった！ つーか、気づいたらしゃべれねぇし、はいはいしかできねぇし！ おまけに学校のやつとか知らねぇ奴から赤ん坊扱い！ なんでだ！！）
勘三郎は地声が大きい（二度目）。その為、一際赤ちゃんたちのなかでも目立つ訳で。
「あらあら、しょうがないですね」
綾花は不機嫌ＭＡＸな勘三郎に微笑むと「お腹がすいたのかな？」と呟きながら保育士さんに食事の時間がいつなのか確認しに行くのであった。
そして、樹はというと……、兄である亮をじーっ、と見つめる。そして、遠くにあった熊の縫ぐるみを思い出し、ぐっ、と目を瞑った。
（おいで、くまさん！）
瞬間、よろっ、と動いたかと思えばくまさんはいつのまにか瞬間移動で樹の腕の中に。それを目撃した亮は、思いっきりぽむ、と手を打った。
「お前、樹なんだな」
「あう」（そうだよ）
ふんっ、とふんぞり返ろうとしてバランスを崩す樹。慌てて支え、抱える亮は「お前だったのか」と苦笑するのであった。
――１歳児クラス『たんぽぽ組』
（弟まで押し付けられた状態で視察は……ちょっと疲れるかも……）
そう内心で呟きつつも赤ちゃんのお世話に勤しむのは、嬉野 奏。彼女の実家は民間保育園を営んでおり、その副園長たる母親から『保育士体験会』を見てくるように言われていた。
そんな彼女の特技は排泄の介助。オムツ交換だって弟と妹のお世話もあって軽く四桁はこなしていると思われる。
（それに、あの子は頻尿だからね。そこで鍛え上げた洞察力？ ちっちセンサーがわずかなモジモジも逃がさへんで）
と考えている側から泣き出しそうな赤ちゃんを見つける。おしりを見た途端オムツを交換しなくてはならない状態である、と見抜くや否や優しく抱き上げてオムツをぱぱっ、と交換していた。
「ほい、できあがり。すっきりしたなぁ」
奏が笑顔を見せると、赤ちゃんもにっこり笑顔。すっきりするとご機嫌になるものである。
「ふぅ。……そういえば咲耶はどこやろ？」
ふと、弟の事が気がかりなった奏。彼女は赤ちゃんを遊具のある場所に連れて行くと、とりあえず近くの教室から当たってみる事にした。
奏が気にした件の弟、嬉野 咲耶はというと……今にも泣きそうな顔をしていた。というのも、トイレに行きたくてたまらなかったのである。だのに赤ちゃんに戻っていたので１人で行けないという状況に陥っていた！！
（ママに言われてお姉ちゃんと別の保育園に来てみたけど、あったかい感じがする保育園だね）
そう思いながら年齢が近い６歳児クラス『さくら組』で手伝いをしていた咲耶。だが、気がつくと１歳半ぐらいに縮んでいた。どうにか歩く事はできるが、身体はあまり思い通りに動く事ができない。
困っている間に、咲耶は急にお腹がむずむずし始めていた。彼は元々頻尿であるが、それだけではない。身体が１歳半程度になった影響でコントロールも危ういのだ。
「ねーね……？ ねーね！」
自然と出た言葉に、咲耶の表情が強張る。
（ことばがあんまりでてこない……）
その事にちょっと呆然となりかけたが、とりあえず近くにあったトイレへ。だが、１歳半の身体では年長児用のトイレ（立ってするタイプ）は受け口に届かない。座るタイプの方だってよじ登れないという悲劇に見舞われた。
「ねーね……」
咲耶は姉である奏の姿を探しながら、うまく話せない事とどんどんもじもじが増えてくる事に焦っていた。このままでは盛大におもらししてしまう。流石に心が７歳のままである咲耶としては恥ずかしい事である。
（だけど、いまさらちっちゃいこ用のおべんじょにいけそうにないの……。おまけにここから、とおいし……）
「ねーね！ たしけて！」
咲耶はいつのまにか涙目になって叫んでいた。
果たして、彼はトイレに間に合うのか――！！
「あうぅ？」（あれ？ わたし赤ちゃんになってる？！）
首を傾げる樹。しかしここが寝子島である事を考えた彼女は、ふぅ、とため息１つすると冷静になった。
（まぁ、寝子島なら何時もの事だよね）
それでいいのか、というつっこみはさておき。樹は気を取り直して目の前にいる兄を見上げ、声をあげた！
「にゅーや！」（兄さん！）
だが、それを聞いたのは亮ではない。綾花である。彼女はひょいっ、と赤ちゃん樹をだっこする。
「？ おむつですか？」
「にゃーあ！」（ちがーう！）
樹が首を振ると、綾花は「それではご飯ですかねぇ」と首を傾げる。その傍らでは、生後８ヶ月前後だろう男の子が不機嫌な顔で転がっていた。
「ちゃああ！！」（しゃべれん！！）
それが赤ちゃんになってしまった勘三郎の姿であろうと誰が気づこうか。地声が大きい所でこの赤ちゃん＝勘三郎だとわかったら凄い。
「ん？ お腹がすいたのかな……。それとも眠いのかな？」
亮がだっこしてあやすも、心が実年齢のままの勘三郎はというと……。
「あうううっ！」（だっこすなっ！）
ともごもご暴れて抵抗する。亮は「機嫌悪いのか？」と苦笑するだけ。内心で勘三郎は頭を抱えた。
（俺がこんなイベントに行こうと思う事自体おかしいと気づくべきだった！ つーか、気づいたらしゃべれねぇし、はいはいしかできねぇし！ おまけに学校のやつとか知らねぇ奴から赤ん坊扱い！ なんでだ！！）
勘三郎は地声が大きい（二度目）。その為、一際赤ちゃんたちのなかでも目立つ訳で。
「あらあら、しょうがないですね」
綾花は不機嫌ＭＡＸな勘三郎に微笑むと「お腹がすいたのかな？」と呟きながら保育士さんに食事の時間がいつなのか確認しに行くのであった。
そして、樹はというと……、兄である亮をじーっ、と見つめる。そして、遠くにあった熊の縫ぐるみを思い出し、ぐっ、と目を瞑った。
（おいで、くまさん！）
瞬間、よろっ、と動いたかと思えばくまさんはいつのまにか瞬間移動で樹の腕の中に。それを目撃した亮は、思いっきりぽむ、と手を打った。
「お前、樹なんだな」
「あう」（そうだよ）
ふんっ、とふんぞり返ろうとしてバランスを崩す樹。慌てて支え、抱える亮は「お前だったのか」と苦笑するのであった。
――１歳児クラス『たんぽぽ組』
（弟まで押し付けられた状態で視察は……ちょっと疲れるかも……）
そう内心で呟きつつも赤ちゃんのお世話に勤しむのは、嬉野 奏。彼女の実家は民間保育園を営んでおり、その副園長たる母親から『保育士体験会』を見てくるように言われていた。
そんな彼女の特技は排泄の介助。オムツ交換だって弟と妹のお世話もあって軽く四桁はこなしていると思われる。
（それに、あの子は頻尿だからね。そこで鍛え上げた洞察力？ ちっちセンサーがわずかなモジモジも逃がさへんで）
と考えている側から泣き出しそうな赤ちゃんを見つける。おしりを見た途端オムツを交換しなくてはならない状態である、と見抜くや否や優しく抱き上げてオムツをぱぱっ、と交換していた。
「ほい、できあがり。すっきりしたなぁ」
奏が笑顔を見せると、赤ちゃんもにっこり笑顔。すっきりするとご機嫌になるものである。
「ふぅ。……そういえば咲耶はどこやろ？」
ふと、弟の事が気がかりなった奏。彼女は赤ちゃんを遊具のある場所に連れて行くと、とりあえず近くの教室から当たってみる事にした。
奏が気にした件の弟、嬉野 咲耶はというと……今にも泣きそうな顔をしていた。というのも、トイレに行きたくてたまらなかったのである。だのに赤ちゃんに戻っていたので１人で行けないという状況に陥っていた！！
（ママに言われてお姉ちゃんと別の保育園に来てみたけど、あったかい感じがする保育園だね）
そう思いながら年齢が近い６歳児クラス『さくら組』で手伝いをしていた咲耶。だが、気がつくと１歳半ぐらいに縮んでいた。どうにか歩く事はできるが、身体はあまり思い通りに動く事ができない。
困っている間に、咲耶は急にお腹がむずむずし始めていた。彼は元々頻尿であるが、それだけではない。身体が１歳半程度になった影響でコントロールも危ういのだ。
「ねーね……？ ねーね！」
自然と出た言葉に、咲耶の表情が強張る。
（ことばがあんまりでてこない……）
その事にちょっと呆然となりかけたが、とりあえず近くにあったトイレへ。だが、１歳半の身体では年長児用のトイレ（立ってするタイプ）は受け口に届かない。座るタイプの方だってよじ登れないという悲劇に見舞われた。
「ねーね……」
咲耶は姉である奏の姿を探しながら、うまく話せない事とどんどんもじもじが増えてくる事に焦っていた。このままでは盛大におもらししてしまう。流石に心が７歳のままである咲耶としては恥ずかしい事である。
（だけど、いまさらちっちゃいこ用のおべんじょにいけそうにないの……。おまけにここから、とおいし……）
「ねーね！ たしけて！」
咲耶はいつのまにか涙目になって叫んでいた。
果たして、彼はトイレに間に合うのか――！！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年11月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年11月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年11月25日 11時00分
