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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
にゃんこのがっこう、はじまるよ～！
実習ということで街に放り出されたアッシュの毛並みが可愛い子猫アンズ（東条 あんず）は、やる気いっぱいで望みます。
『ご飯をいーっぱい食べるわん！ あ！ にゃん！！』
また語尾を間違えたアンズは慌てて口を押さえると、きょろりと辺りを見回します。幸い、スカイ先生のチョークが飛んでくることはありませんでした。
アンズは実習『ご飯にありつくためには』を選択しました。お腹いっぱいになりそうな実習の方が楽しいと思ったからです。
（講義寝てたからちょっとよく分かんないけど！ きっとなんとかなるにゃん！！）
山盛りご飯を目指し、小さいアンズは弾むように走り出しました。
＊
（うう、誰もご飯をくれない……）
やる気いっぱいで飛び出したはずのアンズは空腹でしくしく痛むお腹を抱え、ふらふらと歩いておりました。
人間達はみんな元気なアンズと遊んではくれますが、餌をくれる人はいなかったのです。
（やっぱり講義を聴いてなかったから、うまくいかないのかな）
このままだとお腹が空いて倒れそうです。すると、どこからかいい匂いがし、アンズは鼻をひくひくさせました。
（これは……お魚の匂いだー！）
アンズは涎を垂らしながら一目散に走り出しました。
（あそこ！ きっとあそこ！）
アンズが走りながら匂いのする方を見ると、そこには猫が数匹いました。
（うちの分も残しといてー！）
祈る思いで突進すると、まだ足元もちょっと覚束ない子猫のアンズは勢い余って蹴つまずいてしまいました。
『いたーい！』
ふええとアンズが顔を上げると、そこには強面のつるつる頭のおじさんがじいっとアンズを見ておりました。
『わーーー！？ 怖そうなおじさんだ！！』
アンズはひゃん！ と飛び上がります。するとすぐ後ろから声がしました。
『怖がらなくても大丈夫☆』
『え？』
アンズが驚いて振り返ると、緑の目のタケミチ（志波 武道）がニカッと笑っています。隣りで三毛猫のイツキ（新田 樹）もペロリと口を舐めて言いました。
『ご主人の手元を見て。猫を抱っこしてるでしょう？』
ほえ、とアンズがおじさんに目を戻すと、確かに綺麗な黒猫が抱っこされています。アンズは３匹を何度も見ると叫びました。
『タケミチおにーさん、イツキおねーさん、ハヅキ（三宅 葉月）おねーさんだ！！！』
その声に、ハヅキが静かに言いました。
『お腹空いてるの？ それなら、私がもらった魚をあげるわ。私はご飯の実習じゃないから』
見ればお皿に綺麗に下ろされた魚が載っています。アンズがだばだばと涎を流しながら食べようとした時、タケミチがさっとお皿に手を出して止めました。
『待って待ってアンズちゃん☆ このまま食べたらハヅキちゃんから貰ったことになるから、実習にならないよ？』
『ふええ～？！ うち食べられないの？』
アンズの瞳にぶわっと涙が浮かびます。タケミチが笑って首を振りました。
『ご主人がくれたってことになればいいんだよ☆ ほら、頑張ってアピールしてごらん』
『わかったわん！！！』
言うが早いがアンズはご主人とやらに突進！ 彼の周りをきゃんきゃん走ると、突然ごろんとお腹を見せて転がり、必死にアピールしました。
『あのね、うちお腹空いてるの！ お魚ちょーだい！ わんわん！！ わんわん！！ にゃー！！』
驚いたのは魚屋『魚正』のご主人です。ただでさえ風変わりな３匹の猫が来たと思ったら、今度は小さな子猫が突進してきてわんわんにゃーにゃー鳴いてきたのですから。ご主人はお腹を見せてうるうるしている子猫をぱちくりと見つめた後、３匹に訊きました。
「こいつぁお前らの知り合いか？」
３匹は分かっているのかいないのか、のんびりにゃあと声を合わせます。ご主人はつるつるの頭をこすると、笑いながらアンズのふわふわのお腹を撫でました。
「もうまとめて面倒見てやらぁ！ 腹が減ってるのならそれ食いな。この黒猫はいらないらしいし」
ハヅキがまたにゃあと優雅に鳴きます。アンズはお皿の前にぱっと座ると、涎を垂らしながらももう１度、『ほんとにいい？ 後でダメなんて言わない？』といった体でご主人をじっと見つめます。ご主人が爆笑しました。
「チャッチャと食え！ ガキが我慢なんてするな！」
ご主人の笑顔を見て、アンズは今度こそはぐはぐと魚を食べ始めました。
『おいしーい！ こんなおいしいお魚、食べたことないわん！』
ほっぺが落ちそうな顔で言うアンズを見て、タケミチ、イツキ、ハヅキ……そして魚屋のご主人は、にこにこと微笑むのでした。
（滑り込みセーフだったな）
にゃんこ学校の卒業生は、アンズの評価票に『合格』のハンコを押すと、注意事項の欄にこう付け加えました。
『講義はきちんと聴くこと！』
『ご飯をいーっぱい食べるわん！ あ！ にゃん！！』
また語尾を間違えたアンズは慌てて口を押さえると、きょろりと辺りを見回します。幸い、スカイ先生のチョークが飛んでくることはありませんでした。
アンズは実習『ご飯にありつくためには』を選択しました。お腹いっぱいになりそうな実習の方が楽しいと思ったからです。
（講義寝てたからちょっとよく分かんないけど！ きっとなんとかなるにゃん！！）
山盛りご飯を目指し、小さいアンズは弾むように走り出しました。
＊
（うう、誰もご飯をくれない……）
やる気いっぱいで飛び出したはずのアンズは空腹でしくしく痛むお腹を抱え、ふらふらと歩いておりました。
人間達はみんな元気なアンズと遊んではくれますが、餌をくれる人はいなかったのです。
（やっぱり講義を聴いてなかったから、うまくいかないのかな）
このままだとお腹が空いて倒れそうです。すると、どこからかいい匂いがし、アンズは鼻をひくひくさせました。
（これは……お魚の匂いだー！）
アンズは涎を垂らしながら一目散に走り出しました。
（あそこ！ きっとあそこ！）
アンズが走りながら匂いのする方を見ると、そこには猫が数匹いました。
（うちの分も残しといてー！）
祈る思いで突進すると、まだ足元もちょっと覚束ない子猫のアンズは勢い余って蹴つまずいてしまいました。
『いたーい！』
ふええとアンズが顔を上げると、そこには強面のつるつる頭のおじさんがじいっとアンズを見ておりました。
『わーーー！？ 怖そうなおじさんだ！！』
アンズはひゃん！ と飛び上がります。するとすぐ後ろから声がしました。
『怖がらなくても大丈夫☆』
『え？』
アンズが驚いて振り返ると、緑の目のタケミチ（志波 武道）がニカッと笑っています。隣りで三毛猫のイツキ（新田 樹）もペロリと口を舐めて言いました。
『ご主人の手元を見て。猫を抱っこしてるでしょう？』
ほえ、とアンズがおじさんに目を戻すと、確かに綺麗な黒猫が抱っこされています。アンズは３匹を何度も見ると叫びました。
『タケミチおにーさん、イツキおねーさん、ハヅキ（三宅 葉月）おねーさんだ！！！』
その声に、ハヅキが静かに言いました。
『お腹空いてるの？ それなら、私がもらった魚をあげるわ。私はご飯の実習じゃないから』
見ればお皿に綺麗に下ろされた魚が載っています。アンズがだばだばと涎を流しながら食べようとした時、タケミチがさっとお皿に手を出して止めました。
『待って待ってアンズちゃん☆ このまま食べたらハヅキちゃんから貰ったことになるから、実習にならないよ？』
『ふええ～？！ うち食べられないの？』
アンズの瞳にぶわっと涙が浮かびます。タケミチが笑って首を振りました。
『ご主人がくれたってことになればいいんだよ☆ ほら、頑張ってアピールしてごらん』
『わかったわん！！！』
言うが早いがアンズはご主人とやらに突進！ 彼の周りをきゃんきゃん走ると、突然ごろんとお腹を見せて転がり、必死にアピールしました。
『あのね、うちお腹空いてるの！ お魚ちょーだい！ わんわん！！ わんわん！！ にゃー！！』
驚いたのは魚屋『魚正』のご主人です。ただでさえ風変わりな３匹の猫が来たと思ったら、今度は小さな子猫が突進してきてわんわんにゃーにゃー鳴いてきたのですから。ご主人はお腹を見せてうるうるしている子猫をぱちくりと見つめた後、３匹に訊きました。
「こいつぁお前らの知り合いか？」
３匹は分かっているのかいないのか、のんびりにゃあと声を合わせます。ご主人はつるつるの頭をこすると、笑いながらアンズのふわふわのお腹を撫でました。
「もうまとめて面倒見てやらぁ！ 腹が減ってるのならそれ食いな。この黒猫はいらないらしいし」
ハヅキがまたにゃあと優雅に鳴きます。アンズはお皿の前にぱっと座ると、涎を垂らしながらももう１度、『ほんとにいい？ 後でダメなんて言わない？』といった体でご主人をじっと見つめます。ご主人が爆笑しました。
「チャッチャと食え！ ガキが我慢なんてするな！」
ご主人の笑顔を見て、アンズは今度こそはぐはぐと魚を食べ始めました。
『おいしーい！ こんなおいしいお魚、食べたことないわん！』
ほっぺが落ちそうな顔で言うアンズを見て、タケミチ、イツキ、ハヅキ……そして魚屋のご主人は、にこにこと微笑むのでした。
（滑り込みセーフだったな）
にゃんこ学校の卒業生は、アンズの評価票に『合格』のハンコを押すと、注意事項の欄にこう付け加えました。
『講義はきちんと聴くこと！』
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年10月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年11月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年11月01日 11時00分
