さぁ走ろう！｜リアクション

さぁ走ろう！

椎井莉鳥が自室で眠っていると、目覚ましの音が部屋に響いた。
ゆったりした動作でベッドサイドに置かれたスマホに手を伸ばす。
時刻は朝の６時半。だが曜日を見て憮然とする。

日曜日。陸上部の練習があるが、それは９時から１３時までで朝練は無い。
とはいえ、中途半端に目が覚めた以上、二度寝しようにも眠れそうにない。
莉鳥は仕方なしに服を脱いで、寝子高のジャージに着替えると家の外へ出る。

表に出ると、雲ひとつない快晴……というほどでもないが、まずまずの晴天。少なくとも雨は降らないだろう。
朝の光を浴びながら、玄関先で軽くストレッチをする。
そうして残っていた眠気を完全に吹き飛ばすと、軽くジョギングを始めた。

自宅を出ると、その周辺を適当に２～３周走る。
最初は緩めのペースで走り、少しずつペースを上げる。
体が温まってきたところで、今度は寝子ヶ浜海岸へ向けて走っていく。
無心で走っているように見えるが、ペース配分には気を付けながら走っているので、息はあがらない。

寝子ヶ浜海岸にたどり着くと、その沿岸を走る。
太陽に照らされた海が綺麗に輝いている。
莉鳥はそれを横目に見ながら、今度は自宅へ向けて折り返す。

海岸へ向かっていたときよりも人通りが増えたのを感じながら自宅まで走り、
それからまた自宅周辺を２週ほど走ってゴール。

程よく汗をかいたので、家に戻ると早速シャワーを浴びる。

「もっとも、あと２時間もすれば陸上部の練習で元の木阿弥だけど」

莉鳥は小さなため息とともに呟いた。

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