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pain 夢の中で
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【
コル・ティグリス
の夢】
自分の呻き声で我に返った。
ここは……森か? 殆どずり落ちそうに木に凭れた姿勢で目を下に向ければ、草の中に投げ出された自身の両足が見えた。
途端、腹を内側から引き裂くような激痛に見舞われ、また俺は呻いた。動けない体で漸く上を見れば、雲に隠れながら微かな白さを見せる月。風に乗って耳に切れ切れに届く追っ手の声。
ああ、懐かしい夢だな。
俺は月明かりを隠しながら夜風に流されていく雲を眺めた。
悪事を働いていた奴らを片っ端から潰して歩いていただけだった。潰されるような悪事を働く方が悪いと思うのだが、相手方はそうは思わなかったらしい。
まあ別に反撃してきても構わない。また叩き潰すだけだから。そんな風に悠長に構えていたのが拙かった。
俺が強すぎて歯が立たないと踏んだ奴らは、宿の食事に毒を盛ったのだ。そんな卑怯な手に全く気付かなかった間抜けな俺は見事にそれを口にし……襲ってきた奴らを何とか倒しながら、毒の回る体を引きずって街近くの森に逃げ込んだのだ。
余り平穏とは言えない生活を送ってきた俺だが、それでもあの夜は今も強い印象を持っている。ただ、まさか夢の中にまであの痛みに襲われるとは思わなかったが。
どうするかな、と俺は激痛に顔を歪めながら考えていた。
これは、夢だ。だから夢から覚めてしまえばこの痛みからはおさらば出来る。ほんと、もう金輪際味わいたくないと思っていた痛みなのだが。
俺は薄れそうになる意識を必死に引き戻しながら結論を出した。
もう少しここに……この夢にいよう。この先にある出来事のために。あれは……この痛みに耐える価値がある。
不規則な呼吸をしながら俺は草藪の中にじっと身を潜める。近くなる追っ手の声。その時、ガサリと目の前で音がした。
―――ああ、そら現れたぞ。
藪を掻き分け出てきたのは、小柄な人影だった。その表情は闇に紛れ窺い知れない。人影はしばらく俺を見下ろし、口を開いた。
「死ぬのか?」
ひどく端的な言葉。そこには殺気も憎しみも感じられなかった。それどころか天気の話でもするような気軽な口調に、俺は思わずその口角を上げた。非常に……こんな状態だったが……好感を持ったのだ。
「こ、のッ……程度の毒じゃぁ……死なん」
痛みにひきつる喉でつっかえつっかえ答えた。情けない事にだいぶ毒が回っていたらしい。追っ手の声がもうすぐ傍まで聞こえる。その音に振り向いた人影に、俺は自分が追われている事を伝え、笑いながら「毒で弱っているところを殺したいんだろう」と付け加えた。……うまく笑えていたかは分からなかったが。
「ふーん」
人影は近付く声の方をしばらく見ていたが、おもむろに向き直った。雲の切れ間から月明かりが射し込み、サアッと人影を照らす。そこには大きな黒い瞳と円いねずみの耳を持った少年がいた。
俺は思わず息を呑んだ。まさか子供だとは思っていなかったのだ。しかし少年は滑らかな動作で腰から2本の短刀を取り出し構えた。
「……なら守ってやる。毒はその間に何とかしろ」
その言葉が俺に届いた時には、もう少年は藪から飛び出していた。
俺は薄れる意識の中、ぼんやりと戦いを見ていた。
1つ分かった事がある。あいつは恐らく少年ではない。少年にしては……べらぼうに強すぎた。
暗闇を縫うように走り、敵が気付いた時には両手の短刀が容赦なく振り下ろされている。彼の俊敏さの前では数など問題では無かった。斬り合う音すら殆ど聞こえない。聞こえるのは敵の怒鳴り声と、衣服と共に肉が切り裂かれる音、そして呻き声だけだった。
たまに漏れる月の光が彼とその血すら振り落とし振るわれ続ける刀身を照らす。その姿は悪魔か、天使か。どちらでもいいと思った。ただただ、戦うその姿が綺麗だった。
(あの時もずっと見ていたいと思ってたんだよな)
俺はもう指すら動かせなくなっている自身に苦笑した。夢でならあいつのあの姿をずっと見ていられると思ったのに、やっぱりこの痛みからは逃れられないのか。
ちくしょうめ。そう呟きながら俺の意識は遠くなっていった。
気付いた時には見知らぬ宿屋のベッドの上だった。
そこで俺はようやく自分を助けてくれた男と自己紹介を交わし、
ティクス・ソル
が自分とそこまで歳が変わらない事を知った。ティクスは「特に急ぐ用もないから」と、俺が動けるようになるまで同じ宿屋に留まってくれた。
そして何とかベッドから起き上がれるようになった頃。俺はティクスを呼び、あらたまって頭を下げると何か恩返しをしたいと申し出た。
「恩返し?」
俺のような病み上がりの大男からそんな言葉が出てくるとは思わなかったのだろう。ティクスはその艶やかな黒い瞳をぱちくりとさせた後、破顔した。
「……なら、飯を作ってくれ」
ひとしきり少年のように笑うと、ティクスは言った。その言葉に俺は思い切り顔を歪めた。
「俺は食事に入れられた毒で死にかけたんだが……そんな奴に今飯の話をするのか?」
俺は大げさに唸ってみせ、ティクスをベッドの上から睨みつける。しかしティクスは動じる事無く、深い瞳で答えた。
「毒の苦しみを知ってる奴だから、だ」
しばし、俺とあいつは視線を絡ませた。やがて俺はふうと息をついた。
「面白い、いいだろう。そういう事なら作ってやる……これから先もだ」
そう、面白いと思ったのだ。この少年のような男のべらぼうな強さも。命の重さも、そして軽さを知ってるくせに手を差し伸べる甘さも。その瞳の奥にある触れてはいけない哀しみのようなものも。
食事は、生物の基本だ。それを俺に任せる甘チョロいお前。おう、任せろ。そんなお前を内からも外からも絶対に守ってやる―――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月30日
参加申し込みの期限
2017年10月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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