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pain 夢の中で
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【
志波 武道
の夢】
いつも通りの朝だ。
本日は快晴哉。眩しい朝陽に目を細めながら俺は足取り軽く登校した。
見慣れた町。道行く寝子高生達には、見知ったたくさんの顔。俺の大事な友人達だ。前を行くは麗しの兄弟か? 俺は挨拶しようと元気に手を挙げた。
しかし。
声は出なかった。いや、手すら挙げられなかった。突然俺の体を例えようのない程の激痛が襲ったのだ。
「カ……ハッ!」
余りの痛みに呼吸も出来ず、涎を垂らしながら喘ぐ。
(これはなんだ!?)
頭は働くが、自分の四肢はまるで痛みだけを満杯にした木偶人形の様だ。思考だけを置き去りにスローモーションの様にゆっくりと倒れる俺の耳に、抑揚のない声が飛び込んできた。
「それはフツウを守るために今まで負ってきた痛みだ」
(な……にを言ってるんだ?)
崩れ落ちながら、俺は信じられない思いで足元を凝視していた。
―――その声は、自分の影から発していた。
ドサリと俺は倒れ伏した。痛みは絶え間なく俺を襲い続ける。少しでも緩和させようと、俺はろっこん<スイ・マー>を己の左手に載せたが、その手は突然がしりと地面に踏みにじられた。
そのまま髪の毛をむんずと掴まれ、無理矢理頭を引き上げられる。喉から漏れる苦悶の呻きを止められないまま何とか薄く目を開き、俺はありえないものを見た。
俺の目の前にいたのは、自分だった。こちらをアザけ笑うように見つめる、自分と同じナニカが、そこにいた。
あの長閑だった周囲の空気は一変していた。
同じ顔の俺を、俺達を、皆は恐怖に満ちた目で凝視している。目の前の俺が浮かべた酷薄そうな笑みに、俺の背筋は凍った。
嫌な予感しかしなかった。逃げろ。周りにそう叫びたかった。しかし喉からは掠れた息しか出ず、激痛で指1本動かせない。俺の髪を掴んでいた手が無造作に離れた。
目の前に繰り広げられる惨劇を、俺は地べたに転がりながら眺めるしかなかった。
ヤメロ
俺と同じ顔をしたナニカが、大事な人達を傷つけていく。
ヤメロ
楽しそうに笑いながら。苦しむ人を嘲りながら。
もう、動くものはなかった。周囲にはびこるむせかえる様な生温かい鉄の匂い。それでも、あれは止まらなかった。
壊れていく日常。俺の大事な人達の笑顔が消えていく。それを、俺は助けられない。痛みきった体を無様に転がすだけで、誰も助けられない。
頼む、やめてくれ……。
乾いた唇を動かした。それは音にすらなっておらず、果たして空気を震わせていたかも分からない。ただ、体から絞り出した思いだった。
その時、俺が振り向いて言ったのだ。
「ざまぁみろ」
そう、俺が言ったのだ。
俺の手は赤く汚れていたのだ。
周囲にはたくさんの人形が転がっている。意識のない、光を失ったその瞳はくすんだガラス玉のようだ。たくさんのそれが俺を見つめている。
そして俺は唯一微かに動くものに視線を移した。それは、地べたに転がってる俺だった。
涙を流し、卑屈に笑いながらそれはこちらを見ていた。
<そんな目で、顔で、俺をみるな……!>
その顔は、ついさっきまで俺の顔をしたナニカに向けていた俺自身の姿なはずなのに。俺はそれに気づかない。気づけない。
そうなのだ。それは俺なのだ。これは俺なのだ。なのに俺は気づけない。
俺は、俺なのだ
ガバリ、と
志波 武道
は布団から飛び起きた。
心臓がもの凄い早さでどくどくといっている。首にも背中にもじっとりと脂汗をかいていた。
荒い呼吸を何とか落ち着けながら、武道は布団を握りしめた。夢だ、そうこれは……夢なんだ。あの痛みも、恐怖も、無力感もみんな夢。だから……恐れる事はないんだ。
武道は薄ぼんやりと形作る部屋の中を凝視していた。それでも。夢だからなんだというのだろう。この小さな下宿部屋の外で、実はポカリとフツウが無くなっているのかもしれない。大きな暗闇が口を開けているのかもしれない。
そしてその中で笑っているのは……俺なのかもしれない。
暖かくなってきた春の夜。1人武道は身じろぎもせず闇の向こうを見つめていた。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!
『夢の中では痛くない』と言いますが、その夢自体が苦痛に満ちたものだったらどうだろう……と思い、このシナリオを出させて頂きました。
記憶の痛みって夢でも痛いと思うのです。
皆様の様々な痛みにどっぷり浸かって書かせて頂きました。
この言葉が適切かどうか分かりませんが―――楽しかった!
また折を見てこういった少しシリアスなシナリオも出していけたらと思います。
それでは。
また皆様にお会いできること、楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月30日
参加申し込みの期限
2017年10月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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