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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
キミ ガ ダイスキ
■一緒に帰ろう
「保健委員長！ 身体測定日のスケジュールですが……」
「添木先輩、先週の保健室利用に関するデータが……」
添木 牡丹はこの春から保健委員長の役職に着いていた。
これまでも保健委員として活動していたので、勝手は分かっていたつもりだったが、他の保健委員を纏める業務や指揮を執ることも求められるようになり、今まで以上に気を配る範囲が増えた。
柔和な笑みを浮かべた牡丹は責任感も強く、また世話好きでもあるため他の保健委員や後輩にとって理想的な委員長と呼べるだろう。
「スケジュールにデータ、ありがとうございますぅ」
微笑みを浮かべ、書類を受け取る牡丹。
「添木先輩、それではお先に失礼します！」
そう言うと後輩たちは一礼し、保健室を出ていった。
（……ふぅ）
１人きりになった保健室で、牡丹は大きく息を吐いた。
牡丹の敬愛する養護教諭、鷲尾 礼美の姿もない。今、礼美は職員会議のため席を外している。
ベッドを使う生徒もいないため、保健室はシンと静けさを見せた。
（敬愛する鷲尾先生のために、今まで以上に力になりたいと思ってたけれど……私ごときがその大役を全うできるのか……）
牡丹は己の胸に広がる不安を収めるように、その大きな胸にそっと手を添えた。
（鷲尾先生に頼ってもらえるのも光栄だけれど……流石に少し、疲れが出てきたかも……）
窓際から見えるのは、部活中の生徒たち。
明るい声が保健室にも響く。室内の空気を変えようと牡丹がそっと窓を開くと……花の香りが流れ込んできた。
柔らかな香りを吸い込んだ牡丹は、思わず瞳を閉じる。
（……なんでしょうか？ この香り……）
思い浮かべるのは牡丹の彼氏である戌井 創の姿。
創の愛らしい笑顔が牡丹の脳裏に広がる。
『ぼたん先輩っ♪』
そう牡丹を呼ぶ彼の声が聞こえそうな程、牡丹の脳裏に浮かぶ創は子犬のような笑みを浮かべている。
（まるで可愛らしいワンちゃんみたい）
思わずクスリと笑みを浮かべる牡丹。
牡丹よりも小柄で、童顔ゆえか高校生に見られることはほとんどないと思われる創。
牡丹の脳裏に浮かぶ創の姿は犬耳＆犬尻尾が標準装備されている。喜びに尻尾をフリフリする創。何か興味を引けばその犬耳がピクピクと動く。そんな様子が易々と浮かぶ。
実際、創のろっこんは『ALL IN ONE』というもので、創の頭が三度撫でられることで犬耳と尻尾が生えるわけであり。
その姿が見たくて、何度も彼の頭を撫でるのも牡丹の日常であり、くすぐったそうな表情を見せる創がまた愛らしいわけで。
牡丹が手を広げれば、嬉しそうな笑顔と共に抱き付いてくる創の姿を思い返せば、牡丹の胸は暖かな感情で満たされていく。
しかし、創の魅力はそれだけではない。
愛らしい彼だけれど、普段の姿を忘れる位に男らしい表情を見せてくれる事もある。
小柄な身体は不利、と思われがちなバスケットボール部で、創が細かい動きで相手チームを翻弄する姿を間近で見た日。
二人だけの時間の中で、ドキッとする位『男』の表情で牡丹を見つめる眼差し。
（……こんな私を）
牡丹は瞳を開き、傍らにあった鏡に目を遣った。
そこに居るのは、牡丹の姿。
（……本性は汚れきった、醜い私を……）
己の腕を纏う包帯に指を添わせ。
（それでも愛してくれる、って……）
赤らむ牡丹の頬。
（一緒に居たい、って……そう言ってくれた、身内以外で唯一の男の子）
創のことを想い、思わず笑みが溢れる。
今すぐ会って、抱きしめたい。
愛を込めて、強く優しく彼を抱きしめたい。
あどけない表情を持つその顔に、身をかがめて口付けたい。
創の小柄な身体からほとばしる温もり全てを受け止めたい。
（私の創君を、思いっきり感じたい……）
牡丹の灰色と赤の瞳が潤み、とろける。
そして己の身体を強く抱きしめた。創がいつもそうしてくれるように。
愛する人との時間を思い返す牡丹の姿は、何よりも美しかった。
「……あら、添木さん。遅くまでお疲れ様」
礼美がガラリと保健室のドアを開けば、そこには帰り支度を始めていた牡丹の姿があった。
礼美は色香の漂う艶やかな笑みを携え、牡丹を労う。
「鷲尾先生、申し訳ないのですが……」
残った仕事を明日片付ける旨を伝えれば
「勿論よ。最近色々と頼りっぱなしだったから、少し申し訳なくも思っていたの。それより……顔が赤いけれど、大丈夫？」
牡丹の顔を覗き込む礼美。
「だ、大丈夫、ですぅ」
心配してくれたことを光栄に思いつつも、牡丹はしっかりとお辞儀をし、保健室を後にした。
（創くん。創くん……私だけの、創くん……）
スマホを操作し、牡丹は愛しい彼へと電話をかける。
そこから聞こえるのは、愛しい人の明るい声。
「創くん。……一緒に帰ろう？」
牡丹は返事を聞くと、艶やかな笑みを浮かべた。
「私達の、愛の巣へ」
「保健委員長！ 身体測定日のスケジュールですが……」
「添木先輩、先週の保健室利用に関するデータが……」
添木 牡丹はこの春から保健委員長の役職に着いていた。
これまでも保健委員として活動していたので、勝手は分かっていたつもりだったが、他の保健委員を纏める業務や指揮を執ることも求められるようになり、今まで以上に気を配る範囲が増えた。
柔和な笑みを浮かべた牡丹は責任感も強く、また世話好きでもあるため他の保健委員や後輩にとって理想的な委員長と呼べるだろう。
「スケジュールにデータ、ありがとうございますぅ」
微笑みを浮かべ、書類を受け取る牡丹。
「添木先輩、それではお先に失礼します！」
そう言うと後輩たちは一礼し、保健室を出ていった。
（……ふぅ）
１人きりになった保健室で、牡丹は大きく息を吐いた。
牡丹の敬愛する養護教諭、鷲尾 礼美の姿もない。今、礼美は職員会議のため席を外している。
ベッドを使う生徒もいないため、保健室はシンと静けさを見せた。
（敬愛する鷲尾先生のために、今まで以上に力になりたいと思ってたけれど……私ごときがその大役を全うできるのか……）
牡丹は己の胸に広がる不安を収めるように、その大きな胸にそっと手を添えた。
（鷲尾先生に頼ってもらえるのも光栄だけれど……流石に少し、疲れが出てきたかも……）
窓際から見えるのは、部活中の生徒たち。
明るい声が保健室にも響く。室内の空気を変えようと牡丹がそっと窓を開くと……花の香りが流れ込んできた。
柔らかな香りを吸い込んだ牡丹は、思わず瞳を閉じる。
（……なんでしょうか？ この香り……）
思い浮かべるのは牡丹の彼氏である戌井 創の姿。
創の愛らしい笑顔が牡丹の脳裏に広がる。
『ぼたん先輩っ♪』
そう牡丹を呼ぶ彼の声が聞こえそうな程、牡丹の脳裏に浮かぶ創は子犬のような笑みを浮かべている。
（まるで可愛らしいワンちゃんみたい）
思わずクスリと笑みを浮かべる牡丹。
牡丹よりも小柄で、童顔ゆえか高校生に見られることはほとんどないと思われる創。
牡丹の脳裏に浮かぶ創の姿は犬耳＆犬尻尾が標準装備されている。喜びに尻尾をフリフリする創。何か興味を引けばその犬耳がピクピクと動く。そんな様子が易々と浮かぶ。
実際、創のろっこんは『ALL IN ONE』というもので、創の頭が三度撫でられることで犬耳と尻尾が生えるわけであり。
その姿が見たくて、何度も彼の頭を撫でるのも牡丹の日常であり、くすぐったそうな表情を見せる創がまた愛らしいわけで。
牡丹が手を広げれば、嬉しそうな笑顔と共に抱き付いてくる創の姿を思い返せば、牡丹の胸は暖かな感情で満たされていく。
しかし、創の魅力はそれだけではない。
愛らしい彼だけれど、普段の姿を忘れる位に男らしい表情を見せてくれる事もある。
小柄な身体は不利、と思われがちなバスケットボール部で、創が細かい動きで相手チームを翻弄する姿を間近で見た日。
二人だけの時間の中で、ドキッとする位『男』の表情で牡丹を見つめる眼差し。
（……こんな私を）
牡丹は瞳を開き、傍らにあった鏡に目を遣った。
そこに居るのは、牡丹の姿。
（……本性は汚れきった、醜い私を……）
己の腕を纏う包帯に指を添わせ。
（それでも愛してくれる、って……）
赤らむ牡丹の頬。
（一緒に居たい、って……そう言ってくれた、身内以外で唯一の男の子）
創のことを想い、思わず笑みが溢れる。
今すぐ会って、抱きしめたい。
愛を込めて、強く優しく彼を抱きしめたい。
あどけない表情を持つその顔に、身をかがめて口付けたい。
創の小柄な身体からほとばしる温もり全てを受け止めたい。
（私の創君を、思いっきり感じたい……）
牡丹の灰色と赤の瞳が潤み、とろける。
そして己の身体を強く抱きしめた。創がいつもそうしてくれるように。
愛する人との時間を思い返す牡丹の姿は、何よりも美しかった。
「……あら、添木さん。遅くまでお疲れ様」
礼美がガラリと保健室のドアを開けば、そこには帰り支度を始めていた牡丹の姿があった。
礼美は色香の漂う艶やかな笑みを携え、牡丹を労う。
「鷲尾先生、申し訳ないのですが……」
残った仕事を明日片付ける旨を伝えれば
「勿論よ。最近色々と頼りっぱなしだったから、少し申し訳なくも思っていたの。それより……顔が赤いけれど、大丈夫？」
牡丹の顔を覗き込む礼美。
「だ、大丈夫、ですぅ」
心配してくれたことを光栄に思いつつも、牡丹はしっかりとお辞儀をし、保健室を後にした。
（創くん。創くん……私だけの、創くん……）
スマホを操作し、牡丹は愛しい彼へと電話をかける。
そこから聞こえるのは、愛しい人の明るい声。
「創くん。……一緒に帰ろう？」
牡丹は返事を聞くと、艶やかな笑みを浮かべた。
「私達の、愛の巣へ」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年09月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年09月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年09月28日 11時00分
