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『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
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早朝の寝子島神社にて。
振り下ろされる木刀から、まるで刃で払ったかのような鋭い風切り音が聞こえてくる。
それを数百と、もはや数えるのも忘れ繰り返す
御剣 刀
の早朝鍛錬のさなかにおいて、
「……」
ふと、雑念が入った。
「一息つくか」
大きく息をついて、社の石段に腰を掛けて持ってきていたペットボトルから水を一口。
その瞬間、ふと見渡せる境内の中央に、いつしか一匹の猫がいた。
荒々しい毛に太陽の光に反射した、金色に光る目が、正面から刀とぶつかり合う。
「(……こういうのって、一度目が合うと視線を切りづらいよな~……)」
そう思いながら眺めるように見つめ合うことしばらく、
ぼんっ。
「──!?」
そんな音を残して、猫は煙を残して姿を消した。
『──通常の猫の消え方としては、かなり新手だ』
刀は驚きを隠さずに、それについてしばらくの間考えていたが、流石に『今のは猫ではない可能性の方が大きい』と、常識的な方へ思考を切り替える。
「(まあ、もういないし考えても仕方ないか)」
刀はそう結論付けると、過ぎた時刻を認識して練習再開する為に、勢い良く立ち上がろうとした。
──のぉろり、と身体が動いた。勢いを付けて立ち上がろうとしたはずなのに。
「(え……?)」
一瞬、何のことだか理解出来なかった。不可思議に思った瞬間ですら、まだ刀の身体は立ち上がろうとしている真っ只中。
「(何だこれ……? 頭の中のイメージと実際の身体の動きがリンクしない。動きが凄い遅いぞ……何だこれ!?)」
身体機能の反射は変わっていないのか、刀の背筋から、一気に血の気が引いた。
慌てて刀は、簡単な身体の動作などの確認を行ったが、動作は思考より遥かに遅れに遅れ、動揺に拍車を掛けるだけだった。
思考はいつも通りなのに、身体だけが異常に遅いという事実は、刀が更に動揺し焦るには十分である。
「(まずい……!
これはアレか? もしかして、さっきの思い切り怪しい猫が原因か?
──捕まえたら何とか出来るか!?)」
煙のように消えてしまったが、境内にまだいる可能性もある。
刀はその瞬間、僅かに揺れたような気がした茂みの方へ全力で駆け出したが──それがまた、遅い。
そして、掛けた時間に対しての悲劇は重なるように、その茂みには『アレ』ではなく、のんびり寛いでいる全く別の猫がいた。……手詰まりである。
「(うをー!?
どうすんだよコレ! これ無理だろ!! 生活できるの!?)」
その魂から発せられた叫びの問いの答えは、刀自身が知っていた。
確信せざるを得ない、答えは明らかにNoである。
「(買い物とか飯とかトイレとかヤバい、かなりヤバい──!)」
刀は深刻極まった表情で、これから連続的に発生するであろう問題に目を向ける。
それらをある程度、回避できる方法は、
「(とりあえず帰ろう! 帰ってから考えよう!!)」
一瞬、何かから目を背けた感も無くはなかったが、事実、恐らくそれが一番正しいことを刀は確信した。
実際、家にいれば、ひとまずは殆どの外的要因は排することが出来る。
刀は、今出しうる全力をもってして、荷物を持ち、寝子島神社の階段を降りて行った。
そうして、帰り道──
あれから半日以上をかけて、不本意にも『台風の逆風に立ち向かうパントマイムを行う大道芸の人』のような目で見られ、心がずたぼろになった刀の姿が、あちこちから目撃されたのである……
「(視線が、痛かった……!)」
もう外は夕方近く。
刀はのろのろと、家の玄関を閉め。一気に溢れ出た惨めさに負けそうな気分で、何とか茶の間まで辿り着いた。
「(……好きでこんな風になったんじゃないのに……!)」
刀は、己の機敏さと速さには絶対的な自信があった。それだけに懸けた人生だと言っても過言ではない。
しかし、今日。それが完全に打ちのめされたのである。それは泣き言の一つも言いたくなるというものだ。
茶の間では、ふかふかの座布団の上に、
ルヴィア
という片腕に乗せられるビスクドールがちょこんと座っている。
「あー、ルヴィア助けて~……」
思わず口にでた、その言葉すらまったりゆったりとしている。手遅れ感が半端なかった。
「あーもう! 家だからいいけどさ!!」
そんな叫びすら、ゆっくりだ。もうどうしていいか分からない。
──己の無事と、理不尽さと、今まで当然だと思っていた事への侭ならなさなど。山になるまで、ごった煮にした感情が言葉と共に溢れかえって。
刀は、ヤケを起こしてそれら全部を丸投げするように、思い切り畳の上に寝転がった。
仰向けになった視界の中に、こちらを向いているルヴィアが見える。
出会ってから、結構経つ。一緒に同じ時間を過ごすようにしてから、大分経つ。
もう喋ることなど無いのだけれども。出会った時のその様子を、その声を思い出す。
じぃっと、ルヴィアを見つめる。
人形は、扱いによっては人よりも長く存在し続ける。だとしたら、時の流れもゆっくりなのだろうかと思いながら──
『今日の刀は少し変ね』
──錯覚であろう。もうルヴィアに言葉を交わせる要素はない。
だが、今ゆっくりとした時間に脱力感と共に全てを投げ捨て、眠る直前のようにただ漂う刀は、ほんの僅か興味を引かれた様子の言葉を、心で当然のように聞いていた。
「仕方ないだろ。今日は色々あったんだから」
声が間延びしているが、それすら気にしない。
むしろ今は意識も危うい白昼夢にも近く、それでも。
『今日はどんなことがあったの?』
ずっと一緒にものを見てきた。だから答えるべきだろう。本当に少しだけ、その声に楽しそうな色を滲ませた問いかけに。
「今日は、剣術の稽古に行っていて──」
常識では考えられない特殊な時間の過ごし方。
たまには、こんな日も。これはこれで悪くないな、と。刀は、自覚の出来ないじんわりとした温かさを供にして、その不思議に気付かない程、とてもゆっくりとした一日を過ごした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月09日
参加申し込みの期限
2017年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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