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『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
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深倉 理紗子
は夢を見ていた。
それは、現実と何ら区別のつかない。むしろ、それらは『現実の再現』
「あ。そう、だったんだ……」
東京にいるはずの親友は、今日は休みだと言った。
親友は、嘘をつくのが下手で。その嘘をつかせてしまった事が申し訳なかった。
「もう帰るね」そう告げて、本土への電車に乗る彼女の姿を確かに目にした。
戻ってくるのは容易くとも。親友がそこまでの行動を取ってまで、つきたい嘘とは何なのか。
そこまでする彼女を、『彼女の嘘の存在自体を』認めたいとは思わなかった。
桜の中を、前を歩く女性二人が話をしていた。
二人は、笑いながら『寝子島に住んでいないと出来ない話』をしていた。
そして──片割れである女性が。本来ならば『居るはずのない場所』にいる親友が。それを楽しそうに話をしていたのだ。
「まーちゃん、昨日東京に帰ったんだよね? 何でここにいるの?」
……嘘を、つかれるなんて思わなかった。思いたく、なかった。
「もうなにがなんだか、全然わからない。まーちゃんが何考えてるか、全然わからないよ!」
叫びと共に。ギチリと、虫にでも噛み切られたように心が痛んだ。
◆ ◆ ◆
午前六時、目覚ましの音がした。
カーテンから零れ差し込む朝日は、圧倒的に睡眠が足りない理紗子には、精神を焼く地獄の一部のようにしか感じられなかった。
日付が変わって、大分経ってから眠った脳への休息は、あまりに短い。
眠りから覚めて目覚ましを止めて、自分の意識を取り戻す前に。理紗子は先に、心の鈍痛に眉を顰めた。
夢を見ていた。現実に起こった最中と比べて、胸の痛みは大分ましと言っても差し支えない程度で済んだ。
しかし、それは一過性ではなく。延々と、回り巡る焼きごてを付けた歯車のように。定期的に、理紗子の心を焼き付かせていく。
「……」
眩暈がする。身体が金属粉に泥を混ぜたかのように重たくだるい。
理紗子はそのような、心身共々から来る悲鳴と嘆きに、無理やり耳を塞ぐように、ベッドから身を起こしてシャワーを浴びて、出勤準備をして家を出た。
食事は摂ったはずだが、何を食べたか理紗子の記憶には残っていない──
過去、理紗子はこれと全く同じ生活を送り、昨年の秋に過労の末に一ヶ月の療養をとった。
今もこのままであれば、その二の舞となるのは目に見えている程に、理紗子の身体は既にボロボロの光景だった。
胸が痛い、朝日が眩しい。
本来ならば健康的な時間での活動であるが、理紗子はその激務の果てに、職場である寝子島総合病院への近路が、亡者の黄泉路にも近いという感覚すら覚えて歩いた。
故に、直前まで気付かなかった。
川を渡る橋の真ん中に、一匹の茶色毛の深い猫がいた事に。
「あ……猫」
理紗子は虚ろにそれだけを言葉にし、猫とすれ違いざまに目が合った。
それは時間にして五秒にも満たなかったであろう。理紗子はいつの間にか視界から消えていた猫を、瞬きを数回して首を傾げた。
「いったい何なんだろう……」
そう呟いて、ふと。理紗子は胸元に手を当てた。
胸の痛みが、心の深層から焼き滲むように浮かんでいた疼痛が消えていた。
「──え?」
次に追いかけて来たのは、嘘のような脳の明瞭感。驚きに一呼吸すれば、それは清涼感を伴って、今まで白黒だった脳の風景に鮮明な色をつけた。
「……」
胸も身体も、一気にふわりと、そして勢いを伴って軽くなる。理紗子には原因が思いつかない。
──しかし、理紗子にはそれがとても好ましく思えた。辛い事を忘れた訳ではない。ただ、心が苦しく思うのをやめたのだと認識した。
それは、ここ最近。理紗子には、ずっと感じることの叶わなかった事だった。
「おはようございます」
「お、おはようございます」
凛と伸びた立ち姿。そのまま病院の棟内を颯爽と歩く姿に、驚いたのはそれを最初に目にした看護師達だった。
いつもは、丁寧だが心の優しさが柔く見えてしまい、理紗子がどんなに頑張っても『頼りない』と裏で酷評する看護師達が瞬きをしてそれを見送った。
「駄目ですよ。お薬はちゃんと飲まなくちゃ。それじゃ治る病気も治らなくなってしまうんですから」
丁寧だが、言うべき事はしっかりと。
いつも言う事をろくに聞かずに、我が侭ばかりを言い手を焼く中年男性の患者も、言い得ぬ圧力に今日は黙る。
「──私は、反対です」
そして、午後にはチームを組んで治療にあたっている患者について、医師同士の治療方針についての話し合いの折に、いつもは不安そうに何かを言い掛けては頷くだけであった理紗子が、はっきりと明瞭に代案を提示した。
話し合い終了の後、チームの医師達も「深倉先生は一体どうしたんだ……?」という声が遠くで聞こえたが、いつもならば内心で自分の行動に怯え震えながら、それをひた隠して場を立ち去るであろう理紗子が、今日は自信と共に揺らぐことなくその場を悠然と後にした。
今日も帰りは遅く、恐らく数時間と眠る時間は無いであろう。
それでも、理紗子に今までの疲れはなく、むしろ眠る必要を感じない程の活力にあふれていた。
同時に、胸の痛みの代わりに感じる心の高揚は。何時まで続くか分からないけれども──少なくとも、今はそれを考える必要はない。
『今日はきっといい一日になるだろう』
根拠はない。だが『今日、この一日だけは』良い日になると確信をして。
理紗子は、再び医療における激務の中へと、その身を投じていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月09日
参加申し込みの期限
2017年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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