this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
休日。
八神 修
は、朝から図書館に来ていた。
行き慣れた物理学の参考図書が置かれた本棚まで歩きながら、修は、今日ここに来るまでに見つけて写真に収めた猫について思い出す。
金色の双眸を持った、野良にしてもとても珍しい猫。逃げないように自転車に乗りつつ写真を撮って数秒、目を合わせて気が付いたらいなくなっていた。
「(また会えるだろうか、今度はじっくり触れてみたい)」
そう思いながら、修は館内を歩き、目的の棚の前で立ち止まる。
本の背表紙を見つめながら考えることしばし。
修は今回の目的である『友人に教える為』を目的とした、見るからに分かりやすそうな物理学の初歩となる本を書架から引き出した。
いつも通り、何も変わることなくページを開く。
しかし、その内容が分からない。
「……?」
修は怪訝そうな顔をして、読み返す。
それは可愛らしい絵柄までついて解説されているのに、修には『それが何を意味しているのか、分からない』
「──?」
見れば、どの本も、どの本も。何を手にしても分からない。それが『物理学の初歩』を示しているのは分かるのに、その内容が分からない。
「(何だ……? 今日は体調でも悪いのか)」
仕方無く、手にしたデフォルメ図解のある絵柄で分かりやすそうな本を幾つか借りて帰途についた。
図書館からの帰り。
いつもより、不思議なくらいにペダルの軽い自転車に乗って、信号待ちをしていた修の前で、目の前を満員のバスが曲がろうとしているのが見えた。
カーブによりバスが曲がり、乗客が圧迫されている。混みすぎて、誰も掴むことが侭ならなくなったつり革がむなしく揺れた。
「……」
いつもの修ならば──その光景を見ながら、中の乗客がどれだけ圧迫されるかも、つり革の揺れ具合も、それら全てが物理学で予測が付くことを知っていた。
……知っているはずなのに。今は、頭の中が消しゴムで消されたかのように、知っているはずなのに何も浮かんで来ない──
「(一体……どうしたんだ、今日は)」
自分の体感と大きく異なる、速く漕げる自転車に乗って。
このままでは良くないと、修は公園のベンチで一休みすることにした。
青い芝生の広場が風で僅かに鳴った気がしたが──修の心は、休むどころか嵐が吹いていた。
心を落ち着けようとした日常的な暗算が、出来なかったのである。
「(何故、何が起こっているんだ!)」
そう叫びだしそうな焦りを必死に抑え。
蒼白になった修の靴に、ふと軽くボールがぶつかった。
「おにーちゃん、それ投げてー」
状況はそれどころではないが、遊んでいる子供にそれを分かってくれと言う方に無理がある。
修は心を抑え込んで、野球サイズのボールを軽く投げ返した。
「え……?」
次の瞬間。投げた先、凄まじい音を立ててミットに収まったボールに、子供達は驚きに沈黙し、それから一斉に色めき立った。
「すげえ!」
「……」
修は、その言葉を受け取らず、無言でその場に背を向けた。
──今ので、最初から無い余裕は消し飛んだ。
「(今のボールだって、少し考えれば投げ加減くらいは調整出来たはずだ……!)」
──とある小説を思い出す。海外の有名なSF小説だ。
知力に障害を持っていた男が実験手術によって天才になった。しかしその終盤、それらの知識は次々と失われていく。
自分は知っているはずなのに、知識を虫に食われたかのように思い出せない。
やがて、その男の知力は──
修はそこで考えることをやめた。
恐ろしかった。知識、知恵、学力の無い八神修など、それは生きていると言えるのか?
むしろ、八神修は、今ここで死のうとしているのではないか──と、
「お兄ちゃんありがとうー!」
背後に掛けられた声で、修は我に返った。落ち着けと、強く自分に言い聞かせる。
そして、ゆっくりと深呼吸を一つ。
「(冷静になろう、今脳血管が破れた症状はない)」
同時に、不意に浮かんだものは、朝に写真に収めた光る金色の双眸。
「神魂、か……」
これが神魂現象ならば、もっても一日か数日と、経験則で判断する。
神魂ならば、治る──治ると、信じて頭を切り替える。
先程のボール、漕ぐ自転車の速度と軽さ。それらから判断するに、恐らく『知力と体力が反転している』
それを理解した修は、早速一度戻り本を置き、再び自転車で家を出た。
今ならば実現可能な願望を、叶える為に──
普段、車に乗って移動する距離を、自転車で移動する。
坂道も砂利道も、長距離でも。いくら漕いでも苦しくなることはない。
そこで得たものは、心地良い汗と共に、清々しい気分が見つけた、色彩に明瞭な高台からの景色。
気持ちの高ぶりに逆らうことなく、修はシーサイドタウンで一番混み合うショッピングモールに来た。
修には──常こういう場で、心に引っ掛かることがあった。
だが、今ならば、自分にも出来ることがある。
先程は、いつもは見ないようにして来た、老人が持った重たい荷物を運ぶ光景に、声を掛けて運ぶ手伝いが出来た。
そして、迷子で泣いていた子供を肩に乗せて、一緒に声を上げながら親を見つけ、寂しがらせずに探すことも出来た。
そう。修は、修が思う限りのことをした。
思う限りの触れあいを。思う限りの思いやりを。
そして、それらを満たして帰ろうとした時。
修が偶然、ひったくりを見つけて取り押さえたときばかりは、流石に警察を呼んでもらったが。
今まででは、警察が来るまでの間、逃げようとするひったくり犯を押さえ込み続けるなど無理だったであろう。
今ならば、それができる。
今まで、知を主軸にして生きてきた。知識や知力は『強さ』である。それが修の生き方だ。
だが、今なら分かる。
体力や力は、知とは異なる、生物の雄が求めてやまない『強さ』である、と。
夜、ベッドに仰向けに横たわり、天上に片手を伸ばした。
知力の下がった今を覚えておこうと。
今のこの心は、感情は、きっと誰かにものを教える時に役に立つ。
今の自分は、確かに何も分からない。
それでも『そこに心はある』のだ。
今を知れば、自分だけが知っている事を大前提の知識だと思う事なく。
修は『目の前の人と共に』一緒に考えていけるだろう──
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月09日
参加申し込みの期限
2017年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!