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『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
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無言でタップ、タップ。
ときどきフリック、またタップ。
携帯で始めたゲームも、かれこれ通しで三時間。それに追加してそれまでの隙間時間を加えて○時間。
朝から晩まで、スマホゲームと共にある。そんな休日の
千歳飴 楓子
の午前中も、寝起きから丁度今の正午まで見事なまでにゲーム一色であった。
何も問題のない、平常の過ごし方である。
「ふう。今日でこのゲームのイベントは終了……」
正午から五分を過ぎて、楓子は崩していた華奢な身体を起こして、文字通りの一息をつく。
今のゲーム内ランキング順位は1531位。油断をすれば丁度一日の範囲内で、容赦無く叩き落とされてしまう過酷な順位ではある。しかし、現状ならば、無理なブーストを掛けずとも、ボスを倒して周回を継続していけば、2000位までの上位報酬は確実に手に入る。
上位報酬には、楓子が虎視眈々と狙っているゲーム内の激レアカードが含まれていた。
「今回の激レアカードはどうしても欲し……って、しまった。
回復アイテムがなくなってしまったな」
夢中になりすぎて忘れていた。
湧き出るボスを殴り倒し続けるには、回復アイテムが不可欠だ。
楓子は、スマートフォンのアプリを落とし、充電して差したままのコードを一度抜く。
「コンビニに買いに行くとするか」
余裕はある。焦る必要はないが、順位の変動が予測でしか分からない以上、気持ち早めの方がいい。
楓子は立ち上がり、ゲームの順位を気にしつつ手早く服を着替えた。
スマホゲームにおける『上位ランク安全圏』とは──楓子の事例に限らず『二十四時間重課金プレイ』のことである──
◆ ◆ ◆
コンビニへ向かう途中の、小さな公園にて。
楓子は、その公園内の遠くにて『少し不思議なもの』を見た。
冷静かつマイペースとも言える楓子の目から見て、少し不思議なのであれば、それは一般の人の目で見れば、もはや心に焼き付き離れない規模である。
「はーーはっはっはっは!
あぁ、なんて今日も美しいこの僕!」
髪を左手でふわさぁっと掻き上げる。
同時に、手鏡でそれで髪がきちんと整えられているかチェック。
春の陽気に誘われた小鳥が、木々の梢に止まって囀るのが聞こえれば、
「あぁ、空を飛ぶ小鳥さんも僕の美しさに惹かれ、囀りが止まらないようだね、はっはっは!」
……嗚呼、今日も世界は僕を美しく飾り上げている……!!
花椿 涼太郎
は、今日もアフロディーテの泉の如く湧き上がる美の充足感に恍惚を隠さない。
日課である。
普段は他者の行動に微塵も揺らぐことのない楓子の心が、ほんの僅かに視線をそちらに向けて歩く程度には、凄まじいオーラを放っている。
涼太郎は、楓子にはまだ気付いていない様子で、小鳥達に「はっはっは! 今日は、実家の駄菓子屋で配っている僕のブロマイド第二弾完成の出来を、僕の煌めきほどではないけれども、それに準じたこの麗しき太陽の元で確認しに来たんだよ! はーはっはっは!」……と語りつつ、隣のベンチにおもむろにブロマイドを出し掛けたところで。
……ふと、足下にいる焦げ茶に黒の横縞と斑点模様が入った猫がじっと見ているのに気がついた。
「……おや?
愛らしい猫さん。キミも僕の美しさに惹かれたのかな?」
猫の視線は変わらずに涼太郎を見ている。確かにこれは情熱的である。その熱視線の期待に応えないわけにはいかない。
涼太郎は、その目線を正面から受けながら高らかに謳い上げた。
「ふふっ、仕方ないね。はーーっはっはっはっは!
『さぁ、神々しい僕を見よ!』」
そして、それを歩きながら眺めていた楓子の目に、涼太郎のろっこんが轟いた。
【キラキラ★オーラ】
発動条件:「さぁ、神々しい僕を見よ!」と叫ぶ
能力:身体全体から強くまばゆい光を放つ。
流石に、これはインパクトがあった。
流石の楓子も、いきなり神々しさを通り越して、物理で発光した涼太郎に瞬きをしつつ、無意識に立ち止まってその状況を眺める。
「どうだい、今日の僕は一際眩しく──」
瞬間──ぼむっ、と音を立てて猫が消えた。
その場に残される涼太郎……
しかし、その様子は先ほどとは明らかに違った。
「……?
あれ、猫さん消えちゃった……」
全身をキラキラさせながら、今までとは異なる不安を伴った挙動不審振りを見せて、涼太郎が自分の身体を見渡す。
「それに、僕の身体がキラキラして……る?」
今までは『精神的にもキラキラしているのが当然であった為』気付かなかった己の発光に気付いて。涼太郎がおどおどしながら辺りを見渡せば、楓子だけではない、様々な人の視線を一身に浴びていた。
日常の涼太郎であれば、己の美しさに頷き歓喜に打ち震えていたことだろう。
「うわぁ、なんだか人の視線を感じるよ、恥ずかしい……!」
しかし、それが逆になれば、もはや怒濤の不安に震えるしかない。
更には、
「あ、あれ。芸術科2-7の花椿じゃね?」
「え? いや、別人じゃん? だってあいつこんなに人集めて、縮こまってるような奴じゃ──あ、ほんとだ」
「い、色んな人に見られてる~……っ!」
こうして日常の印象度が強すぎて、通りすがりの寝子高生にも見つかってしまい、涼太郎は光ったままその場に座り込んでしまった。
「……。ふむ、面白いものを見た」
しばし足を止めてその一部始終を見ていた楓子も、その様子に一区切りついたのを認識して、再び歩き出した。ふと、
──正面に、先ほど向こうで見た猫がいる。
「お。猫か。
なかなか愛らしい容姿じゃないか。
おいでおいで」
楓子は軽くしゃがみ込み、猫の高さに視線を近づけて軽く手を差し出す。
見つめ合うことしばし──
「……む?」
ぼむっ。
突然、白い煙と共に『それ』は姿を消した。
残される楓子……本来ならば、それが先ほど目にした涼太郎の現象と同じことに気付いたことであろう。しかし、彼と同じ変化の仕方をした為、楓子にも気付かなかった。
──性格の、反転である。
「い、今の猫はなんだったんでしょうか……」
きょとん、と。今までには有り得ない様子で大きく瞬きをする楓子。状況に理解が追いつかない。
「あっ、そうでした! 楓子はコンビニに課金をしに……」
そこまでを口にして、はたと楓子は我に返ったように瞳を見開く──
そして、
「いや、課金なんて良くないですっ。
課金をしなくても十分遊べるんですから──!」
この瞬間、今の楓子は『課金は蜜』と湯水のように課金をして蜜を味わう、自分の存在思考を『悪』とした。
「さあ、このお金で可愛いお洋服とぬいぐるみさんを買いに行きましょう♪」
そして楓子は、丁度目の前にいた、まだ涼太郎の様子を見ている寝子高生の二人に声を掛けて通り過ぎる。
「ごきげんよう、良い天気ですね」
「……え? あ、はいっ」
寝子高の二人組は、先程から何気なく見ていたその雰囲気の変貌振りに驚きを隠さず顔を見合わせる。
そんな二人の様子を気にすること無く、楓子はこれから自由にショッピングが出来る幸せを心から堪能し、本当に雲の上を花の上を歩くかのように、その場を立ち去った──
◆ ◆ ◆
「お兄ちゃーん!」
「あれ?」
公園にて。
落ち着いた涼太郎の本来の目的は、新しいブロマイドの写りの確認であったが、何故かそんな気分にもなれない。
そんな中、いつも駄菓子に来てくれている子供達が走り寄ってきた。
「こんにちはー!」
「こんにちは」
その返事に、子供達が驚いたように涼太郎を見る。
「ん? お兄ちゃん、何かいつもとちがうー」
「いつもとおんなじで、きらきらしてるのにー。へんなの」
いつもとはあまりに違う小さく穏やかな声の挨拶はまるで、何か余程のことがあったのかと、子供達が心配する。
「そう……かな?」
「うんっ、そうだ! おにーちゃん、いつも持ってるバラ見せて!
あのポンって出るやつー」
「薔薇……? あ、あれのことか、な?」
それは駄菓子屋で子供達に見せる簡単な手品だ。店でいつでも出せるように、いつも袖口に仕込んでいる薔薇は、今も涼太郎が手首を翻すだけで、一輪綺麗に花開いて現れた。
それを見た子供達から、わっと大きな驚きと喜びの声が上がる。
一番目の前で喜んでいた子供にあげると、一気にそれに対する羨望の声が上がった。
「…た、堪能できた、かな?」
『堪能できたかい?』がろっこん解除の合図。
光は収まるが「もう一回」と、自分を囲んで続く子供達の手品へのアンコールは終わらない。
……とても嬉しい、とても嬉しいが。
「(あんまり褒められるのは、恥ずかしいよ……!)」
いつもならば甘美と共に受け止める子供達の声が、今はとても恥ずかしい。
アンコールの声を聞いて、また遠巻きに見る人が増え始めて、それに一層拍車を掛ける。
そして涼太郎は、それらの無言の声の圧力に負けて、ついにその状態から耐えかねるように顔を覆ってしゃがみ込んだ──今後、また見られるかの分からない、非常にレアリティが高くブロマイドにもない。
それは実在でなければ見られない非常に稀有な、涼太郎の1シーンとなった──
◆ ◆ ◆
「楓子は、いつもなんてものにお金を使っていたのでしょうか」
言いながら手に取るのは、スィートピンクを基調としたセパレートのワンピース。スカートは着苦しくない程度に大きく入ったパニエでボリューミーに広がっている。
そして上下共には、白のフリルとレースが、これでもかと言うほどに付いていた。これはアクセント色の一切無い、むしろ膨張色しかないという、甘ロリ特有の『可愛らしさの暴力』とも思える一品である。
しかし、それに一目惚れした楓子は、躊躇いなくそれを購入し、併せてカウンターに置かれていた純白のふかふかな細い毛足で出来た猫のぬいぐるみの値札も見て、躊躇わず一緒に購入する。
「せっかくですから、着て帰りたいのですが……」
楓子の要望に店員は嬉しそうに応え、代わりに今まで着ていた服を袋に入れてもらい、ぬいぐるみを抱えて店を出た。
世界が違って見えるようだった。心は柔らかふわふわで、着ているものもそれら全てを表しているかのよう……
「ふふ。今日はとっても素敵な一日でした♪
お風呂に入ってゆっくり寝ましょう♪」
お風呂には、おまけでもらったバスバブル。
夜食は良くないけれども、今日くらいはとっても柔らかショートケーキを。
そうして、
「おやすみなさい」
……してしまった。
楓子は、ついに『本来大事であった件の全て』を気に留めることなく、その日一日を『おやすみなさい』してしまった──
翌日、
カーテンから心地良い光がうっすらと差している、朝。
「ハッ!? か、楓子は何を……!?
イ、イ、イベントの順位は……」
反転現象の切れた楓子が、記憶が非常に曖昧になっているスマホゲームの状況を確認する。
イベントの終了したゲームアプリは、惨劇にも等しい数値を叩き出していた。
「に、2001位……上位報酬……爆死……」
上位報酬は、2000位までである。
時間を掛け、手間を掛け、多大なる金を掛けた。それでこの結果である。ある意味、爆死より酷い。
「そうだ、せめて期間限定ガチャだけでも……」
ガチャのメンテナンス時刻は、ランキング切り替えより遅い。
まだ間に合う。ガッと財布を掴む。今なら間に合う、コンビニに課金用カードを──
「あれ? お金も……無い……」
その時。枕元にある可愛い白猫のぬいぐるみがこちらを見ていた。
ハンガーには全く趣味ではない激甘ロリ系のワンピースが掛かっていた。
「………………」
それらを見た楓子は、
身動き一つもままならず……改めて眠っていた床へと倒れ伏していった……
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月09日
参加申し込みの期限
2017年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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