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『ウラオモテヤマネコ』が現れた!
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ウラオモテヤマネコと、
谷咲 苺喜
との遭遇は、空にほんの少しの茜色が差してからのことだった。
「……ん?」
苺喜がまるでストーカーのような視線を感じて、そちらを振り返る。
すると少し離れた路地裏から、寝子島ではあまり見ることのない、緊張感漂う佇まいを見せる一匹の猫がこちらを見ていた。
「あ。ねこちゃん」
ふと苺喜が距離を狭めても、それはやはり逃げる様子もなく苺喜を見ている。
「なんかちょっと見たことない種類の気がするけど、血統書付きかしら?」
濃い茶色の身体に黒の斑点と横縞模様……毛並みも野性的で、改めて見てもやはりあまり見覚えがない。
触らしてくれないだろうか、そんなことを思いながら、苺喜がしゃがみ込んで猫を見る。
『ソレ』もじっと苺喜の目を見る。
──そして、
ぼむっ。
苺喜と『ソレ』の間に白い煙が吹き上げ、視界を覆い隠した。
「けほっ、なによ……! 何が起こっ──」
煙が消えたら、猫は消えていた。
そして、しゃがみ込んでいた苺喜は、その視点が明らかに高くなっている事に気がついた。
「ん?」
立ち上がれば、日常よりも確かに高い。それは視線だけではない。
視界に入る手はすらりと長く。
「んん?」
胸はきっちりと着付けた制服を、息苦しいくらいに圧迫しており。
「んんん?」
スカートに至っては、一年二組の学級委員として規則正しいスタイルに則っていたにも拘わらず、今、普段見せていないギリギリをキープしてその脚をスースーさせている。
「──んんんん?? ……えええええ!!?」
苺喜の様々な驚きは、疑問から約十秒後にやって来た。
バッと風を切る音を立てながら、己の身体を確認することしばし……
「な、なんかわかんないけど、高身長・ボンッキュッボンのダイナマイトなボディになってる!?
それこそ『私からは真逆』というか、
私とは『世界の正反対の位置に属してるんじゃないか』と思うスタイルに!!
………………っ」
──日常から『小学生と間違えられることもある身長体型がデフォルト』であった苺喜は、感動に叫んだ自分の思いがブーメランとして己の後頭部を強打し、ショックでしばらく地面にひれ伏した……
「ま、ままままあ、おおおおおお落ち着くのよ苺喜」
ショックから立ち直り、立ち上がって自分の胸に手を当てれば本来ない感覚に、更に心を動揺に委ねながら言葉だけが先走る。……吃驚するほどに、落ち着かない。むしろ、これで挙動不審に陥るなという方に無理がある。
それでも、苺喜は緊張に僅かに震えながら、己に言い聞かせる告げる。
落ち着かなければ。この状況を受け入れる為に。
「だ、だって私はまだ高校生なりたて。
小学生に間違えられる身長が急に伸びることも、座布団ないと座った時痛いなと思うくらいに肉のないお尻に適度な脂肪がつくことも、ぺらぺらというよりむしろ抉れてるっていうくらいの胴体に胸が生えてくることもある!
絶対にある!!
だって成長期だから!
毎日牛乳も欠かさず飲んでるし!!!」
状況は受け入れられた。
しかし、苺喜は。落ち着くことには、失敗した。
「さて、遅れてきた成長期もようやく来たし、これで妹に『ちんちくりん』だって馬鹿にされることもない!」
──苺喜には、その存在を対極にしたような双子の妹がいる。
スタイル抜群、優しく明るく人当たりも良い。
苺喜も要領の良い部類に入るが、少なくとも妹は自分にないものを全て持っている。
それが克服されたのだ、日頃の努力の成果が実ったのだ。
「毎日努力して本当に良かった」
……そういうことにしておけば、今は誰も悲しまずに済むのだ……
「そうと決まれば、服も何とかしなきゃ。
星ヶ丘のブティックに行って新しい服と──それから制服の仕立て直しもしないと。この体だと制服も私服も似合わないわよ」
苺喜はそう決めると、一度家に戻り、未知なる新世界の買い物へと心を弾ませ、その足をブティックへと向けさせた。
◆ ◆ ◆
同じく星ヶ丘にて。
広々とした星ヶ丘寮内にある薔薇園の茂みから、一対の瞳がじぃっとこちらを覗き込んでいた。
「ん……迷子、かな……?」
これからの五月から六月は、ここにある一季咲きの薔薇が一斉に花開く大切な時期。それに合わせて花の剪定を行っていた
緋紅朱 赫乃
は、その視線に気付いて、ゆっくりとそれと視線を合わせた。
よくここにも猫が迷い込んでくることがある。荒らされることはまずないが、そのまま庭に何日もいる猫もおり、心配になった赫乃が小さな体で一生懸命、庭の外に出すのだ。
少し大きな体をしている。抱えるには大きくて大変そうと思うことしばらく。
──『ソレ』が、ぼふっと音を立てて消えた。
「きゃ……っ」
赫乃が僅かな眩暈と共に一度芝生に倒れ、慌てながらもゆっくりと立ち上がる。
──視線が高い。
黒を基調に深紅をあしらえた、ゆったりとしていたロングワンピースが驚くほど窮屈で。何が起こったのか確認する為に、赫乃は服を破いてしまわないよう、慎重に自分の部屋にある全身鏡に映る己の姿を確認した。
そこに映るのは、いつもの身長130cmの幼な姿から、約160cmとなった女性の姿。
胸は苦しく、袖は破いてしまいそうで動かすのも困難だ。
そして、今やそのスカートからは、隠しようもない膝上までをはっきりと見せた、細身は変わらないが、バランスの良いすらりとした脚が覗いていた──
ゴシック調の服を好んで着る赫乃は、このような服を着たことがない。制服でも、白タイツの鉄壁防御だというのに。
「きゃ、あ……っ」
思わず鏡の前の自分のスカートをとっさに押さえ、頬を赤く染めながら、鏡から数歩、小動物のように後ろに下がる。
「わ、わ……すごく、大人っぽい、身体に、なっちゃった……」
鏡から離れ、赫乃はこの状況を考える。
「いつまで、続くか、分からないけど……やっぱり、ろっこん、かな?」
変化直前、最後に会ったのは猫らしき存在と合わせた金色の双眸。神魂関連の現象に慣れていた赫乃は、即そちら方面へと当たりを付けた。
困った様子を隠さないまましばらく考え、赫乃はふと思い至る。
「そうだ、せっかくだし……お買い物しに、いってくる、かな……
このカラダに、似合いそうな、小物とか……」
今、この姿だからこそ、今まで身に付けたことのない小物など、似合うものもあるかも知れない。
そう思うと、最初はただ戸惑っていた赫乃にも、これからの行動の指針が見えてくる。
「もしかしたら、無駄になるかも、しれないけど」
神魂関連の現象であれば、経験則上そんなに長く続くものでもない。それを思い浮かべながらも、赫乃は考える。
「でも、思い出作りと、おもえば……いい、かな」
それならば、きっと今の状況も楽しく思えるようになるかも知れない。
赫乃は、所持している服の中でも、一番大きな服を身につけて、寮からそれほど離れていないブティックへと向かうことにした。
◆ ◆ ◆
店内──そこで赫乃が目にしたものは、大胆なる令嬢の洋服爆買いの姿だった。
「うん、この服も。この服も──ううん、この服も良いわね。このへん全部包んでちょうだい」
鏡に向き合う、二つ結びにしていた髪をほどいた苺喜が、指差した洋服を受け取っては肩に当て、その色合いを確認すると同時に、次々に店員へと預けていく。
店員が例外的に複数人で対応しているが、購入される服の多さに、慌ただしさが隠せない。
「……」
目を瞬かせながら、赫乃が少し戸惑いつつも店内に足を踏み入れると、穏やかな様子の店員が声を掛けて来た。
説明に少し戸惑ったが「今の自分の体型に合う服を」と言えば、店員は赫乃の着ている洋服の違和感に気付いたのか、笑顔で頷き、何か希望があるかを問い掛ける。
「あの……シンプルな、お洋服が、あれば……」
案内されて、苺喜の側を赫乃が通る。苺喜はシックな黒髪だが富豪特有の華がある。しかも、体型も良い。
まさかそれが、自分と同じ現象で得た結果だとは思わず、赫乃は少し羨ましく思いながらも、側を通る。
苺喜も今までに沢山の洋服を所持してきた身である。通り過ぎた赫乃の姿を見て、それが一際仕立ての良いものでありながらも、目に受けたその違和感に『彼女もサイズに似合う服を購入しにきたのだろう』と、不思議と原因よりも先に理解へと至った。
今いるコーナーは華やかなものが並ぶ中、その綺麗な紅の髪を少し不安そうに揺らして、白を基調とした静かな洋服の並びに行くのを見た苺喜は、購入品の趣向が彼女と違ったことに安堵する。
せっかく『自分に似合うもの』を買いに来たのだ。
どちらにとっても、その洋服の奪い合いなど似合うはずもない。
そして、今よりも少し前に発動条件を満たしていた
黒兎 都
のろっこん“シアワセウサギ”が効果を見せた。
『能力:周りの人に何かしらシアワセが訪れる』
「あと、これで」
「有難うございます。それは当店取り扱いの人気が高い商品の中での、最後の一着となります」
「え? 本当に?」
シアワセ一つ。店員の言葉に、嬉しそうに苺喜が目を輝かせる。
胸元の大きく開いた透かしの入る白の柔らかなシフォンブラウスと、しっかりした生地で作られた黒のミニプリーツスカート。どちらもメリハリのついた身体を、更に際立たせるように見立てられた装いに、赫乃は恥ずかしそうに慣れない様子ながらも頷いた。
そして、苺喜とほぼ同時に、赫乃の元にも吉報が入った。
「お客様。今日入荷致しました新しいペンダントがございまして。宜しければご試着などは如何でしょうか」
苺喜と同じタイミングでのシアワセ二つ。
赫乃の前にそっと差し出されたのは、プラチナ独特の重みと輝きを帯びた縁に、真紅のエナメルが色鮮やかに乗せられた小さな薔薇のペンダントだった。
そっと試着させてもらえば、ガラス光沢を持つ赤薔薇は、胸の中央に飾られるようにとても良く映える。
今の身体だから、胸元の小さな薔薇も似合うのだと、少し嬉しく思い、赫乃はそれも一緒に購入した。
そうして、お互いが店を出る。
苺喜は、大量の荷物と共に今日中に人を呼んで制服の仕立て直しを行わなければ、と。
赫乃は、今の姿を記念に残す為に、全身も撮れる自動撮影機を探さなければ、と。
こうして、同じ場所に居合わせた二人の、それぞれの買い物は終わりを告げた。
◆ ◆ ◆
翌日。
「──────!!!」
事態が、身体が文字通り収束してしまった苺喜は、声にならない悲鳴を上げてベッドの上に蹲った。
胸から見える圧倒的な『無に帰した努力』に、もう黙して涙を流さずにはいられなかった。
傍らには、もう取り返しの付かない、着られるはずもない服がうずたかく積まれている……
全く同時刻。
赫乃は朝ご飯を食べ終えて、テーブルの上に置かれていたネックレスと写真を見ていた。
一日限りの『特別な』自分の姿は、きっと色褪せることはないだろう。
──かくして、全く同じ現象でありながら、記憶の残り方までも対極となった二人の一日は、こうして過ぎていったのである──
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月09日
参加申し込みの期限
2017年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月16日 11時00分
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