脱ぐな！　風紀委員会との戦い｜リアクション

脱ぐな！　風紀委員会との戦い

「皆が脱いだり脱がせたり……って、なんだこのカオス！？」
　生徒会長志波武道は、周りの状況に戸惑っていた。
「俺が脱ぐのはまぁいつものことだけど、それ以外の子たちがぬぐってこれ異常事態だろ！　……って、なんか自分でも変なこと言った気はするけど！　これはきっと神魂の仕業だな」
（ヌギッ！）
　と言いつつ、無意識に脱ぐ武道。
　しかし周りの生徒からは「なんだ脱いでるのって志波先輩かーと」と生温かい反応が返ってくる。
　風紀委員の２、３年生ですら、武道から目をそらしてスルーしている。
（いや、俺はよく脱ぐけどさすがにＴＰＯをわきまえるよ！？　助かった気持ちの反面、なんか寂しい気持ちに押しつぶされそうっ！）
　複雑な思いの武道である。
「そこ、脱がないでください！　えーい！」
　だが１年生の衿花にはそんな先入観はない。
　見よう見まねでチョークを投擲、運動神経は普通なので届くかどうかはあやしい、と思ったものの。
「ギャー！」
　次の瞬間、武道はチョークに当たり派手に吹っ飛んだ。
「えっ、うそ……？」
「いいね。その調子だ！」
　驚いた衿花だが、凜太郎にほめられ嬉しくなる。

　痛さで我に返った武道は起き上がって服を着る。
「いやぁ気づいたら脱いでた、コワイネコレ」
　周りの惨状を見ながら武道は考える。
（とりあえず俺の理性が、誰かを脱がせることだけはするなと警鐘ならしてるから耐えるけど……）
「ほんと、女の子が脱いだりとかはどうにかしたいよな」
（ヌギッ）
　言ってるそばから脱いで、黒のブーメランパンツを見せ付ける武道。
「その人のスタイルに似合うオシャレってものがあるんだから！　バッチリ制服着こなしアドバイスをしちゃいます！　着崩しちゃダメってことじゃないのよ！？　でもまず、その前に……脱ぐのなんて問題外っ！
　直視できないパトリシアが、マルクに教えてもらった位置へとチョークを飛ばす。
「ギャー！」
　またもやチョークに吹っ飛ばされる武道。
　我に返って服を着る。
「チョークってチョー痛いんだな、俺覚えた……」
　生徒たちがこれなら、伝授したであろうウォルター先生のチョークはどれだけ効くのだろう。
「英語の授業の時は特に真面目に受けよう……」
（ヌギッ）
　なのにやっぱり脱いでしまう。
「ギャー！」
　そしてチョークに吹っ飛ばされるのであった。

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