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誰でもない誰かへの変身
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謎の男の言葉を耳に、
天宮城 因
は甘やかな桃色の瞳にどこか不穏な煌めきを乗せた。
「因は今のままでとーっても可愛いんですけどぉ……」
愛らしい口元が、ふわり、その本性を知らない者が見れば見惚れるような弧を描く。
「変身したらもっと面白……楽しそうですねっ♪」
というわけで、因は男に希望を伝えて初心な印象の少女へと大変身!
緩やかに肩を流れる、艶やかなストレートの黒髪。
派手な作りではないが、整った顔立ち。
黒瑪瑙の瞳は、少女の無垢さ、純粋さを覗かせるような曇りのなさだ。
それらのことを男に差し出された手鏡で確かめて、因はくすと音を漏らした。
「うふふ、悪くないですねっ♪ それじゃあ……ええと、どうしましょうかぁ?」
口元に指先を当てて、思案げに小首を傾げる。
じきに因は、シーサイドタウンのショッピングモールへと足を向けることを決めた。
「普段と違う男の人が声掛けてくるかもしれないですしぃ、遊んできましょーっと♪」
弾む足取りで、因は歩き出す。
悪魔の尻尾も、それに合わせて機嫌良く揺れた。
なお、尻尾はイメージです。あしからず。
ねえそこの彼女、というお決まりの台詞。
下卑た調子の声で零されたそれを耳に、
如月 蘇芳
は緩く顔を上げた。
蘇芳自身が、声を掛けられたわけではない。ただ、
「は、離してください……!」
と、か弱げな、細く震える声も一緒に耳に届いて、それで。
見れば、擦れたところのなさそうな少女が、厳つい男に腕を掴まれて眉を下げている。
(ナンパか……可哀想だし、何よりああいうタイプの人間は見ていて不愉快なんだよね)
蘇芳は、悶着の起こっている方へと歩み寄ると、少女の肩をそっと抱いた。
「俺の彼女に、何か?」
柔らかな口調とは裏腹に、蘇芳の赤い眼差しは底の方から冷えている。
男はぐっと怯んだあと、舌を打って身を翻していった。
「君、大丈夫? あ、ごめんね、勝手に触って」
少女へと向き直った蘇芳は、にこりと笑みを零してみせる。
その笑みを受けて、少女――変身した因は内心に「げ」と声を漏らし、けれどすぐに、
(あれ? これって……もしかすると、すおーさんの弱みを握る絶好の機会かもしれませんっ♪)
と、とびきりの思いつきに、胸の内だけでにんまりと悪ーい笑顔になった。
そして、目に見えるかんばせには、今の見目に似合ったいっそ儚げな微笑を湛える。
「いえ……えっと、その……ありがとうございました。その、私、怖くて……」
「無理もないよ。無事で良かった」
「あの……是非、お礼をさせてください。ご迷惑でなければ、近くの喫茶店にでも」
「お礼なんて構わないけど……折角だし、君とお話したい……かな?」
こういう女の子は少し揶揄うと面白そうだしね? と、蘇芳は胸中だけに付け足した。
ナンパが不愉快だったから間に入っただけだが、ちょっとばかり遊ぶのも悪くない。
互いの腹の中に黒い塊を隠したままに、2人は連れ立って喫茶店へ。
「私、あの、ミナって言います。貴方のお名前は……」
紅茶の琥珀色が揺れるカップを手に、因は問う。
口元に穏やかな笑みを乗せて、蘇芳が応じた。
「ああ、俺は如月蘇芳。よろしくね?」
「蘇芳さん……素敵なお名前、ですね」
「君こそ、可愛らしい名前だね。君にぴったりだ」
趣味は何か、学校はどんなふうか……等々。和やかに言葉を交わしているうちに、
「きゃ……!」
因は《偶然》、カップの中身を零してしまった。
ごく紳士的に、蘇芳がすっとハンカチを差し出す。
「大丈夫? 火傷してないかな?」
「あ、は、はい……ごめんなさい……」
「謝ることはないよ。どこも痛くないならよかった。……ああでも、服が汚れちゃったね」
蘇芳の言う通り、因の服は濡れ、生地の白い部分は紅茶色に染まっていた。
「そうだ。よかったら、うちで着替えを用意しようか?」
「え? い、いいんですか……?」
きらり、因の今は黒い双眸が鈍く光ったのに、蘇芳は気付かない。
「勿論構わないよ。放っておけないし……」
そういう次第で、因は蘇芳の家へと立ち寄る運びに。
なお、喫茶店の会計は、蘇芳がごくさりげなく済ませた。
「す、すいません、蘇芳さん……!」
「気にしないで。俺がやりたいようにやっただけだから」
にこ、と、蘇芳のかんばせを柔らかな笑みが彩る。
それを目に、因は密かに、腹の底を掻き毟られるような苛立たしさを覚えた。
(ふーん……女の子にはこーんなに優しい顔するんですねぇ……本性はあんななのにっ!)
その本性を知っていればこそ、好青年然とした笑顔を向けられる度にぞわりともなる。
胃の辺りがむかむかとしたが、今はまだ、『清楚可憐な少女』の仮面を剥がすには時期尚早。
因はしとやかに、「さあ行こうか」と歩き出す蘇芳の後を追いかけた。
そして、星ヶ丘の蘇芳宅。
「着いたよ。さ、上がって?」
蘇芳は、王子様が姫君を扱うようにして因を家へと招き入れる。
「何もない家だけど……服を探してくるから、コーヒーでも飲んで待っていてくれるかな?」
「あ、ありがとうございます」
そつなく提供された良い香りのコーヒーに、しかし因は口をつけなかった。
蘇芳が消えた部屋の中で、因は念じる。
(因を、元の可愛い因に戻してくださーいっ)
途端、因は、因が本来あるべき姿を取り戻した。
毛先に向かうにつれ桃色に染まりゆく、金糸の髪。
瞳の桃色は、自身では確かめようがないけれど――、
「……因君、どうしてここにいるのかな?」
戻ってきた蘇芳が赤の双眸を僅かに瞠り表情と声を引き攣らせれば、計画の完遂は疑いようがなかった。
先ほど蘇芳その人が引いてくれた椅子から立ち上がって、因はくすりと笑う。
(こないだのお返し、ですっ♡)
愛らしいかんばせに蕩けるような満面の笑みを乗せれば、蘇芳の顔からさあと色が引いた。
「……さっきまでここに女の子がいた筈なんだけど、まさか……」
「うふふ、服ありがとーございますっ、すおーさん♡」
呆然とする蘇芳の手からきちんと畳まれた服を拝借して、さくっとそれに着替えてやることにする。
そうして因は、機嫌良く蘇芳宅を後にした。
それから、暫くのあと。
成す術もなく部屋に残された蘇芳の唇を、低く、音が揺らした。
「……
この間
から、因君には嫌なところを見られてばかりだなあ」
今日、あの少女――因と出会ってからのことが思い出されれば、胃の腑からせり上がってくるものがあった。
(ましてや、優しくしてしまうだなんて……)
ギリ、と胸元を掴んでも、嫌な感覚は消えてくれない。
あの少女を因に置き換えれば、自分はなんと、おぞましい言動を繰り返していたのだろう。
「……最っ悪だね」
吐き捨てた言葉には、架空の少女に与えていた親しみを抱かせる色は、微塵も残っていなかった。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年11月17日
参加申し込みの期限
2017年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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