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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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(不思議な話ですの……)
ねこったーで流れてきた話を読みながら、
白草 朱乃
は思った。
なんだかこれは、今まで読んだ童話とも違う感じがする。架空のどこかとかじゃなくて、知っている場所が舞台なせいだろうか。
読み終えて、ふわふわした余韻に漬っていると、メールの着信音がした。
呉井 陽太
からと知って、どっと現実が戻ってくる。
(呉井先輩!? どうして……。
と、とにかく、返事しなきゃ!)
あわてて、震えておぼつかない指で文字を綴る。内容は、猫の目のシーグラスについてだった。
ちょうど同じとき、同じことをしていたと思うと、胸が震えた。
「おおー、レス早っ」
送信者の名前を見て、陽太はうきうきとした気分でさっそくスマホを操作する。
「コレ、やっぱ朱乃ちゃんも見てたんだなぁ」
読み終わったところにちょうど陽太からのメールがきてびっくりしたことが書かれていて、にんまり笑う。
『実は私も気になっていたんです。
ちょうどあした満月ですから。
でも、夜の海岸はやっぱり危険ですよね。
それでも探したい、なんて言ったら、先輩、子どもっぽいって思いませんか……?』
「そんなこと、ぜーんぜん思わないよぉ」
口に出しながら、返信メールを打った。
『オレもあの話にあった猫の目シーグラス欲しいし。
ひとりじゃ危険って思うなら、一緒にシーグラス探しに行こーか』
戻ってきたメールに書かれた文字を、朱乃はまじまじと見つめた。
「先輩も、同じこと考えてたんだ……」
ほんのりとしたぬくもりがじんわり広がるのを感じて、くすぐったさに口端が緩む。
『お願いします』と打ったあと、スマホを胸に押しつけてベッドに仰向けに転がった。
顔を横に倒すと、机の上に乗せた、陽太からもらったブレスレットや、かばんに付けたチャームが目に入る。
(ほんのささいなことなのに。どうしてこんなにも嬉しいのかな)
満月が今夜だったらよかったのに。
あしたの夜が、もう待ち遠しい。
朱乃は早くなった心臓を落ち着けようと、深呼吸した。
1日は24時間。24時間は1440分。1440分は……何秒だろう?
とにかくそれだけ待って、朱乃は待ち合わせの寝子ヶ浜海岸防波堤へ走った。
どんな格好で行ったらいいのかぎりぎりまで鏡の前で悩み続けて、少し遅れてしまった。
「呉井先輩! お待たせしてすみませんですの!」
見覚えのある後ろ姿を見つけて、小走りに駆け寄る。
「んっ? オレも来たとこだし。そんなに急がなくても大丈夫だよぅ」
振り返った先で、真剣な顔で息を切らせている朱乃を見て、陽太ははははっと笑った。
朱乃が胸にあてているポーチを握った手に自分のあげたブレスレットがはまっているのが目に入って、うれしくなる。
それに、海月の蒼いワンピースと白い上着の朱乃はすごくかわいい。
じっと見ているとなんだか気恥ずかしくなって、つい目線をそらした陽太に、朱乃は息が整うのを待ってあらためて言った。
「こんばんは、呉井先輩。
きょうもおつきあいいただいて、ありがとうございます。あれからいろいろ調べてみたんですけれど、猫の目のシーグラスはなかなか見つからないらしくて……。でも、1個でも見つかるようがんばりましょう!」
「あー、うん。がんばろうなぁ」
最後、声が少しうわずってしまったのが自分でも分かった。
(あれー? なんかおかしーなぁ。オレ、この子にどんなふうに接してたっけ?)
今さらにそんなことを思って、自分の態度が気になりだす。
ちゃんといつもどおりにできてたかな?
さっきとった自分の態度を頭のなかでリピートしながら、先に立って歩き出す。
(私、ちゃんといつもどおりだったかな? ちょっと意気込み強く言いすぎた? 子どもっぽいって思われなかったかな?)
お互い同じようなことを考えているとは夢にも思わず。
海岸まで、陽太は少し上を向いて、朱乃は少しうつむいて、歩いた。
「そんで、朱乃ちゃんの探したいのはやっぱり青か緑のシーグラスなの? 月に戻った月猫がこぼす涙だっていう」
海岸の砂を手で払うようにして掘りながら、何気なく陽太は訊く。
「そうですね……」
もちろん青や緑も欲しいけど……。
あれからいろいろ考えてみて、自分が今一番欲しいのは陽太の瞳の色と同じ灰色のシーグラスだと。
つい、陽太のほうをちらちら伺っていると、陽太がこちらを振り向いた。
心の声を聞かれた気がして、カッと顔が熱くなる。
「あ、あのお話、切ないですよねっ。私が少年なら月猫さんを引き止めちゃうかも」
「だなぁ。そっちが正しいって分かってても、現実だとやっぱり、なかなか「正解」は選べんよなぁ。
でもきっと、朱乃ちゃんだったら最後には笑顔で送り出すと思うよぉ」
「そ、そうですの?」
「うん」
なんだかくすぐったいような気恥ずかしさでじっとしていられなくなって、朱乃はぱっと立ち上がった。
「私、向こうを見てきますねっ――きゃあっ」
ぱたぱた走り出してすぐ、波に足を取られて転びそうになった。
「あぶなっ」
反っくり返りそうになった体を陽太が支える。
「あ……ありがとうございます、せんぱ――」
直後に強い波がきて、ふたりは波をかぶってしまった。
飛び散った飛沫に、陽太はぶるっと頭を振る。
「朱乃ちゃん、大丈夫?」
「は――」
はい、と答えようとしたところで、肌に貼りついたワンピースに気づいた。
「きゃあ!! みっ、見ないでくださいっ」
「え? あっ。見てないよ! 暗いから見えなかったっ!」
急ぎ背中を向けて、陽太ははっきりと大きな声で言う。
それは少し嘘だった。
満月だし、波の反射もあって、結構視界は明るい。
だけど見えなかったのは本当だ。
というか、濡れた服が肌に貼りついているだけで、透けてなくてもわりと……。
(って、何考えてんだオレ)
「と、とにかく。見てないからっ」
「は、はい……ありがとうございます……ご心配おかけしてすみません。……私ったら、ほんと、そそっかしくて……」
背を向けて、あせって点検していた朱乃は、濡れているのがほとんどふとともの半ばまでで、そこから上には飛沫が飛び散るぐらいだったことにほっとしていた。
「いや、そんなことないけど……」
「溺れるなら……ううん。海がきれいだから、無意識に魅入られちゃったんでしょうか……」
………………。
…………。
……。
「し、シーグラス、探そうかっ」
「はい」
直視してくる朱乃に何と返せばいいか分からず。そのくせなんかむちゃくちゃ意識してしまって、陽太は大急ぎ背中を向けるとしゃがんで砂を掘り始めた。
(う~~~。オレ、今までああいうとき、どんなふうに朱乃ちゃんにしゃべってたっけ?)
分からない。
頭真っ白だ。
ここには朱乃とふたりきりだというのを、ますます意識してしまう。
朱乃におかしく思われてないか気になって、こそっと朱乃のほうを振り返ると、朱乃は波の届かない場所で探していた。
その横顔に、妙に目が吸い寄せられる。
――だめだ、こんなのいつものオレじゃない。今、オレ、どっかおかしい。
(朱乃ちゃんは何ともないのに。早くいつものオレに戻らなきゃ)
ザクザク、ザクザク。
陽太はひたすら砂を掘り続けた。
時間がたつのも忘れたように堀り続けたあと。お互い、夜風に頭も冷えたと思えたところで掘り当てた成果を見せ合った。
海水で洗って砂を落とした面が、満月の光にぴかぴか光っている。
「結構あったなぁ」
きれいな丸をしているのはほとんどなく、三角だったり台形だったりしている上、色がはっきり出ている物は少なかったが、そのパステルのような淡い色がいいと朱乃は思った。
(あ、これ、先輩と同じ瞳の色)
陽太の手の上にある灰色のシーグラスを見て、朱乃は思わず手を伸ばしたくなった。
同じように、陽太は陽太で朱乃が見つけた中に朱乃の瞳と同じ色のシーグラスを見つけて、欲しいと思う。
「あ! 朱乃ちゃん! これ、こっちのやつ、猫の目っぽくないっ!?」
「え?」
朱乃の持つシーグラスを指さす動きで、さっと目当てのシーグラスをかすめ取った。
シーグラス同士の上に乗っていた小さなやつだし、気づかれてないと思うが、ドキドキする。
「あ、本当ですの。小さくて、かわいいですっ」
「見つかってよかったなぁ」
あははと笑いつつ、陽太はこっそりポケットにシーグラスを忍ばせた。
「じゃあこれは、きょうのお礼に先輩に差し上げます」
「えっ? だって――」
「きょう、すごく楽しかったから……こんなにも楽しい時間を過ごせたのは、一緒に来てくださった先輩のおかげです。ありがとうございます」
「でも、もらえないよ、こんな……」
「じゃあ、先輩の取ったシーグラスと交換してくださいですの」
「え? それでいいの?」
「はいっ」
本心からというのが分かる、満面の笑顔で朱乃は答えた。
「そ、そう? じゃあ」
「ありがとうございます」
陽太から受け取ったシーグラスをハンカチで大切にくるんでポーチに入れる。
あとで灰色のシーグラスだけお守り袋にでも入れて、いつも使っているかばんに入れよう。
(そうしたら、いつも先輩が傍にいる気がして……安心しますの)
朱乃を送り届けての帰り道。ひとりになって、陽太はポケットからシーグラスを取り出した。
衝動的にしたことだが、われながらびっくりだ。
「けど、どうしてもこれが欲しかったんだよなぁ」
もし見つかったら、自分は何と言い訳してただろう?
朱乃ちゃんの瞳と同じ色のものを持っていたい、なんて。
これじゃ、まるで……。
「どうしちゃったんだろうね、オレは」
たぶん、うやむやにしたりしないで、きちんと考えて答えを出さなくちゃいけないことだ。
でないときっと、また同じところで悩むことになる。
その証拠のような手の上のシーグラスを見つめて、陽太は思った。
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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月26日
参加申し込みの期限
2017年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月02日 11時00分
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