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旧市街の表参道通りに
アケーチ・タッマーキ
の姿があった。黒いスーツを着こなし、口元には微かな笑みを湛えていた。髪に隠れていない左目が通り掛かる人々にさり気なく向けられる。
妙齢の女性に涼しげな目を送った。
「好物です」
去り際の背中にそっと囁く。
スキップをする女の子には人懐っこい笑みを作る。
「大好物です」
頬に恥じらいの色を浮かべて呟いた。
腰の曲がった老爺には労わりの表情を向ける。
「枯れ具合にそそられます」
下唇に舌を這わせた。
アケーチは抑えられない笑みで通りを歩く。尽きない興味を原動力にして左目を動かした。
小さい店舗に目が留まる。ドアの横に呼び鈴と控え目な看板があった。
『
浅葱眼鏡店
』
アケーチはガラス越しに店内を覗き見る。客の姿はなかった。ショーケースの奥に長袖のシャツにベストを合わせた店主、
浅葱 あやめ
が俯き加減に座っていた。無造作に伸ばしたような灰色の髪は眼鏡にまで及ぶ。僅かに見える茶色い目は何かを求めるように乾いていた。
アケーチは落雷に打たれた。その場で背を反らし、息を呑む。別の生物のように臀部がぷるるんと震えた。
途端に息が荒くなる。瞬く間に脳内が桃色に染められていく。
アケーチは上気した顔でドアを開け放つ。駆け込む勢いで店内に踏み込んだ。
「ふ、ふふ、ふふふ!」
声よりも先に笑いが漏れた。
あやめは不安そうな顔で迎えた。
「……いらっしゃい、ませ……どのような、ご用件でしょうか…」
「一目で電撃が走ったのです。眼鏡と貴方をください! ふ、ふふ…!」
アケーチは両腕を広げた。自身の胸に迎え入れるかのような姿勢で微笑む。
不思議とあやめの動揺は少なかった。舞台の一幕のような展開に表情は硬いながらも言葉を返した。
「…お客様、申し訳ありません……僕は非売品なので…眼鏡だけ、承ります……」
「誠に残念ですが、それで手を打ちましょう。私は明智と言います。以後、お見知りおきを、ふふ…!」
「…それではこちらに、お座りください」
あやめは立ち上がった。ショーケースの前の椅子に手を差し向ける。アケーチはきびきびとした動きで速やかに座った。
あやめとアケーチは向かい合う。
「…裸眼のようですが、眼鏡を、お求めになるのは…初めてですか…?」
「そうです。貴方の色に私を染め上げてください!」
アケーチの顔が近くなる。その端正な顔立ちに不意を突かれ、あやめは少し反応が遅れた。
「……では、どのような形の、眼鏡が、よろしいでしょうか……」
「左目だけの、そう、伊達眼鏡を希望します…ふふ!」
「…モノクルに、なります…店に幾つかありますので、見ていただけますか…?」
「貴方が選ぶ物に間違いはありません」
アケーチは腰を浮かせた。あやめの手を両手で包む。左目に情熱的な炎を揺らめかせた。
「美しい貴方に選ばれた品々は主に似て、とても美しいのでしょう」
「…ぼ、僕が……美しい、なんて……ご冗談が、過ぎます……」
一層、アケーチの顔が近くなる。あやめの目が逸れた。身体は痺れたように動かない。
「この私の行動が冗談に思えますか?」
「…それは……」
「私にとって、愛に性別や年齢は関係ありません。美しく感じるものを愛でるのはいけないことですか?」
偽りのない心で接する。その深い愛の一端にあやめは触れた。自然に顔が沈み込む。耳は火照ったような色になっていた。アケーチは底なし沼から救い上げるようにしっかりと手を掴み、自身の胸に強く押し当てる。
突然の行為にあやめは顔を上げた。蕩けた笑みでアケーチの顔が迫る。
「…いつもならば、このような行動は私のポリシーに反します。ですが、その怯えを含んだ表情がとても素晴らしい…!」
「いえ、あの、ま、待ってくださ……」
押し返す手は弱々しい。言葉に反して身体は受け入れているように思えた。アケーチの左目に宿る炎が激しさを増した。
「言葉を易々と裏切る行動のアンバランスさがたまりません…! 貴方の不思議な魅力に心が震えます。私の自慢のプリ尻が高揚して、先程から震えが止まりません…ふふ、ふふふ!」
アケーチは止まらない。あやめの力を上回る。諦めにも似た表情で強く目を閉じた。
頬と頬が合わさった。アケーチはあやめの耳元に唇を寄せる。
「今度、来た時には貴方の全てを見せてください、ふふ」
甘い囁きを伝えると瞬時に離れた。
「あ、あの…」
「左目だけの伊達眼鏡、モノクルでしたね。私に見せていただけますか」
椅子に座り直したアケーチは足を組んで言った。
あやめは言葉を失う。幻覚を振り払うかのように軽く頭を振った。自身の眼鏡のブリッジを中指で押し上げて、はい、と静かな口調で答えた。
別のショーケースから適当に見繕ったモノクルを専用の台に乗せて戻ってきた。
「…当店にある、モノクルになります…いかがでしょうか…」
「どれも見た目が素晴らしい。迷ってしまいます。ここに貴方が含まれていれば悩むことはないのですが…ふふ!」
不意打ちのような発言にあやめは顔を赤くした。俯いた姿で声を絞り出す。
「……明智様…お決まりでしょうか…」
「ふふ、美しい貴方にどこか似ている、このモノクルをいただきます」
アケーチは端の一つを摘まんだ。左目に装着してあやめに少し顔を寄せる。
「どうでしょうか」
「とても…似合っています」
「では、これをいただきます」
「…お買い上げ、ありがとうございます…」
あやめは専用のケースを用意した。手入れの方法や修理等について簡単な説明を行う。アケーチは誠実な態度に目を細めて聞き入った。
商品を手にしたアケーチは上機嫌で椅子を立つ。あやめも立ち上がって一礼した。
「またのご来店…お待ちしています…」
「次は営業時間外に伺います」
はい、と口にした直後、あやめは慌てて言い直す。
「え、営業時間内に、お願いしますっ…」
「ふふ、初心なところも愛らしいです。これからも気軽に明智と呼んでください…ふふ!」
アケーチはドアから出ていった。穏やかな左目はどこまでも優しく、愛に満ち溢れていた。
あやめはしばらく突っ立っていた。大きな息を吐くと背が曲がり、椅子にストンと腰を落とした。
「…不思議な方で…とても魅力的な……」
口元を手で覆う。眼鏡の奥の乾いた色の目に僅かな潤いが見て取れた。
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10人
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10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月25日
参加申し込みの期限
2017年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月01日 11時00分
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