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桃色怪異
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木々に囲まれて鬱蒼とした猫鳴館にも朝は訪れる。
酒浸 朱蘭
は建て付けの悪い窓を足でこじ開けた。赤ら顔で空を見上げる。
「今日も良い天気だぜ」
手にした
瓢箪
の栓を開けて豪快に中身の水を飲んだ。プハーッと大きな息を吐く。ゆらゆらと上体を揺らした直後に目が据わる。
拳を固く握り、青い空に向かって叫んだ。
「冴来ぃぃ、会いたいぜぇぇぇぇ!」
窓を開け放したまま、着ていたジャージを脱ぎ捨てる。長袖のVネックニットに着替えた。七分丈のパンツを穿いて徳利を手に取る。
朱蘭は長い髪を振り乱して部屋を飛び出していった。
賑やかな通りを避けて
花風 冴来
は薄暗い道に入り込む。
静けさが漂う空間を白いドレス姿で伸びやかに歩いた。長い金色の髪が大気に溶け込むかのように広がる。青い薔薇の髪飾りは楽しげに弾んだ。
数メートル先、横手から青みがかった猫が現れた。冴来の接近に気付いて、こちらに顔を向ける。
――どうしようかな。
柔和な顔で立ち止まる。冴来は猫に問い掛けるように首を傾けた。
観察するような目をした猫は手前の繁みに走り込んだ。冴来の青い瞳が僅かに陰る。
「仕方ないよ」
沈んだ声で笑顔を作った。少し視線を下げて歩き出す。
別の通りに出る間際、慌ただしい足音が聞こえてきた。冴来は後ろを振り返る。茶色い髪を振り乱して朱蘭が走ってきた。
「朱蘭、どうして?」
想い焦がれていた人に逢えたかのように声が震えた。勢いを緩めた朱蘭が足を止める。困ったような赤ら顔で横を向いた。
「なんか、急に会いたくなったんだぜ」
鼻先を指で掻きながら言った。冴来の唇が僅かに開いた。声にならない想いを緩やかに吐いて朱蘭の胸に頬を寄せる。
相手の驚きが頬に伝わった。
「冴来、どうしたんだ?」
「……どうもしないよ。私は、私だから」
伏し目勝ちに答える。青い瞳に睫毛が掛かり、ほんの少しの憂いを匂わせた。
――頬が感じる。もっと深く感じたい。
想いが急速に高まる。冴来は頬を押し付けた。心地良い柔らかさが全身に広がる。心の芯に響いた。
――ダメよ。こんなの、私らしくないわ。朱蘭から離れないと……。
心の声は異常な行動を否定する。その声は弱々しく、数秒で甘い痺れに満たされた。
「そ、そうだ。どこか遊びに行こうぜ!」
朱蘭は後ろに下がった。支えを失った冴来がよろける。
「危ないぜ!」
咄嗟に手を握る。指と指が交互に結ばれ、恋人にするような繋ぎ方になった。
「悪いな」
朱蘭は指を抜こうとしたが、ささやかな抵抗を受けた。冴来は儚い笑みを見せる。寒さに震えるかのように頭を振った。
「このまま、二人で歩きたいわ」
「それも、いいかもな」
朱蘭は瓢箪の中身を呷る。赤さが増した顔で派手な息を吐いた。
二人は身を寄せるような姿で歩き出した。
寝子ヶ浜海岸に訪れた。二人は手を繋いだまま、波打ち際を歩く。
冴来の白いパンプスが波で濡れた。
「今の季節、海は冷たいのかな」
「試してみるんだぜ」
手を離した朱蘭は早々と素足となった。両足で波に飛び込んだ瞬間、一本の棒と化した。伸び上がった状態で小刻みに震える。
「海開きには早すぎたぜ」
「私も試してみるわね」
「本当に冷たいんだぜ!」
慌てる朱蘭に冴来は悪戯っぽい笑みを投げ掛ける。
片方のパンプスを脱いだ。そっと爪先を海水に浸した。瞬間的に瞼を閉じて、笑顔で緩める。
「本当に冷たいね」
無垢な少女を思わせる行動に朱蘭は見惚れた。すぐには言葉を返せなかった。
「どうしたの?」
「ど、どうもしないんだぜ! 今日は暑いから喫茶店でもいくんだぜ!」
朱蘭は前のめりで歩く。両手と両足が同時に出ていた。笑いながら冴来は追い縋り、腕に抱き付いた。
二人で喫茶店に入るとウエイトレスに窓側の席を勧められた。注文を聞きに来る前に朱蘭は、その場を離れた。
「あたしは冷えたオレンジジュースな。ちょっとトイレで頭を冷やしてくるぜ」
沸騰しそうな顔で足早に向かう。冴来は目で笑った。
「ご注文はお決まりでしょうか」
ウエイトレスの一言に冴来は笑みを深めて、ええ、と答えた。
「待たせたな。ん、一つなんだが?」
「そうだけど。朱蘭はここね。私の横に来て」
空いたところを手で示す。朱蘭は恥ずかしそうにしながらも席に着いた。二人の前にはオレンジ色のグラスが一本、置かれていた。
冴来は指先でグラスを横に押した。
「朱蘭、飲んで」
「冴来の品が届いてないぜ?」
「そんなことないよ。冷たい間にどうぞ」
「そうなのか? じゃあ、いただくぜ」
差し込まれたストローを咥える。オレンジの液体が吸い上げられた。幸せそうな横顔を見ながら冴来は言った。
「……美味しい?」
「甘酸っぱくて良い感じだぜ」
「そう、私もいただくわね」
躊躇いはなかった。朱蘭の使ったストローを冴来は咥えた。優しく口付けするように。
目にした朱蘭の顔が見る間に赤く染まってゆく。腰に下げていた徳利を引っ掴み、瞬く間に中身を飲み干した。
とろんとした目で冴来に問い掛ける。
「冴来は注文しなかったんだぜ?」
「私もオレンジジュースが飲みたかったから、ちょうどいいよね」
赤い舌先を出して冴来が笑う。朱蘭は肩を抱いた。引き寄せるようにして、不意に顔を背ける。
「……なんでもないんだぜ」
冴来は肩に置かれた手に自身の手を重ねる。
「そうだね」
二人の微熱に溶かされたかのように、グラスの中で重なり合った氷がカランと涼しげな音を立てた。
猫鳴館は夜の暗さに埋もれた。
朱蘭は自室の部屋にいた。薄い布団に横になっている。側には背中を向けて丸くなる冴来の姿があった。遊び疲れたのか。静かな寝息を立てている。
その小さな背中を朱蘭は見ていた。物言いたそうな目で上体を起こす。
冴来の無防備な白い首に目が留まる。思い悩むような表情で顔を近づけていく。少し突き出した唇が首筋に触れた。押し当てて吸い付く。
「……ん…あ……」
僅かに開いた冴来の唇から艶めかしい声が漏れた。青い瞳が薄っすらと開き、仰向けの姿勢となった。硬直したような朱蘭の背中にゆっくりと両腕を回す。
二人は重なり合った姿で囁いた。
「……甘い痛みをありがとう」
「……ごめんな」
「ううん、嬉しいよ。こんな私に」
「冴来だからだぜ」
強い言葉に遮られた。冴来は抱き締めた姿で頷いた。
朱蘭の両手が冴来の頭を優しく包み込む。頬と頬が合わさった。
言葉は必要なかった。お互いの抱き締める力が想いを語る。
やがて二人の心も重なる。狂おしい程の願いとなって胸を締め付けた。
――ずっと一緒にいて欲しい。
開け放たれた窓の向こう。星屑を散らした夜空に流れ星が鮮明な軌跡を描いた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
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定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月25日
参加申し込みの期限
2017年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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