仲良くなりたい、その４｜リアクション

仲良くなりたい、その４

○起きてください

「せ、先生？」
　上下左右は、昼食を済ませた後、杖をつきながら屋上へやってきた。
　しかし左右の目に映ったのは景色ではなく、担任の川添かおる先生の寝顔だった。
　口からよだれをたらして、幸せそうに寝息をたてている。
　起きているときも眠そうな目と寝癖の残った髪で、左右はこの先生は起きているのだろうかと訝ったくらいである。
　寝子高のジャージ姿なので一見生徒のように見えるが、先生がこんなところで居眠りしてるというのはよろしくないのではないだろうか。
「先生～起きてくださ～い」
　そろそろ昼休みも終わりだ。
　このまま誰も起こさなくては授業時間になっても目を覚まさないかもしれない。
　そう思った左右が声をかけると。
「うーん、もう朝？」
　あくびをした川添先生は寝ぼけているようだ。
「もうすぐ昼休みが終わります。戻らなくていいんですか？」
「ああ、さゆちゃん……ありがとう、起こしてくれたんだ」
「どういたしまして」
　こんな調子で大丈夫なんでしょうか、と思いながら左右も教室に戻ることにする。
　キーンコーンカーンコーン。
　昼休み終わりのチャイムが鳴り響いた。

　