仲良くなりたい、その４｜リアクション

仲良くなりたい、その４

○不良生徒の授業中

　鷹虎龍獅は新入生である。
　オールバックで金色に髪を染め、ネクタイはつけずに制服は肩にかけている。
　木刀とチェーンを愛用しカバンの中には酒とタバコを忍ばせる。
　どこからどう見ても不良であった。

「龍獅くん、起きてくださいな」
　授業中机に突っ伏してまどろんでいる龍獅に、担任の四十九院鸞先生が声をかけた。
「春は眠いけど、大事な話を聞き逃すと授業についていけませんわぁ」
　たしなめる鸞に、
「ハイハイ、ウルセーナ」
　と生返事をした龍獅だが。
「しょうがないですねぇ」
　足音と共に、背中に何か柔らかい感触を感じた。息づかいが近い。
（まさか……？）
　慌てて飛び起きた龍獅は椅子から転げ落ちた。
「寝てねえし」
　振り向くと、おかしそうに鸞先生が言った。
「やっと起きてくれましたわね」
（背中の感触が忘れられねえ……今のってあの胸か？　気のせいか？　聞くわけにもいかねえし……うおおお）
　実は女性が苦手で近づかれると慌てる龍獅は、謎の感触の正体に悩むのだった。
　おかげで鸞先生の授業では寝られなくなった。
　　

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