わっくわく！お菓子な課外活動！｜リアクション

わっくわく！お菓子な課外活動！

　温めてあった陶器のポットに、旅鴉月詠が慣れた手つきで茶葉を入れる。
　折角だからと、月詠はいつの間にか燕尾服を身に纏い、大きなシルクハットを被っていた。
　四十九院鸞先生が「うふふ」と楽しげに笑う。
「まるで、不思議の国のお茶会ですわねぇ」
「なら、旅鴉さんは帽子屋ですね。お茶を入れて貰う俺達は……アリス？」
　四十九院先生の言葉に応じて、花厳望春が悪戯めいて口元に笑みを乗せた。
　ポットに沸騰したお湯を注いで蓋をしながら、赤の双眸をごく仄かに細くする月詠。
「なら、とっておきを出さないとね。今日はダージリンのファーストフラッシュを、アイスティーで」
「ふふ、楽しみですね……」
　頬に片手を当てて、御巫時子がおっとりとして言った。
　グラニュー糖をよく溶かした紅茶を、月詠が氷をたっぷり入れたグラスに注いでいく。
「旅鴉さん、プロみたいだね。全然動きに迷いがない」
「帽子屋だからね。美味しい紅茶と魔法のような時間を作れないと」
　月詠の言い様に、今はアリスのひとりである望春はくすりと笑んだ。
　濃い色の紅茶が、グラスを満たしていく。
　氷が、からりと鳴った。
「わ、綺麗な色のアイスティーですね……！」
　時子が声を華やがせるのに、常の調子で月詠が応じる。
「茶葉に気を使い糖類も入れたからね。クリームダウンしない綺麗な紅茶ができる。さあ、どうぞ」
「それじゃあ皆さん、美味しい紅茶と一緒にクッキーを頂きましょう？」
　四十九院先生が、歌うように声を零した。
　調理台の上には、時子達作の鳥模したクッキーを始め、とりどりの力作が並んでいる。
「旅鴉さんも一緒に食べよう？　帽子屋はお茶会を楽しむもの、だよね？」
　望春の言葉に、違いないと月詠が眼差しで応えて、４人のお茶会の始まり始まり。
　薔薇のクッキーを口に運んで、時子が表情を綻ばせる。
「手作りはいつもより美味しく感じますね」
「ええ、本当に。お菓子作りって、とっても楽しいんですのねぇ」
　時子の言葉にそう応じて、絞り出しクッキーを優雅に口に運ぶ四十九院先生。
　あら、とその目がくるりと丸くなった。
「これは、望春君達が作ったクッキーでしたわよねぇ？」
「え？　はい、そうですが……お口に合いませんでしたか？」
「そんな、逆ですわぁ。とっても美味しい。優しい味がしますもの」
「それは……良かったです。楽しくて充実した時間だったから、余計に嬉しいというか」
　望春と四十九院先生のやり取りに目元を和らげて、時子は月詠へと顔を向ける。
「月詠さんにとっては、この課外活動はどんな時間でしたか？」
「私にとって？　そうだな……悪くなかった、とは言ってしまっていいだろうね」
　その返事に、時子は柔らかく微笑んだ。
　皆と同じ時間を過ごせたことが、改めてとても嬉しく感じられて。
「ああ、そうでした。多めに作ったので、皆さん、良ければこれを」
　可愛らしくラッピングした鳥さんクッキーを、調理台を囲むメンバーに手渡していく時子。
　小袋の中の鳥達も、どこか誇らしげな、幸せそうな顔をして見えた。

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あとがき

担当マスター：巴めろ
ファンレターはマスターページから！

お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました！

わいわいと楽しく賑やかな交流の機会となっておりましたら幸いです。
課外活動、参加してみてよかった！　とＰＣの皆様が笑顔になってくださること、
そして勿論、ＰＬ様方にもお楽しみいただけますことを心より願っております。

重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました！

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