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《彼とぼくらの百鬼夜譚》 月魄の姫君 1
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「――高杉くん? どうしてこんな所で寝ているんですか?」
足元に俯せになって倒れている
高杉 かよう
を見下ろして、
マーガレット・ライカー
は尋ねた。
少々語尾が震えているのは動揺しているせいだ。困惑しているというのもあるだろう。なにしろ飛んできたオオスズメバチに驚いて即刻かばんではたき落とした直後、何かを踏んだと思ったら、それがかようだったのだから。
「道路で寝たりすると、車に轢かれますよ?」
ろっこんを知らないマーガレットは、たった今自分がはたき落としたのがろっこん
ジャパニーズ ジャイアント ホーネッツ
で変化したかようだと全く気付かず傍らにしゃがみ込む。すると、ふさふさの髪の間から育ち始めたコブが見えた。
これが原因らしいと、頭にできているコブに手を伸ばす。が、触れる前に頭が動き、かようはむくりと身を起こした。
「いっ、つつ……何だ? 何が起こった?」
「分かりません。私が気付いたときには、高杉くんはもう倒れていたんです」
「そうか」
と答えたものの、記憶が混乱していたのは目覚めた一瞬だけで、すでにかようは何があったか思い出していた。
ろっこんでオオスズメバチになって空から町の様子を見ていたとき、上からマーガレットを発見して下りて行ったのだ。
そしてそのままはたき落とされた。
(……ま、いいか)
だれの姿も見えない町で、つい知り合いを見つけたものだからと、ハチの姿のまま急接近した自分が悪い。スズメバチが飛んでくれば、大抵の者はマーガレットと同じ反応を示すだろう。
「ところでマーガレット、おまえここがどこか分かるか?」
「ここ? 旧市街でしょう」
「じゃああれ、分かるか?」
かようは西の空に傾いた赤焼けの太陽を指す。
「夕日ですね。
ええ、言いたいことは分かります。今はまだ登校時刻のはずなのに、どうして太陽が西へ傾いてしまっているのかということですね。
高杉くん、スマホは持っていますか?」
マーガレットが何を言わんとしているか悟ったかようは、画面が見えるようにしてポケットからスマホを取り出す。
「電源は入るが電波なし。圏外だ。
まあもっとも、あの町に電波塔なんて物があると思えんが」
かようは目を町へと向けた。夕日を浴びた瓦屋根の家々。暮色蒼然とした日本家屋の町並みで、電柱以上に高い建物はちらほらとしか見つけられない。
ふうと息をつき、スマホをポケットに戻したかように、マーガレットが言った。
「高杉くん。私、ここがどこか分かりました」
「何?」
「夢です」
「――は?」
「突然夕暮れになったり、町の景色が変わったり、スマホがつながらなかったり。こんなことが起きるのは、夢でしかあり得ませんわ。
まあ、ここにいても何です。歩きがてら話でもしましょう」
自分にはない発想に、とっさに声が出ないくらい驚いたかようの前、マーガレットは率先して歩き出した。
ろっこんとか、スーパーナチュラル的なものを一切理解しないマーガレットがこの状態を『夢』ではないかと疑うのも無理からぬことではあるが……。
恐怖とか絶望から現実逃避を起こしているようには見えない。
(彼女は本当に、ここを夢のなかだと思い込んでいるのか……?)
一抹の不安がこみ上げたが、それでもひとりでいたときよりずっと気持ちは楽だったから、後ろをついて歩いた。
野球ボールを真上に投げ、投げた手で落ちてきたボールをキャッチしながら歩いていると、マーガレットから質問がきた。
「高杉くんはひとりでしたか? ご友人は一緒では?」
「俺ひとりだ。気付いたらこの状態で、いつこうなったのかも戻り方も分からん。スリー分からんでチェンジのはずなんだが、帰るベンチも分からんときた。
まったく。きょう中に帰らないとやばいというのに」
「何かあるんですか?」
「見たいナイターがあるんだ」
「なるほど。
では、高杉くんには弟さんとかいますか?」
「弟? 俺に弟がいると、どうにかできるのか?」
「いえ、そうではなくて。高杉くんに弟がいたらよかったのに、というただの希望的観測です。
それで、中学のときの高杉くんはどんな感じでしたか?」
「中学のとき? ま、坊主頭の野球少年ってとこか」
「好きな人とか恋人はいらっしゃいました?」
「いないよ。しいて言うならボールが恋人だな」
「野球少年らしいお答えですね。
ですが、ボールが恋人ということは、いつも一緒に野球をしていらっしゃるご友人は何なのです?」
「え? ……友達だろ?」
「
あら残念
」
せっかくウスい本ができそうでしたのに。
そのつぶやきは小さすぎてかようには聞こえなかったが、さらなる質問、「中学時代は半ズボンでしたか?」というものにはさすがにかようもキャッチボールの手を止めて眉を寄せた。
「……なあ。さっきからの質問と今の状況に、何か関係あるのか?」
「いえ、特に関係はありません」
(高杉くんをモデルにした私のBL本脳内設定以外には)
「は!? じゃあなんで――」
「落ち着いて聞いてください、高杉くん。ここは夢の中ではないし、本当の寝子島の旧市街でもないようです」
「え? さっきおまえ、これは夢だって……」
「あれは冗談です」
「冗――」
「こんなにもリアルな夢は、見たことがありません。この風景、あの太陽、そしてさっきからずっとしているこの香り」
足を止め、振り返ると、マーガレットはクンと空気に漂う香りを嗅いだ。
「ああ、そうだ。ずっと気になっていたんだ」
甘く濃厚な花の香り。どこかで嗅いだことがある気がするけれど、思い出せない。
嫌な香りではないが……。
「このにおいのせいでこうなっているっていうのか?」
とてもそうは思えない、と言外に含んだかようの言葉に、マーガレットはこう返した。
「いいですか?
It is an old maxim of mine that when you have excluded the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.
私の母国の誇る名探偵もこう言っています。『選択肢を消して残ったものが、たとえそれが不可能に見えても、それが真実だ』と。
ですから、行きましょう、高杉くん。この香りの元へ。真実にたどり着くパーツは、この時代錯誤な閉鎖された町のどこかにきっとあるはずですから」
マーガレットは駅に向かって歩いていたわけではなかった。
彼女が振り仰いだ先には長い坂道があり、家屋の隙間から白い洋館らしき一部が見えていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月30日
参加申し込みの期限
2017年08月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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