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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】最終決戦！ すべての希望に火を灯せ！
【赤の扉】決着
「これで終わり、だ……」
刀はその場にどうと倒れる。
「おい御剣。大丈夫かよ……ひでえ傷だぜ」
「ほんと、無茶しやがって、ですよ」
庚と梢も気を失って倒れた刀の傍に、背中合わせにしゃがみ込む。
「道を開けてください！ 救護隊です！」
星幽塔史上に残る決戦を固唾を呑んで見守っていた死神隊や蒼蝶隊の面々を押しのけ、ウッドシールドを掲げたペルラ・サナーレと、彼女を護衛してきたザ・ストレイトが玉座の間に飛び込んできた。
ぺルラは、倒れた刀と傷だらけの仲間たちを見つけると、顔を真っ赤にして怒ったような安堵したような複雑な表情で飛んでくる。
「まったく……！ まだ治療の途中だったのに飛び出して行っちゃうんですから……！」
ぺルラは癒しの星の光を刀の傷口に注ぎ始める。刀の青白かった顔色が、少し赤みを取り戻すと、ぺルラはほっとした様子で、ほかの皆にも回復アイテムを配った。
「忍者みたいな……信乃さんから預かったんです。たくさん持ってきたから使ってくれって」
星の力の回復や滋養強壮効果のある星の滴に、回復と鎮痛作用のある月希、怪我や疲労の回復と軽い解毒作用のあるＣＨ。各々口にしたり、傷口に塗ったりして回復していると、ふいにサキリが叫んだ。
「みんな！ あれを見て」
風化した遺跡が風に崩れるように黒い塵となった黒獅子ゴンザレス。
その姿が溶けたあとに、小さな黒い石の欠片が宙に浮かんでいる。
ぺルラの介抱の甲斐あって、うっすらと瞼を開けた刀は思う。
（――俺は、あれを、知ってる……？）
欠片はぽろぽろと崩れて消える。
刀の意識もまた、再び深い眠りへと落ちて行った。
次に刀が気づいたのは、馬に乗ったザ・ストレイトの腕の中であった。
抜けるような青空。たなびく金色の旗。心地よい風を頬に感じる。
「……俺、どうした……？」
「気づいたか御剣。ぶっ倒れたんだ。あんまり無茶するなよな」
「エメルメ・ルーチェの欠片……『ロッソ』は？」
「心配するな。玉座の間にあったのをちゃんと回収した」
ほら、と開かれたザ・ストレイトの手のひらの上に赤いオーブの欠片を見とめ、刀は安堵して目を閉じた。
「もちっと寝とけ。元の広場まで運んでやるから」
のちに『星型城塞アンタレッサの戦い』として星幽塔史上に名を遺す戦いは、星獅子軍の完全勝利であった。
総大将を務めたレオーネ・ナジュムは、白亜の広場に戻る扉の前に集まった将や兵、ひとりひとりの顔を感慨深く見回した。相棒の獅子ラサラスがレオーネに鼻を寄せ、レオーネは浮かんだ涙をぬぐう。
「皆の者、よくやった！ 我々は黒獅子ゴンザレスに勝利し、オーブの欠片『ロッソ』を手に入れた。それもこれも、皆の献身的な働きのお陰だ！」
おおーっ、と拍手と歓声があがる。拳を上げて喜ぶ者たちの中に、エイロスの姿もある。
「ところで、」
レオーネはもったいぶって咳払いした。
「星型城塞に敵の残した装備品や宝飾品があった。ささやかではあるが報奨金代わりに貰ってほしい！」
今度は先ほどの何倍もおおきな歓声。とくに喜んでいるのは十二支団の者たちだった。
盛り上がる人々から外れた場所で。
恵御納 久隆と恵御納 理沙は、バーガンディの拘束を解いた。
「うえっへ、ごほごほ……」
バーガンディの姿は見る間に、赤い蠍から、頭はつるつる、真っ白なあご髭を蠍の尾のように三つ編みにした小さなお爺さんに変わった。
「ごっほん！ これがわしの真の姿ぢゃ！」
胸を張るほどでもないが、胸を張る爺さん。久隆は剣の切先を突きつける。
「バーガンディ殿。正気であらせられるか？」
「あらせられるあらせられる！ だからその剣仕舞ってくれんかのう？」
久隆は剣を鞘に納め、深く頭を垂れた。
「致し方なかったとはいえ、蠍座のアステリズム殿にあのような扱い……非礼を詫びます」
「ごめんね～」
バーガンディ爺さんは、よいよい、と言って理沙の乳をもみもみした。
「ばぼーんじゃなくともよいよい」
スラリ。
久隆の剣がバーガンディの髭を掠める。
「申し訳ないがてっぺんに火を灯す為協力願えないだろうか。それと、妻に、手を出すな……！」
理沙曰く。久隆のこの時の表情は、まるで氷のようで、とても格好良かったという。
理沙はふふっと笑って、久隆と腕を組む。
「さ、私たちも元の広場に戻りましょ。バーガンディさんも一緒に、ね？」
【赤の扉】（了）
「これで終わり、だ……」
刀はその場にどうと倒れる。
「おい御剣。大丈夫かよ……ひでえ傷だぜ」
「ほんと、無茶しやがって、ですよ」
庚と梢も気を失って倒れた刀の傍に、背中合わせにしゃがみ込む。
「道を開けてください！ 救護隊です！」
星幽塔史上に残る決戦を固唾を呑んで見守っていた死神隊や蒼蝶隊の面々を押しのけ、ウッドシールドを掲げたペルラ・サナーレと、彼女を護衛してきたザ・ストレイトが玉座の間に飛び込んできた。
ぺルラは、倒れた刀と傷だらけの仲間たちを見つけると、顔を真っ赤にして怒ったような安堵したような複雑な表情で飛んでくる。
「まったく……！ まだ治療の途中だったのに飛び出して行っちゃうんですから……！」
ぺルラは癒しの星の光を刀の傷口に注ぎ始める。刀の青白かった顔色が、少し赤みを取り戻すと、ぺルラはほっとした様子で、ほかの皆にも回復アイテムを配った。
「忍者みたいな……信乃さんから預かったんです。たくさん持ってきたから使ってくれって」
星の力の回復や滋養強壮効果のある星の滴に、回復と鎮痛作用のある月希、怪我や疲労の回復と軽い解毒作用のあるＣＨ。各々口にしたり、傷口に塗ったりして回復していると、ふいにサキリが叫んだ。
「みんな！ あれを見て」
風化した遺跡が風に崩れるように黒い塵となった黒獅子ゴンザレス。
その姿が溶けたあとに、小さな黒い石の欠片が宙に浮かんでいる。
ぺルラの介抱の甲斐あって、うっすらと瞼を開けた刀は思う。
（――俺は、あれを、知ってる……？）
欠片はぽろぽろと崩れて消える。
刀の意識もまた、再び深い眠りへと落ちて行った。
次に刀が気づいたのは、馬に乗ったザ・ストレイトの腕の中であった。
抜けるような青空。たなびく金色の旗。心地よい風を頬に感じる。
「……俺、どうした……？」
「気づいたか御剣。ぶっ倒れたんだ。あんまり無茶するなよな」
「エメルメ・ルーチェの欠片……『ロッソ』は？」
「心配するな。玉座の間にあったのをちゃんと回収した」
ほら、と開かれたザ・ストレイトの手のひらの上に赤いオーブの欠片を見とめ、刀は安堵して目を閉じた。
「もちっと寝とけ。元の広場まで運んでやるから」
のちに『星型城塞アンタレッサの戦い』として星幽塔史上に名を遺す戦いは、星獅子軍の完全勝利であった。
総大将を務めたレオーネ・ナジュムは、白亜の広場に戻る扉の前に集まった将や兵、ひとりひとりの顔を感慨深く見回した。相棒の獅子ラサラスがレオーネに鼻を寄せ、レオーネは浮かんだ涙をぬぐう。
「皆の者、よくやった！ 我々は黒獅子ゴンザレスに勝利し、オーブの欠片『ロッソ』を手に入れた。それもこれも、皆の献身的な働きのお陰だ！」
おおーっ、と拍手と歓声があがる。拳を上げて喜ぶ者たちの中に、エイロスの姿もある。
「ところで、」
レオーネはもったいぶって咳払いした。
「星型城塞に敵の残した装備品や宝飾品があった。ささやかではあるが報奨金代わりに貰ってほしい！」
今度は先ほどの何倍もおおきな歓声。とくに喜んでいるのは十二支団の者たちだった。
盛り上がる人々から外れた場所で。
恵御納 久隆と恵御納 理沙は、バーガンディの拘束を解いた。
「うえっへ、ごほごほ……」
バーガンディの姿は見る間に、赤い蠍から、頭はつるつる、真っ白なあご髭を蠍の尾のように三つ編みにした小さなお爺さんに変わった。
「ごっほん！ これがわしの真の姿ぢゃ！」
胸を張るほどでもないが、胸を張る爺さん。久隆は剣の切先を突きつける。
「バーガンディ殿。正気であらせられるか？」
「あらせられるあらせられる！ だからその剣仕舞ってくれんかのう？」
久隆は剣を鞘に納め、深く頭を垂れた。
「致し方なかったとはいえ、蠍座のアステリズム殿にあのような扱い……非礼を詫びます」
「ごめんね～」
バーガンディ爺さんは、よいよい、と言って理沙の乳をもみもみした。
「ばぼーんじゃなくともよいよい」
スラリ。
久隆の剣がバーガンディの髭を掠める。
「申し訳ないがてっぺんに火を灯す為協力願えないだろうか。それと、妻に、手を出すな……！」
理沙曰く。久隆のこの時の表情は、まるで氷のようで、とても格好良かったという。
理沙はふふっと笑って、久隆と腕を組む。
「さ、私たちも元の広場に戻りましょ。バーガンディさんも一緒に、ね？」
【赤の扉】（了）
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年07月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年07月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年07月27日 11時00分
