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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
Gorilla～君が奏でるレクイエム
●You can change your destiny
実は、ほんの悪戯程度のハプニングのつもりだったのだが、ゴリ島に召喚されるにあたってゴリラ化する人間が思いの外多かった。――そんな訳で、新田 亮もゴリラになっていた内の一人である。
（神魂の影響か？ まぁいずれ戻るだろ）
しかし亮の意志はこの程度で挫けることは無く、色々と情報収集をした結果、彼はこの島に訪れた人間がゴリラに襲われていることを知ったのだった。
（助けるにしても力尽くは危険だ。ここは説得しよう）
一方の夜海霧 楓も『気が付いたらゴリラだった』勢である。しかも何故だか紙とマイクを持っており、これはきっと読めと言うことなんだなと納得した。
――おりしも密林の一角には、亮が集めた沢山のゴリラ達がひしめいており、何かを読み上げるには丁度良い。亮もゴリラ達を説得するべく演説を行おうとしていた所であり、やがて力強い雄叫びがゴリ島に木霊していった。
※以下、ゴリラ語を翻訳してお送りします。
「聞け！ 同胞達よ。今この島に我らが宿敵、人間が訪れた。復讐には、まさに絶好の機会と言えるだろう！」
まるで何処かの公国総帥の如く、亮が同胞――ゴリラ達の闘争心を煽る。復讐、との言葉にいきり立つ者もちらほら居るが、亮の本意は人間対ゴリラの全面戦争では無かった。
「だがしかし、我らの悲願は人間の打倒なのだろうか。血塗られた道の先に我らの安息はあるのだろうか」
――否、断じて否だ、と亮は訴える。思い出すのだ、人間と暮らした過去を。食事を共にし、遊楽に耽け、愛し愛された温かい日々を。
「……私は取り戻したい。あの満ち足りた日常が恋しい！」
かつての記憶――人間との共存を夢見たゴリラ達から、ウホウホと聞こえてくるのは哀しみのドラミングだろうか。一方でバナナを食べていればそれで良い勢も、ちらほら見受けられたが――ゴリラ達も一枚岩では無いと言うことらしい。
「諸君らはどうだ？ そばにいて欲しい人間は？ 取り戻したい生活は？ それら犠牲にしても争いの道を選ぶのか！？」
周囲には非常にドラマティック且つアカデミックな雰囲気が漂っているが、現実はジャングルのど真ん中で、ゴリラ達が輪になってウホウホ叫んでいると言う絵面であった。
「……さて、シナリオの途中だが、たった今gorillaキャラクター人気投票の結果が出た。受賞者のコメント付きで紹介したい」
――と、此処でまさかの、楓による人気投票タイムである。一体いつの間に投票が行われていたんだとか、そう言うツッコミも許さぬままに、軽快なドラムロールが鳴り響いていった。
「第１０位・ゴリさん、第９位・ゴリラ、第８位・ゴリラ、第７位・gorilla、第６位・ゴリラ――」
なお、コメントは順に「ウホ」「uho」「ウホホホ」「ボールだ、ボールを寄越せ！」「ウホホッ」となっている。我々ホモサピエンスには、ゴリラゴリラと連呼しているだけにしか思えないのだが、ゴリラ達には其々の微妙なニュアンスによって個体差を感じ取れる――のであろう。多分。
「６位が意外な健闘を果たす結果となったが、注目のＴＯＰ５にいくぜ……」
６位ってどのゴリラよ！？ と突っ込む人間は此処に居ない。ゴリラはしっかりと仲間たちを区別しているのだ。自分のことだと喜んでいるゴリラが２、３頭居るようだが、彼らも誰のことか良く分かっていない訳では無い。多分。
「第５位・ゴリラ、第４位 ゴリラ……これは元気のある動きと、クールな表情が人気に繋がったか」
「ウホッ」「ウホホッ」と喜びの声をあげているゴリラは、あんずゴリラと楓子ゴリラのようだ。既に彼女たちは魂までゴリラとなってしまい、いつの間にか人気投票の上位にまで食い込むと言う偉業を達成していた。
「さて、ここで表彰台のセッティングが入るため、一旦カメラ切り替わります。本編をお楽しみください」
――楓が華麗なＭＣを決めると、場面は何事も無かったかのように亮のシーンへと切り替わる。どうやら人気投票の間も、彼の演説は続いていたらしい。
「……ここまで言っても諸君らは迷うだろう。裏切った相手なら尚の事。では考え方を変えると良い。人を受け入れる事が復讐になると」
つまり我らの慈愛や尊さを示し、奴ら人間の心に深い後悔と懺悔の念を植え付ける。そう、体ではなく心に刻みつけるのだと亮は訴えた。
「これこそが我らの復讐であり、共存への一歩となる！ 同胞達よ。今こそ立ち上がれ！ 我らの無念を晴らし、安息の日々を取り戻せ！」
ウホウホウホォォォォ――この日ゴリ島は震撼し、ゴリラ達の奏でる歓喜のドラミングが、ジャングルの木々を何時までも揺らし続けたと言う。それは悲嘆に暮れたレクイエムなどでは無く、未来を掴む為の勇ましいマーチ。
――そう、この島のゴリラ達は、遂に魂のくびきから解き放たれたのだ。
実は、ほんの悪戯程度のハプニングのつもりだったのだが、ゴリ島に召喚されるにあたってゴリラ化する人間が思いの外多かった。――そんな訳で、新田 亮もゴリラになっていた内の一人である。
（神魂の影響か？ まぁいずれ戻るだろ）
しかし亮の意志はこの程度で挫けることは無く、色々と情報収集をした結果、彼はこの島に訪れた人間がゴリラに襲われていることを知ったのだった。
（助けるにしても力尽くは危険だ。ここは説得しよう）
一方の夜海霧 楓も『気が付いたらゴリラだった』勢である。しかも何故だか紙とマイクを持っており、これはきっと読めと言うことなんだなと納得した。
――おりしも密林の一角には、亮が集めた沢山のゴリラ達がひしめいており、何かを読み上げるには丁度良い。亮もゴリラ達を説得するべく演説を行おうとしていた所であり、やがて力強い雄叫びがゴリ島に木霊していった。
※以下、ゴリラ語を翻訳してお送りします。
「聞け！ 同胞達よ。今この島に我らが宿敵、人間が訪れた。復讐には、まさに絶好の機会と言えるだろう！」
まるで何処かの公国総帥の如く、亮が同胞――ゴリラ達の闘争心を煽る。復讐、との言葉にいきり立つ者もちらほら居るが、亮の本意は人間対ゴリラの全面戦争では無かった。
「だがしかし、我らの悲願は人間の打倒なのだろうか。血塗られた道の先に我らの安息はあるのだろうか」
――否、断じて否だ、と亮は訴える。思い出すのだ、人間と暮らした過去を。食事を共にし、遊楽に耽け、愛し愛された温かい日々を。
「……私は取り戻したい。あの満ち足りた日常が恋しい！」
かつての記憶――人間との共存を夢見たゴリラ達から、ウホウホと聞こえてくるのは哀しみのドラミングだろうか。一方でバナナを食べていればそれで良い勢も、ちらほら見受けられたが――ゴリラ達も一枚岩では無いと言うことらしい。
「諸君らはどうだ？ そばにいて欲しい人間は？ 取り戻したい生活は？ それら犠牲にしても争いの道を選ぶのか！？」
周囲には非常にドラマティック且つアカデミックな雰囲気が漂っているが、現実はジャングルのど真ん中で、ゴリラ達が輪になってウホウホ叫んでいると言う絵面であった。
「……さて、シナリオの途中だが、たった今gorillaキャラクター人気投票の結果が出た。受賞者のコメント付きで紹介したい」
――と、此処でまさかの、楓による人気投票タイムである。一体いつの間に投票が行われていたんだとか、そう言うツッコミも許さぬままに、軽快なドラムロールが鳴り響いていった。
「第１０位・ゴリさん、第９位・ゴリラ、第８位・ゴリラ、第７位・gorilla、第６位・ゴリラ――」
なお、コメントは順に「ウホ」「uho」「ウホホホ」「ボールだ、ボールを寄越せ！」「ウホホッ」となっている。我々ホモサピエンスには、ゴリラゴリラと連呼しているだけにしか思えないのだが、ゴリラ達には其々の微妙なニュアンスによって個体差を感じ取れる――のであろう。多分。
「６位が意外な健闘を果たす結果となったが、注目のＴＯＰ５にいくぜ……」
６位ってどのゴリラよ！？ と突っ込む人間は此処に居ない。ゴリラはしっかりと仲間たちを区別しているのだ。自分のことだと喜んでいるゴリラが２、３頭居るようだが、彼らも誰のことか良く分かっていない訳では無い。多分。
「第５位・ゴリラ、第４位 ゴリラ……これは元気のある動きと、クールな表情が人気に繋がったか」
「ウホッ」「ウホホッ」と喜びの声をあげているゴリラは、あんずゴリラと楓子ゴリラのようだ。既に彼女たちは魂までゴリラとなってしまい、いつの間にか人気投票の上位にまで食い込むと言う偉業を達成していた。
「さて、ここで表彰台のセッティングが入るため、一旦カメラ切り替わります。本編をお楽しみください」
――楓が華麗なＭＣを決めると、場面は何事も無かったかのように亮のシーンへと切り替わる。どうやら人気投票の間も、彼の演説は続いていたらしい。
「……ここまで言っても諸君らは迷うだろう。裏切った相手なら尚の事。では考え方を変えると良い。人を受け入れる事が復讐になると」
つまり我らの慈愛や尊さを示し、奴ら人間の心に深い後悔と懺悔の念を植え付ける。そう、体ではなく心に刻みつけるのだと亮は訴えた。
「これこそが我らの復讐であり、共存への一歩となる！ 同胞達よ。今こそ立ち上がれ！ 我らの無念を晴らし、安息の日々を取り戻せ！」
ウホウホウホォォォォ――この日ゴリ島は震撼し、ゴリラ達の奏でる歓喜のドラミングが、ジャングルの木々を何時までも揺らし続けたと言う。それは悲嘆に暮れたレクイエムなどでは無く、未来を掴む為の勇ましいマーチ。
――そう、この島のゴリラ達は、遂に魂のくびきから解き放たれたのだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年06月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年06月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年06月29日 11時00分
