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- 00月00日生 00歳
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そうだ模様替えをしよう ―春の青空―
一歳程の猫が四匹ともなると毎日繰り広げられる運動会の激しさと言ったら。時には外に出して発散させたりもするが、体が出来上がり日々増していく体力の前には焼け石に水状態なのだろうとジェレミア・ベルトーニは考えている。
広めの一部屋を猫専用部屋として開放し、キャットタワーを置いて思いっ切り走り回れるように対策もたててはいるが、それには苦笑が滲む。
専用部屋は悪くない環境ではあるが、できればそれ以外にも縦運動もできるようにしてあげたいと常々ジェレミアは構想を練り上げてはいた。
経営する動物病院の休診日は快晴に恵まれ、ジェレミアはその計画を実行に移すべく、大工道具を引っ張り出す。
「危ないからね」
すわ何事かと集まるチビ猫三匹を抱き上げてジェレミアは、別室へと彼らを連れ立ち、
「新しい遊び場所を増やすから、その間だけこの部屋を貸してね」と避難用に別部屋を用意したいとドアを開けて語る。
ジェレミアにお願いされ、横たわっていた目の周りに大黒ぶちの三毛猫のるちるが首だけ振り向き、「仕方ないわね、早くしなさいヨ」と言いたげに「みゃみゃう」と返事をしてくれた。
ジェレミアはそんな彼女にちび達におとなしくしているように言いつけてドアを閉める。
とたた、と早速行動を起こす子猫達の足音を背にジェレミアは、さっさと完成させようと笑った。
材料と大工道具を一まとめにコンテナに入れ、専用部屋へと運び込む。
「まずはメインのキャットウォークからかな」
壁に板を当て位置を決めるとアンカーを打ち、金具で強度補強してから、ステップを一段二段と斜め上部を目指して階段状にずらしつつ重ねていく。上へと目指すが、時にはダウンさせてみたり、ステップは板一枚の他にもボックス型のも用意して、猫用品や小物も整理できるようにしたり、幅の狭い棒状のを使用してみたりと変化をつけた。
カーテンレールの上に気兼ねなく走れる場所をと、足場となるような幅と長さがある板を取り付けて、それはそれは入念に固定する。
天井の際にも足場。この狭さなら気に入ってくれるだろうか。
出来たステップのひとつひとつを掴んで揺すってぐらつきを確認するジェレミアは、問題ないなと頷き、「あとは……」と一旦部屋を出て、用意していたキャットタワーを猫部屋に引き込む。
キャットタワーも三つ目となるとちょっとした城か要塞だ。並べて眺め、先に完成したキャットウォークとのバランスを見ながら調整し、納得のいく配置にジェレミアは猫部屋を掃除して仕上げた。
…※…
「ごめんね、待たせたね」
ひとりで行う手作業故に、お迎えが数時間後となってしまったジェレミアの謝罪よりも、微かに漂う板材の匂いにチビ猫達が我先にと廊下に飛び出していった。
「ありがとう。助かったよ」皆に見てもらいたいからとるちるも抱き上げ、ジェレミアは猫部屋に移動した。
部屋の前で待つ子猫達に急かされドアを開けたジェレミアは予想通りの状況を目にし、思わず微笑んだ。
好奇心旺盛な子猫達は最初こそ鼻をひくつかせて警戒したものの、ダッシュで室内に駆け込むと部屋の新要素をすかさずと試していく。増えたキャットタワーに群がってそこどこを点検し、壁に設えたステップに気づくとそちらへと飛びついた。
「ああ、試してみる？」
「みゃぉ」と腕の中で訴えられ、ジェレミアはるちるを下ろした。彼女は優雅な仕草でステップを上がり、キャットウォークの最上部に辿り着くとその場に蹲った。
灰色子猫のすみと茶トラ子猫のこはくは男の子だからか外に放した時のようにあれもこれもと欲張るようにキャットウォークとキャットタワーを何度も往復している。また、みなみは女の子ではあるがそのヒョウ柄が示すようにベンガルの血でも混じっているのか他のオス二匹にも負けず劣らずのわんぱくぶりを発揮していた。
どたどたと床を踏み鳴らしはしゃぐ三匹をキャットウォークの天辺で陣取っているるちるが「アナタ達ってオコサマねぇ」って冷めた目で見下ろしているような表情をしていてジェレミアは道具の入ったコンテナを持ち上げた。
上で動かないるちるに子猫達がそれぞれにちょっかいをかけて駆けっこ遊びに引き釣りこんでいる。
「気に入ってくれた？」
なんて声を掛けるも、猫達は夢中になっていて、るちるだけがちらりと視線をくれただけだった。
「ドアは開けておくからね。何かあったら呼ぶんだよ」
人に話すように、猫だからと隔てなく話しかけるジェレミアは、不具合も無さそうだと四匹の様子を眺めてからドアストッパーを置いてから片付けに猫部屋を後にした。
止まらない足音が廊下に響き、あれだけ喜んでくれるなら、また何か思いついたら増やしてあげようとジェレミアは思う。
広めの一部屋を猫専用部屋として開放し、キャットタワーを置いて思いっ切り走り回れるように対策もたててはいるが、それには苦笑が滲む。
専用部屋は悪くない環境ではあるが、できればそれ以外にも縦運動もできるようにしてあげたいと常々ジェレミアは構想を練り上げてはいた。
経営する動物病院の休診日は快晴に恵まれ、ジェレミアはその計画を実行に移すべく、大工道具を引っ張り出す。
「危ないからね」
すわ何事かと集まるチビ猫三匹を抱き上げてジェレミアは、別室へと彼らを連れ立ち、
「新しい遊び場所を増やすから、その間だけこの部屋を貸してね」と避難用に別部屋を用意したいとドアを開けて語る。
ジェレミアにお願いされ、横たわっていた目の周りに大黒ぶちの三毛猫のるちるが首だけ振り向き、「仕方ないわね、早くしなさいヨ」と言いたげに「みゃみゃう」と返事をしてくれた。
ジェレミアはそんな彼女にちび達におとなしくしているように言いつけてドアを閉める。
とたた、と早速行動を起こす子猫達の足音を背にジェレミアは、さっさと完成させようと笑った。
材料と大工道具を一まとめにコンテナに入れ、専用部屋へと運び込む。
「まずはメインのキャットウォークからかな」
壁に板を当て位置を決めるとアンカーを打ち、金具で強度補強してから、ステップを一段二段と斜め上部を目指して階段状にずらしつつ重ねていく。上へと目指すが、時にはダウンさせてみたり、ステップは板一枚の他にもボックス型のも用意して、猫用品や小物も整理できるようにしたり、幅の狭い棒状のを使用してみたりと変化をつけた。
カーテンレールの上に気兼ねなく走れる場所をと、足場となるような幅と長さがある板を取り付けて、それはそれは入念に固定する。
天井の際にも足場。この狭さなら気に入ってくれるだろうか。
出来たステップのひとつひとつを掴んで揺すってぐらつきを確認するジェレミアは、問題ないなと頷き、「あとは……」と一旦部屋を出て、用意していたキャットタワーを猫部屋に引き込む。
キャットタワーも三つ目となるとちょっとした城か要塞だ。並べて眺め、先に完成したキャットウォークとのバランスを見ながら調整し、納得のいく配置にジェレミアは猫部屋を掃除して仕上げた。
「ごめんね、待たせたね」
ひとりで行う手作業故に、お迎えが数時間後となってしまったジェレミアの謝罪よりも、微かに漂う板材の匂いにチビ猫達が我先にと廊下に飛び出していった。
「ありがとう。助かったよ」皆に見てもらいたいからとるちるも抱き上げ、ジェレミアは猫部屋に移動した。
部屋の前で待つ子猫達に急かされドアを開けたジェレミアは予想通りの状況を目にし、思わず微笑んだ。
好奇心旺盛な子猫達は最初こそ鼻をひくつかせて警戒したものの、ダッシュで室内に駆け込むと部屋の新要素をすかさずと試していく。増えたキャットタワーに群がってそこどこを点検し、壁に設えたステップに気づくとそちらへと飛びついた。
「ああ、試してみる？」
「みゃぉ」と腕の中で訴えられ、ジェレミアはるちるを下ろした。彼女は優雅な仕草でステップを上がり、キャットウォークの最上部に辿り着くとその場に蹲った。
灰色子猫のすみと茶トラ子猫のこはくは男の子だからか外に放した時のようにあれもこれもと欲張るようにキャットウォークとキャットタワーを何度も往復している。また、みなみは女の子ではあるがそのヒョウ柄が示すようにベンガルの血でも混じっているのか他のオス二匹にも負けず劣らずのわんぱくぶりを発揮していた。
どたどたと床を踏み鳴らしはしゃぐ三匹をキャットウォークの天辺で陣取っているるちるが「アナタ達ってオコサマねぇ」って冷めた目で見下ろしているような表情をしていてジェレミアは道具の入ったコンテナを持ち上げた。
上で動かないるちるに子猫達がそれぞれにちょっかいをかけて駆けっこ遊びに引き釣りこんでいる。
「気に入ってくれた？」
なんて声を掛けるも、猫達は夢中になっていて、るちるだけがちらりと視線をくれただけだった。
「ドアは開けておくからね。何かあったら呼ぶんだよ」
人に話すように、猫だからと隔てなく話しかけるジェレミアは、不具合も無さそうだと四匹の様子を眺めてからドアストッパーを置いてから片付けに猫部屋を後にした。
止まらない足音が廊下に響き、あれだけ喜んでくれるなら、また何か思いついたら増やしてあげようとジェレミアは思う。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年05月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年06月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年06月06日 11時00分
