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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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星ヶ丘寮のある一日
☆見学者と家庭菜園
旅鴉 月詠は、エントランス奥で黒崎教頭と受付が話しているのを聞いた後、物陰に隠れて白衣を脱いでしまった。
髪型もロングからツーサイドアップに変える。
白衣の下は外出着だ。
月詠は何食わぬ顔であたかも外からきた風に装い、見学の一団に紛れ込んだのだった。
（客観的に見回るのも楽しそうだ。暫くは黒崎先生に気づかれないように、気づかれたとしても見学の邪魔はしないのでスルーをお願いすることにしよう）
カーキーを家に連れ帰った後、修が見学者たちのところにやってきた。
（案内役は三宅先輩か、手伝えることはあるかな）
だがそこで月詠の姿を見つけ一瞬目を丸くする。
「旅……」
「しっ」
月詠が口に指を持っていった。
その様子で状況を察した修は黙って苦笑した。
（旅鴉らしいな）
「寮と言っても、寮生は大抵一軒屋に住み、星ヶ丘寮は一つの町のようになっています」
「学校の寮なのに一軒屋？」
葉月の説明に新入生の一人が唖然とした顔をしたが、周囲の平然としている学生を見て口をつぐんだ。
「二年前に私が入寮したときは少し驚いたわ。富裕層向け、というけれど学生寮だからそんなに大したものじゃないと思っていたから」
淡々と自分の思い出を語る葉月。
まず自分の家に新入生たちを案内し、見学してもらった。
「一人でこんな広い家に住んでるんですか？」
「最初はすごく広いと思ったわ。星ヶ丘寮でも、一人では広すぎるからとハウスシェアリングをしてる人もいるのよ。でも絵を描いたり自分で服を作ったりしていると、今の部屋でも少し手狭に思えるから不思議よね？」
その言葉に、何人かの新入生からため息が漏れた。
見回りコースや予定を聞いた月詠は、寮のスタッフや生徒たちに情報提供すべく一旦列を離れた。
（スタッフたちも承知だろうが一応手配しておこう）
と考えている。
「しばらく任せていいかい？」
黒崎教頭が修に目配せした。共有施設を見学する時間を視察に当てようということか。
「はい」
修が頷くと、教頭は新入生の列を離れ、視察に出かけていく。
地図は持っているとはいえ、迷子になる新入生もいるかもしれない。
「生徒会の副会長を務める八神修だ。よろしく」
修は最後尾で新寮生たちを見守ることにした。
「春休みは種・苗の植え付け作業に集中するチャンスなのです！」
椿 美咲紀はポニーテールを揺らしながら家庭菜園で種まきをしていた。
庭には花たちも咲き誇っているが、菜園にも負けじと瑞々しい菜っ葉たちが青々と育っている。
「ほうれん草、小松菜は種まき時期を巧くずらすと年中取れる優秀野菜。育てるのは慣れました。えっへん」
春爛漫。暖かくて庭で作業をしていると少し汗ばむ。
タオルで汗を拭きながら、美咲紀は言った。
「植物も動物も大きくなるよー！ な季節到来感ギュンギュンなこの時期。私、大好きなの」
「本当にいい季節ですね」
隣で種まきをしているメイドの松本さんが相槌を打つ。
松本さんも植物を育てるのが好きで、とても頼りになるのだ。
「１年家庭菜園をしてきて、色々と作りたいお野菜が増えて来たのです。今年は茎ブロッコリーを新たに育ててみようと思うです」
美咲紀が宣言すると、
「では、これですね」
松本さんが育苗ポットを持ってきてくれた。
「そうそう、先に種から少し大きくなるまで育てて、苗をプランターか小さな畑に植え替える算段なのです」
満足げに頷きながら美咲紀はカメラを構える。
「新聞記事のネタに種まきの様子を写真に収めるのです」
「こちらからなら影にならずよく見えるでしょうか……あら？」
場所を移動しようとした松本さんが顔を上げた。
二人でキャッキャウフフと楽しく作業に勤しんでいたら、いつのまにか影が一つ増えていた。
「やあ。精が出るね」
「はわー！？ 黒崎先生、いつの間に来てたのです？」
思わぬ客に、美咲紀は驚いて立ちあがる。
「楽しそうだね。花も野菜も見事だ」
「ハイです、園芸とっても楽しいです！ 新聞部顧問の黒崎先生は、私の園芸好きもよく知ってるですよね。今年も更にパワーＵＰ目指してますよ！」
ただいまお茶を、と手袋を脱ぐ松本さんを教頭は制する。
「いや、続けてください。僕は他にも回るところがあるので、また今度ゆっくりと」
「そうですか。美味しいお野菜出来たらまたおすそ分けしますね☆」
「おや、カメラだね。僕が一枚撮ろう。二人とも並んで」
「まあ、私はいいですから」
「ありがとうございます。せっかくだから松本さんも撮ってもらうのです」
「そうそう、花は多いほうが華やかだからね」
美咲紀と松本さんが仲良く作業する様子をカメラに収め、教頭はにこやかに帰って行った。
旅鴉 月詠は、エントランス奥で黒崎教頭と受付が話しているのを聞いた後、物陰に隠れて白衣を脱いでしまった。
髪型もロングからツーサイドアップに変える。
白衣の下は外出着だ。
月詠は何食わぬ顔であたかも外からきた風に装い、見学の一団に紛れ込んだのだった。
（客観的に見回るのも楽しそうだ。暫くは黒崎先生に気づかれないように、気づかれたとしても見学の邪魔はしないのでスルーをお願いすることにしよう）
カーキーを家に連れ帰った後、修が見学者たちのところにやってきた。
（案内役は三宅先輩か、手伝えることはあるかな）
だがそこで月詠の姿を見つけ一瞬目を丸くする。
「旅……」
「しっ」
月詠が口に指を持っていった。
その様子で状況を察した修は黙って苦笑した。
（旅鴉らしいな）
「寮と言っても、寮生は大抵一軒屋に住み、星ヶ丘寮は一つの町のようになっています」
「学校の寮なのに一軒屋？」
葉月の説明に新入生の一人が唖然とした顔をしたが、周囲の平然としている学生を見て口をつぐんだ。
「二年前に私が入寮したときは少し驚いたわ。富裕層向け、というけれど学生寮だからそんなに大したものじゃないと思っていたから」
淡々と自分の思い出を語る葉月。
まず自分の家に新入生たちを案内し、見学してもらった。
「一人でこんな広い家に住んでるんですか？」
「最初はすごく広いと思ったわ。星ヶ丘寮でも、一人では広すぎるからとハウスシェアリングをしてる人もいるのよ。でも絵を描いたり自分で服を作ったりしていると、今の部屋でも少し手狭に思えるから不思議よね？」
その言葉に、何人かの新入生からため息が漏れた。
見回りコースや予定を聞いた月詠は、寮のスタッフや生徒たちに情報提供すべく一旦列を離れた。
（スタッフたちも承知だろうが一応手配しておこう）
と考えている。
「しばらく任せていいかい？」
黒崎教頭が修に目配せした。共有施設を見学する時間を視察に当てようということか。
「はい」
修が頷くと、教頭は新入生の列を離れ、視察に出かけていく。
地図は持っているとはいえ、迷子になる新入生もいるかもしれない。
「生徒会の副会長を務める八神修だ。よろしく」
修は最後尾で新寮生たちを見守ることにした。
「春休みは種・苗の植え付け作業に集中するチャンスなのです！」
椿 美咲紀はポニーテールを揺らしながら家庭菜園で種まきをしていた。
庭には花たちも咲き誇っているが、菜園にも負けじと瑞々しい菜っ葉たちが青々と育っている。
「ほうれん草、小松菜は種まき時期を巧くずらすと年中取れる優秀野菜。育てるのは慣れました。えっへん」
春爛漫。暖かくて庭で作業をしていると少し汗ばむ。
タオルで汗を拭きながら、美咲紀は言った。
「植物も動物も大きくなるよー！ な季節到来感ギュンギュンなこの時期。私、大好きなの」
「本当にいい季節ですね」
隣で種まきをしているメイドの松本さんが相槌を打つ。
松本さんも植物を育てるのが好きで、とても頼りになるのだ。
「１年家庭菜園をしてきて、色々と作りたいお野菜が増えて来たのです。今年は茎ブロッコリーを新たに育ててみようと思うです」
美咲紀が宣言すると、
「では、これですね」
松本さんが育苗ポットを持ってきてくれた。
「そうそう、先に種から少し大きくなるまで育てて、苗をプランターか小さな畑に植え替える算段なのです」
満足げに頷きながら美咲紀はカメラを構える。
「新聞記事のネタに種まきの様子を写真に収めるのです」
「こちらからなら影にならずよく見えるでしょうか……あら？」
場所を移動しようとした松本さんが顔を上げた。
二人でキャッキャウフフと楽しく作業に勤しんでいたら、いつのまにか影が一つ増えていた。
「やあ。精が出るね」
「はわー！？ 黒崎先生、いつの間に来てたのです？」
思わぬ客に、美咲紀は驚いて立ちあがる。
「楽しそうだね。花も野菜も見事だ」
「ハイです、園芸とっても楽しいです！ 新聞部顧問の黒崎先生は、私の園芸好きもよく知ってるですよね。今年も更にパワーＵＰ目指してますよ！」
ただいまお茶を、と手袋を脱ぐ松本さんを教頭は制する。
「いや、続けてください。僕は他にも回るところがあるので、また今度ゆっくりと」
「そうですか。美味しいお野菜出来たらまたおすそ分けしますね☆」
「おや、カメラだね。僕が一枚撮ろう。二人とも並んで」
「まあ、私はいいですから」
「ありがとうございます。せっかくだから松本さんも撮ってもらうのです」
「そうそう、花は多いほうが華やかだからね」
美咲紀と松本さんが仲良く作業する様子をカメラに収め、教頭はにこやかに帰って行った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年05月03日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年05月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年05月10日 11時00分
