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朧月宵桜鬼譚
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●彼らの生きる道
――紅月夜は静かに更けていく。人々が立ち入らぬ聖域で世界の行く末を賭けて、一ツ鬼と二ツ鬼は火花を散らす。しかし戦力では一ツ鬼が上回り、二ツ鬼が率いる亡者の群れも、次第にその数を減らしていった。
「最期くらいは静かにしてほしいべな。こちとら静かに最期を迎えてえけども……」
世界の終わりを前にしても、
鈴野 海斗
はいつもと変わらぬのんびりとした様子で、眠たげな目を細めて呟く。頬をぽりぽりと掻きながら、彼は柔和な表情を微かに困惑させたのだが――次の瞬間には一切の迷いを見せず、群がってきた亡者を斬り捨てた。
「――あちらさんが攻め混んでくるなら、話は別だべ」
すっぱりと両断された亡者は光に包まれ浄化されていき、その間にも海斗は鬼神の如き勢いで、ひたすら目の前の亡者を叩き斬っていく。眩い光が一気に弾けていって、辺りはまるで真昼のような輝きに満たされ――海斗は光の中、刀を手に慈悲無き戦いを繰り広げていた。
「オラたちと桜を害そうとすんなら……首の一つや二つは覚悟するべ」
いつしか亡者の姿は周囲から消え去り、海斗の目の前には穢れをまき散らす二ツ鬼のみが残る。自分たちよりも余程忌まわしい、と鬼は海斗を嘲笑ったが、彼はのんびりとした態度のまま、刀を握る手に力を込めて二ツ鬼へと向かっていった。
(前は医者だったよ。だから鬼になったのかもな)
――決戦に赴く際に、
八神 修
がぽつりと零したのは自分の在り方についてのこと。黒の武者鎧に身を固めた今の雄姿からは想像出来なかったが、修は「同じだから」と言って静かに微笑んだのだ。
(患者を救う事も、亡者達の浄化も。桜を……世界を守ることも)
そう――と、その時修の言葉に頷いた
天神平 庵
は、二振りの薙刀を手に戦場を駆ける彼の姿を一瞥した後で、改めて自分の姿をまじまじと見つめていた。
ぼろぼろになった薬師の装束は、庵が命を落とした時のまま。かつては薬を用い多くの命を救って、薬済天女(やくさいてんにょ)の名で呼ばれたこともある彼女であったが――その最期は疫病が蔓延る見捨てられた地に自ら赴き、治療を続けた末に自らも病に倒れると言うものだった。
(薬師の本懐を遂げた、と思えばいいのかね)
けれど、生きていればもっと多くの人を救えたのではないか、と庵は思う。勿論、一ツ角を戴き桜を守るのも大事な使命だが、世界を守るというのは余りに漠然としていて、鬼の身であってもその手に余るような感じがするのだ。
(けれど、今はそんな事を言ってられない、か)
瞑目しつつ庵は浄化の力を霧に変え、風に乗せて大桜の周囲一帯に展開させた。力そのものを希釈したような感じだから、決定打にはならないだろうが――その力の及ぶ範囲は広大で、亡者どもを一斉に弱体化させることが出来る。実際、桜に近づくにつれて亡者の動きは明らかに鈍り始め、その隙を突いて修たちが次々に浄化を完了させていった。
「死者は輪廻の時まで安らかに眠るもの。叩き起こされて這い回るものじゃない」
――それでも仲間の攻撃をくぐり抜けて、後方に立つ庵の元まで辿り着いた亡者も存在する。しかし庵が一歩も動かないのを訝しむ前に、生ける屍者は彼女の足元に仕込まれた浄化の薬に足を漬け――一気に炎上した。
「……あたしは幾多の命を看取ってきた薬師としてそう思う」
治す方が本業だが、この状態では荒事も行わねばなるまい。そのまま護身用の短刀を、亡者の急所に突き立てる庵だったが――其処で感じた手応えに苦笑する。
「体の構造と治し方を知っていれば、体の壊し方も分かる……筈なんだけどね。はは、あたし達鬼も屍者も、とっくに生者の理から外れていたんだった」
――そう、それは海斗にも分かっていたこと。恐らく鬼の力とは違う不可思議な力を操る彼は、痛覚を麻痺させ筋力を高めて、言葉通りの戦鬼と化していた。
「なんでこの桜を守んのか、なんで戦わにゃならんのか、もうそれも思い出せんべ」
刀で切り結ぶ二ツ鬼は、そんな彼を哀れんでさえいるようだ。ありったけの力を振るい、ぼろぼろになってまで捨て身の姿勢を崩さない海斗は、守るべき理由も分からず只々戦い続けているのだから。
「……けんどもなあ、懐かしい情景が過ぎるんだべ。懐かしい声が聞こえるんだべ」
――そして霞んだ記憶が、そうしろと彼に望むのだ。
すべては、懐かしいあの情景のため。すべては、霞んだあの記憶のため。すべては――すべては、消えかけたフツウのために。
「それがたとえ、消えかけたフツウであっても守るべきだと、身体が動くんだべ」
くすんだ色の軍服を血に染めながらも、海斗は桜を背にして刀を振るう。其処へ亡者を片付けて合流した修が、二ツ鬼の刀を跳ね上げて遠くへ弾き飛ばした。
「終わらせるのが自然だって考え方も理解できる。どちらも正しいよ」
此方を睨みつける二ツ鬼を真っ直ぐに見つめ返し、修はきっぱりと告げる。それでも自分は、目の前に患者が居るなら治す。それは理屈じゃなく、自然なことなのだと。
「だから、仲間の邪魔はさせない。最後の一人が還るまで」
槍の穂先で修は一気に鬼を貫き、その刃から放たれた浄化の光が、穢れた同胞に別れを告げる。そんな中、刀を杖代わりに立ち続ける海斗へ、そっと肩を貸したのは庵だった。
「……故郷の残り香が、忘れ去られた日常の声が。またいつしかそうあるようにと……オラの身体を動かすんだべ……」
遠くを見つめながら、切れ切れに言葉を発する海斗の貌には、既に死相が表れていたから――庵はああ、と頷き、ただ彼の小さな背をあやすように撫でていた。
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担当ゲームマスター
柚烏
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月16日
参加申し込みの期限
2017年04月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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