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朧月宵桜鬼譚
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●桜守の乙女たち
あかあかと輝く満月に、ゆらりとたなびく叢雲――幽玄な雰囲気を漂わせる異世界の夜で、ひときわ艶やかなのは狂い咲く桜だった。薄紅の花弁はひらひらと何処までも舞い踊り、儚くも美しき光景を彩っていく。
――それは、ひと時の美などでは無く、永遠に続いていく筈のものであったと言うのに。生命の流転を司り、死者の魂を巡らせる力を持つ桜は今、その最期を迎えようとしていたのだ。
「う……? 私はここに来るまでに何をしていた……?」
そんな中で、
伊勢 エリカ
は桜の大木の前に佇んでいる自分の姿に気付いたが――一瞬、此処は何処で自分は何者なのか、その存在が大きく揺らいだような感覚に囚われた。しかし深呼吸をひとつして、桜の花弁に包まれている内に、段々と今の状況が呑み込めてくる。
(桜、桜……か。母は生前、桜が好きだと言っていたな)
そう――エリカの母は既に亡くなっていたが、自分の名前を付けてくれたのは母だった。しかし武士として戦い続ける中で、それもやがて忘れていったのだろう。
(……だが、今ようやく思い出せた)
未だ思い出せていないこともある気がするが、エリカは意志の強いまなざしで、視界一杯に広がる桜の木を見上げる。自分は桜の守り手として、鬼に変じた者――額から生える一角こそがその証であり、最期のときまで一ツ鬼としての使命を果たすのだと、エリカは改めて桜に誓っていた。
「桜によって巡っていった魂の中に、私の母もいるのだろうか……。巡るなど、私にはもう無縁のことではあるが」
――花弁のひとつを掌で受ければ、それは仄かな燐光を放って淡雪のように溶けていく。ああ、この悠久の営みが今宵で終わるかも知れないなど、とても想像できないが――今は使命を優先しなければならない。
「来たか――」
彼方より迫るのは亡者の軍勢と、それを率いる穢れし鬼――二ツ鬼たちだ。勇ましい鬨の声をあげる彼らは、エリカ達一ツ鬼を根絶やしにして、終末の宴を愉しむつもりなのだろう。
(二ツ鬼……使命を捨て、外道に堕ちるとは哀れなものだ)
澄んだ音を立ててエリカは刀を抜き、迎撃に向かう同胞たちの輪に加わっていった。人であった頃には武士として生き、その誇りを保ったまま戦で亡くなった彼女だ。鬼となった今も、その信念は変わらない。
「今しなければいけないことは……わかる。ならば迷うことなど無い……!」
(……そう、あなたは往くのね)
そんな勇ましいエリカの後ろ姿を見送って、
椎井 莉鳥
は密かに溜息を零した。自分の役目はあくまでも桜を守ることだと告げた彼女は、亡者の浄化を他の者に託して守備に専念する。
余り感情を表に出さない莉鳥が、言葉少なに仲間たちへ語ったのは、生前から自分は桜を守る戦士の一人であったと言う過去だった。
(でも、それだけじゃない。私が鬼になると決めたのは――)
――故郷に咲く桜の根元では、愛しい人が永遠の眠りについている。生きて添い遂げることが出来なかったその人と、交わした約束を守る為――莉鳥は鬼に転じることを選んだのだ。
(そうすることで、永遠に愛しい人と共にいられると信じたから)
と、過去の感傷に浸っている間にも、彼女の研ぎ澄まされた感覚は桜に忍び寄る敵の気配を捉えていた。はぐれ鬼が戯れに桜を狙おうとでも言うのか、相手の二角を認めた莉鳥は俊敏な動きで刀を振るい、一切の躊躇い無く急所目掛けて刃を突き立てる。
「桜の大木を狙う者は、この私が容赦なく斬り伏せるわ」
――一方、戦の最前線に身を投じた
菫青 醒夜子
は、舞うような動きで大鎌を振るい亡者たちを薙ぎ払っていた。和装が主流のこの地において、彼女が纏うのは白いシルクのシャツとクラシカルな桜色のドレスだ。それは醒夜子の生家が、海の向こうの文化を愛でていたからで――彼女も桜の木の下、今まで家族に愛され育てられてきたのだけれど。
(……忘れないわ。お家の騒動があって、私は毒を盛られたのよ)
それは突然の出来事で、何故私がと醒夜子はもがき苦しみながら、悲しみと憎しみに溺れて死んでいく筈だった。けれど薄れゆく意識の中で見上げた桜が、余りにも美しくて――自分が死んでも、彼らは永遠に咲き続けるのだと思うと、あれ程渦巻いていた負の感情が慰められていくような気がしたのだ。
(桜は、私を癒してくれる唯一の拠り所)
一ツ鬼に身は変われども、その想いは変わらない。桜の根元から這い出してきた亡者を一瞥すると、醒夜子はレースに覆われたドレスをふわりと靡かせた。
「……汚らわしい。まずは浄化をしなくては」
くるりと彼女が華麗に宙を回転すると同時、ドレスの下に仕込まれた刃が月光を受けて煌めき、その鋭利な切っ先は眼下の亡者たちを次々に貫いていく。
「還りなさい。貴方達の眠る世界へ」
其処から注ぎ込まれた浄化の力が、腐敗した屍体を一斉に消滅させ――亡者は塵ひとつ残さずに光の粒と化し、舞い散る花弁を追いかけるようにして大気に溶けていった。そうしてやがては彼らも、桜の元へと還っていくのだろう。
(私はこの世界を救いたいわけではないわ。ただ、美しいものがなくなるのが嫌なだけよ)
藍と蒼が混じりあう瞳で醒夜子が辺りを見渡せば、エリカが亡者の一体を斬り捨てた所だった。しかし亡者の群れに乗じて襲い掛かる二ツ鬼を捉えた瞬間、彼女の太刀筋が僅かに鈍る。
「外道に堕ちたとは言え、私は……そういった輩を易々と斬り捨てることはできない……!」
その迷いを敵は見逃さず、エリカの小袖が引き裂かれて宙を舞った。尚も鉤爪を振るう二ツ鬼へ、動じる素振りを見せずに醒夜子が肉薄し――一族仕込みの処刑術で以って鎌を叩きつける。足を狙った一撃と同時に、向こうの爪も此方の肩を抉ったが、それでも構わず醒夜子は一気に鬼の首を刎ねた。
「すまない、我ながら甘いとは思うが……元は同じ仲間だから、な」
消滅を見届けた後、身軽な動作で立ち上がったエリカは袴の土埃を払って呟くが、醒夜子は浮世離れした相貌で「汚れてしまったから、きれいにしただけ」だと告げる。
「私は、私にとって最も美しいものを守るためにここに立っている。それだけよ」
――そんな中でも天から舞い降りる桜の花弁は、まるで薔薇水晶のようだと少女は思った。
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担当ゲームマスター
柚烏
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月16日
参加申し込みの期限
2017年04月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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