【裏球技大会】落神多弾交叉飛球演武～後半の死闘～｜リアクション

【裏球技大会】落神多弾交叉飛球演武～後半の死闘～

＊投げ込まれたボールとおかわり（白猫組内野その２）

　もう一方のボールは庚が確保していた。
「……こいつを待っていた。瞬城！」
「わかった！」
「ふむ、どうやら狙われている気がするな」
　庚と真魚の連携をシグレは敏感に察知した。
　しかし、シグレが避けようにも真魚の後ろに庚がおり、視界が悪くてそれらが見えにくい上に、どう飛んでくるかも分からない。
「怪盗としてそのボールに捕まるわけにはいかないぜ」
　そう言って攪乱するように動くシグレだが……。
「おおおぉぉぉぉお！」
　赤い炎球が発火するかしないかのタイミングで庚は『蒼穹』を発動して真魚に向けて思いっきりボールをはじき飛ばした。
　炎上しながら赤い炎球は真魚に当たる……！
「同士討ち……いや、そんなはずはないな」
「やってやるにゃん！　ってね」
　ろっこん『キャットウォーク』でするりとボールを抜けた。
　ついでに、そのボールはシグレへの直撃コースだ。
　さらに、そのボールはろっこんによって相当速度が上がっている。
「ふふふ、残念」
　シグレはそう言ってあっさりとボールをさける。
　そのままボールは燃え尽きたようだ。
「連携失敗かぁー……」
　と真魚は残念がり。
「ちっ、外したか」
　と庚は舌打ちした。
「っと、残念だったな」
　余裕のシグレ。
　その瞬間、庚がにやりとどう猛な笑みを浮かべる。
　なぜか黒の不思議な球が庚の手元に現れたのだ。
「がっ！？」
　シグレはろっこん『怪盗補正』があったが、右肩にじりっと熱が走った。
　つまり、当たりである。
「意外と当たるもんだな……」
　庚は驚きながらそうつぶやいた。
　そんなこんなで、シグレは外野へと行ったのであった。
　そしてボールはそのまま外野を飛び越えてどこまでも飛んでいったという。
　後日、ボールを捜索しても見つからなかったらしい。

＊投げ込まれたボール（黒猫組外野　まだ、外野は入れ替わる前だよ編）

「どうしたものか」
　投げ込まれたボールをキャッチしたのは修であった。
　おっかなびっくり緑の破裂球を確保し、さぁどうするかと思案する。
「ちょいちょい」
　そんな風に悩んでいると、肩をたたかれた。
　誰かと思って振り返れば、環であった。
「ターゲットを指定してくれればやっちゃうよ！」
「あぁ、やってみようか」
　狙いをつけたのは五月である。
　ちなみに、五月は今までどうしていたかというと。
「真魚さん、いつもありがとうございますー」
　と感謝の念を口にし、ろっこん『天水分』で地面を固めたり、防御をしていたりしていたが、地面を固める方は余計荒らすだけという事態になっていた。
　ようは、たまたま近くに来ていたからこそ狙われたのだ。
「くるり」
「おわぁ！？」
　ろっこん『転』によって見事に転倒する五月。ついでに泥だらけである。
「もらった」
　そう言って、ボールを投げる修。
　緑の破裂球なので、そっと投げる修。
「うぁ！」
　あっさりと当たる五月。
　いや、これはひどい。
「やったね！　ブイ！」
「さすがだ」
　そんなこんなで、五月は外野へと行ったのであった。
　なんとも恐ろしい能力である。
　ついでにボールはマウルが拾った。

　ちなみに、天野の魔方陣は外野ではしっかりと書き込まれていたが、人が通ったりして不安定だった。
　内野はまったく進んでいない。
　また、陽二の釘は白猫組の内野（競技のフィールドの中央部分）に刺さっていたがそれいがいはまだ刺さっていない。
　ボールが来る前に修は釘の撤去を要求したが……。
「え、なんですか？　危険なのも承知して参加してるでしょう？」
　と男に一蹴された。
　死合いはまだまだ続いている……。

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