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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
キミの成長試験
部屋の時計が時を刻んでいる。
佐藤 瀬莉が時計を見ると、あと少しで約束の刻限を示す時刻になっていた。
（聞かないけど、判る気がする）
瀬莉は改めて、その古い時計を見た。
自分のろっこんは機械の心と対話する事だ。
けれど、使用する気はない。使用してはいけないと思う。
だって───
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
「今は病気が落ち着いているかもしれないけど、いつ再発するか判らないでしょう？ それに女の子が機械いじりなんて……」
朝のひと時、フランス語を学ぶ教室へ行きたいと言った瀬莉へ、祖母はそう言った。
瀬莉は幼稚園に上がる前に重い病を患い、入退院を繰り返していた。幼稚園に通った記憶はない。寝子島に引っ越してから病は治ったが、再発する可能性がないわけではない。
それに、祖母くらいの年齢だと、女の子が、というのはあるかもしれない。
───けれど、瀬莉にとって時計職人を諦める理由にはならない。
これは、Sophiaがくれた夢……違う、示してくれた生きる道だから。
時計の事をちゃんと学びたいから、スイスへ留学したい。
それには英語だけでなく、フランス語も必要で、それ以外にも留学に必要なものは積極的に取り組みたい。けど、おかあさんのおかあさん、つまりおばあちゃんが反対している。
心配、なんだろうけど───
「機械いじりじゃないよ」
瀬莉にとっては、機械いじりじゃない。
自分が見つけた生きる事そのもの。簡単じゃない。
どうしたら、解ってもらえるだろう？
「なら、あなたの本気を見せてもらいましょう」
祖母が出したのは、時を刻まない祖父の形見の時計。
夕方までに直したら、認めると言った。
生きたいと思う道を、解ってほしくて、瀬莉は時計と向かい合う事にした。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
（開けて判ったのは、中の部品の殆どが錆びているという事）
中の部品を交換すればいいと簡単には言えない。
渡されたこの時計はかなり年代物で、部品は製造終了しているだろう。入手可能かどうかが問題だ。
Sophiaを直した時とは違う。
（でも、何で錆びたんだろう？ 水に漬けたみたい）
防水機構がない時計だと判らない人が持つ時計ではない。
何故こうなったのか。
懸命に向き合い、ある事に気付いた。
（きっと、おばあちゃんを助けたからだよね）
気付いたそれに小さく笑うと、瀬莉は全身全霊を懸けて「修理」する事にした。
そして、約束の刻限───
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
瀬莉は祖母へ時計を差し出した。
「綺麗に磨いてくれたみたいだけど、動いてないわよ？」
「おばあちゃん、裏を見て」
瀬莉に言われ、祖母が腕時計の文字盤の裏を見る。
───Je suis heureux avec toi.
「おじいちゃんのおばあちゃんへの想いだと思って。部品を変えればこの時計は動くけど、この時計はこのままのほうがいいと思う。だって、おじいちゃんの想いは、錆びた部品全部に詰まってる。交換したら変わっちゃう」
時計を壊す事なく開けて確かめ、元に戻した。
部品の製造は終了しており、簡単に手に入らないのと気付けた。
その上で判断を下せたのは───
「私の負けね」
祖母はその文字をなぞり、苦笑した。
『君と居ると幸せだ』
フランス語を学んでいたから知る事ができたおじいちゃんの想いが、おばあちゃんを動かした。
瀬莉は、そんな気がした。
（いつか、時計職人になったら）
時を超える想いを渡せる時計を誰かに届けたい。
それが、見つけた生きる道。
◆◆◆◆ ◆◆◆◆
時が刻む様に。
いつだって、「キミ」は成長している。
佐藤 瀬莉が時計を見ると、あと少しで約束の刻限を示す時刻になっていた。
（聞かないけど、判る気がする）
瀬莉は改めて、その古い時計を見た。
自分のろっこんは機械の心と対話する事だ。
けれど、使用する気はない。使用してはいけないと思う。
だって───
「今は病気が落ち着いているかもしれないけど、いつ再発するか判らないでしょう？ それに女の子が機械いじりなんて……」
朝のひと時、フランス語を学ぶ教室へ行きたいと言った瀬莉へ、祖母はそう言った。
瀬莉は幼稚園に上がる前に重い病を患い、入退院を繰り返していた。幼稚園に通った記憶はない。寝子島に引っ越してから病は治ったが、再発する可能性がないわけではない。
それに、祖母くらいの年齢だと、女の子が、というのはあるかもしれない。
───けれど、瀬莉にとって時計職人を諦める理由にはならない。
これは、Sophiaがくれた夢……違う、示してくれた生きる道だから。
時計の事をちゃんと学びたいから、スイスへ留学したい。
それには英語だけでなく、フランス語も必要で、それ以外にも留学に必要なものは積極的に取り組みたい。けど、おかあさんのおかあさん、つまりおばあちゃんが反対している。
心配、なんだろうけど───
「機械いじりじゃないよ」
瀬莉にとっては、機械いじりじゃない。
自分が見つけた生きる事そのもの。簡単じゃない。
どうしたら、解ってもらえるだろう？
「なら、あなたの本気を見せてもらいましょう」
祖母が出したのは、時を刻まない祖父の形見の時計。
夕方までに直したら、認めると言った。
生きたいと思う道を、解ってほしくて、瀬莉は時計と向かい合う事にした。
（開けて判ったのは、中の部品の殆どが錆びているという事）
中の部品を交換すればいいと簡単には言えない。
渡されたこの時計はかなり年代物で、部品は製造終了しているだろう。入手可能かどうかが問題だ。
Sophiaを直した時とは違う。
（でも、何で錆びたんだろう？ 水に漬けたみたい）
防水機構がない時計だと判らない人が持つ時計ではない。
何故こうなったのか。
懸命に向き合い、ある事に気付いた。
（きっと、おばあちゃんを助けたからだよね）
気付いたそれに小さく笑うと、瀬莉は全身全霊を懸けて「修理」する事にした。
そして、約束の刻限───
瀬莉は祖母へ時計を差し出した。
「綺麗に磨いてくれたみたいだけど、動いてないわよ？」
「おばあちゃん、裏を見て」
瀬莉に言われ、祖母が腕時計の文字盤の裏を見る。
───Je suis heureux avec toi.
「おじいちゃんのおばあちゃんへの想いだと思って。部品を変えればこの時計は動くけど、この時計はこのままのほうがいいと思う。だって、おじいちゃんの想いは、錆びた部品全部に詰まってる。交換したら変わっちゃう」
時計を壊す事なく開けて確かめ、元に戻した。
部品の製造は終了しており、簡単に手に入らないのと気付けた。
その上で判断を下せたのは───
「私の負けね」
祖母はその文字をなぞり、苦笑した。
『君と居ると幸せだ』
フランス語を学んでいたから知る事ができたおじいちゃんの想いが、おばあちゃんを動かした。
瀬莉は、そんな気がした。
（いつか、時計職人になったら）
時を超える想いを渡せる時計を誰かに届けたい。
それが、見つけた生きる道。
時が刻む様に。
いつだって、「キミ」は成長している。
あとがき
担当マスター：
幸村
ファンレターはマスターページから！
担当マスターの幸村です。
二度目のシナリオにご参加くださった皆様、有難うございました。
皆様それぞれの試験の結果は如何だったでしょう？
成長している軌跡を感じて頂けたら、嬉しいです。
来年の今頃はもっともっと成長できますようにと思って、書かせて頂きました。
またお会いする事があったら、宜しくお願い致します。
二度目のシナリオにご参加くださった皆様、有難うございました。
皆様それぞれの試験の結果は如何だったでしょう？
成長している軌跡を感じて頂けたら、嬉しいです。
来年の今頃はもっともっと成長できますようにと思って、書かせて頂きました。
またお会いする事があったら、宜しくお願い致します。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年03月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月27日 11時00分
