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花粉撃退大作戦
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【4】切り倒す
そして。
かなりの枝と花が切り落とされ、あたりの空気が晴れ渡り始めたころ。
ブシュッ! ブシュシュシュシュ~ッ!!
残った枝から、そんな音と共に凄まじい分量の花粉が噴き出され始めた。
もはや、マスクもゴーグルもなんの役にも立たない。
全員が、くしゃみを連発しながら涙を流し続けていた。
「小麗ちゃん、危険だから梯子から降りた方がいいよ!」
くしゃみをしながら、梯子を押さえていた若菜が上に向かって叫ぶ。
「そ、そうするのだ!」
答えて、必死にくしゃみを我慢しながら小麗はできるだけ素早く梯子を下りる。
美咲紀も同じく、脚立から降りて来た。
「……ヒノキから、離れた方がよくないか?」
ようやくくしゃみが止んで、修が武道に声をかける。
「俺も今、そう思った」
鼻をすすりつつ、武道がうなずいた。
そんな中、刀は用意して来た斧を片手に、覚悟を決めた。
頭の中で、撃鉄を落とす。途端、彼のろっこんが発動して、彼は加速した。
そのスピードに乗って、彼は凄まじい早さでヒノキの幹に斧を何度もふり下ろす。
ろっこんの効果が消えると、彼はまた頭の中で撃鉄を落とした。
(切り続ければ、必ず切り倒せる! 止まるな、止まったら終わりだと思え!)
自分で自分をそんなふうに叱咤激励しながら、彼は加速しては斧でヒノキの幹を切りつけ、効果が切れてはまた加速するといった行動を繰り返す。
だがそのうち、呼吸が苦しくなって来た。マスクをしているせいだ。
(これ、鍛錬だったらいいんだけど、この状況はまずい……!)
彼は脳裏に叫ぶ。たぶん、このままでは窒息して動けなくなってしまうだろう。
覚悟を決めて、彼はマスクをはずした。
「うをっ!」
途端に周囲に漂うヒノキの花粉に反応して、鼻水があふれ出す。同時に目や喉の奥が急激に痒くなって来た。
だが彼は、それでも加速して斧をふるうのをやめない。
そんな彼に、一同はただあっけに取られて立ち尽くすばかりだ。
刀の動きは早すぎて、彼らの目には何をどうしているのか、見ることさえできない。ただ、あたりに響く音から、刀が斧をふるっているのだと想像するばかりだ。
と、ふいに。
ボンッ!
ヒノキの上の方から、破裂するような音が響いた。
「何、今の音……」
「もっと花粉が噴き出して来るのだ?」
思わず手を取り合って頭上を見上げ、若菜と小麗が声を上げる。
「……気づかないか? 花粉の噴き出す音が止んでる」
それへ小さくかぶりをふって言ったのは、修だ。
たしかに、いつの間にかブシュブシュいう音は聞こえなくなっていた。
武道が、少し離れてヒノキを眺める。
「花粉の噴出は、止まったみたいだね。……けど……」
何か妙だと首をかしげた。
一方、刀はそうしたことに気づかず、まだ斧をふるい続けている。
「刀くん、ストップ。もう充分だ」
武道が、声をかけた。
それでようやく、刀は動きを止める。
「刀君、すごい状態だよ。……はい、ティッシュ」
刀の惨状に、若菜が言ってポケットティッシュを差し出した。
「……ありがとう」
礼を言って刀はそれを受け取り、鼻水やら涙やらを拭う。
その彼らの傍らで、ヒノキはふいに凄まじい音と共に、横倒しになった。
幸い、そちらには誰もいなかったので問題はなかったが、あたりの草木がなぎ倒され、いまだ黄色く濁った空気が激しくかき乱されて、一同は再びくしゃみに見舞われた。
それが収まってから、彼らは倒れたヒノキの傍に歩み寄る。
ヒノキは、刀が斧をふるったために倒れたわけではなかった。
いや、たしかに刀が斧で切った部分にも深い亀裂が生じていたが、それは太い幹の半分程度のものだった。
そうではなく、ヒノキは根の部分から横倒しになっていたのだ。
その剥き出しになった根を見て、美咲紀が呟くように言った。
「根が、腐ってしまっているのです。……このヒノキは、私たちが来た時には、死にかけていたということです」
「つまり、根が朽ちて倒れた、ということか?」
武道が、同じように根を見下ろしながら、尋ねる。
「そういうことなのです」
うなずく美咲紀に、傍から修が言った。
「もしかしたら、このヒノキは自分の死期を悟って、子孫を残すために必死に花粉をふり撒いていたのかもしれないな」
「その必死の想いが、神魂の影響でこんな巨大化したり、花粉を噴き出したりするようになったのかも……」
じっと倒れたヒノキを見下ろしながら、瀬莉が呟く。
「そういうことも、あるかもだな」
「ああ」
武道と刀も、同じようにヒノキを見下ろしながらうなずく。
「……そんなふうに考えると、なんだか可哀想な気もするね」
「うん。植物だって、生きたい気持ちは同じなのだ」
若菜の言葉に、小麗もしんみりと返した。
そんな仲間たちの言葉に、修が呟くように言う。
「もっと早くこの木が死にかけていることに気づいていたら、挿し木で増やしてやることも、できたのにな。……意志疎通が可能なら、そういう約束もできた」
「挿し木は、いい案なのです。時期的にも今なら、ちょうどいいですし」
彼の言葉に、美咲紀は小さく手を打ちあわせた。
「私、いくつか枝を持ち帰って、挿し木してみるのです。根は朽ちていても、枝は大丈夫かもしれないです」
「挿し木って……この木を新しく育てるようなものよね? また、すごく大きく育って、花粉をまき散らしたりしないかしら」
春香が顔をしかめて尋ねる。
「巨大化や花粉噴出が、このヒノキの想いに神魂が影響したものなら、問題ないと思うな☆ 赤ん坊には、『死にかけてるから子孫を残そう』なんて考えはないだろ?」
武道が、軽い口調で答える。
「あたしも、そう思う。……きっと、大丈夫じゃないかな」
横から、瀬莉も言った。
「そう……よね。うん、大丈夫よね」
自分を納得させるようにうなずく春香に、「大丈夫なのです」と返して美咲紀は挿し木用の枝を物色にかかるのだった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月21日
参加申し込みの期限
2017年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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