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寝子島高校
背中の翼を大きく広げて
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■翼がはえたから、今日はバカンス
朝起きたら翼が生えていた、なんて経験はおありだろうか。
もしくはそんな空想をしたことはあるだろうか。
空想にかけては右に出る者は居ないといわれる
椿 美咲紀
も、そうそうこんな空想はしないものだが……。
「どおりで、ベッドのなかでなにかもぞもぞすると思ったのですよ」
シーツの上で目をごしごししつつ、背中にはえた天使のような翼を叩いた。
案外落ち着いているように見えるが、じつは大興奮である。
鳥のそれと同じように、翼に手を触れてみればやわっとした独特の感触があった。
血の通った部位なのか、それともモトからそういうものなのか、骨組み部分はほんのりと暖かい。
そのうえ翼に触れている自分の手の感覚もまた、なんとなあく感じることができた。
これがコスプレアイテムなどではなく、ちゃんとした自分の部位なのだとわかる。
ベッドサイドのアイテムや庭の花を壊さないようにと広い部屋に行って、翼をバッと広げてみる。
その際両腕を広げて胸を張るのは、なんとなくだ。気分だ。
「むふー……」
なんかこのポーズをしているだけで満足できてしまいそうだが、この世には『折角だから』という言葉もある。ここはひとつ羽ばたいてみようではないか。
「周りのものを壊さないように、そうっとそうっと……」
ばさばさっと翼を動かしてやると、美咲紀の踵が地面から浮き上がった。
足が付かない状態というのはなかなか落ち着かないもので、最初は両手両足をばたばたさせてしまったが……やがて自分の翼が空気の塊をかいて浮き上がっている感覚が安堵をもたらした。
プールで泳ぐ感覚だ。背中の後ろに別の腕があって、それを使って独特の泳ぎ方をしている……そんなカンジだ。
つまり、多少頑張れば自分はこのまま空を飛べるということだ。
「素晴らしいのです! そうだ、シューくんに教えてあげましょう!」
美咲紀は早速電話機をとりに走った。
八神 修
という少年にとって、飛行することはそれほどスペシャルなできごとではない。
ハングライダーやスカイダイビングといった浮遊感を味わう手段はいくらでもあったし、なんならこれまでに単独での飛行訓練をしたことだってある。
もしかしたら、背中に翼がはえることですら、彼にとってスペシャルではないかもしれない。
けれど。
「俺に白い翼、か。悪くないかな」
たとえそれがごく普通のことであったとしても、修は日常を楽しむコツを知っていた。
腰掛けていた屋根のてっぺん。
立ち上がり、ぱしぱしと砂を払う。
斜めになっている部分を小刻みに走り、まるで飛び降りるかのようにジャンプ。
開いた翼が圧倒的な空気を受け止め、身体が後ろにぐいっと引っ張られる感覚になる。
羽ばたくは今だ。圧力をそのまま包み込み、下向きに払うようにして翼を羽ばたかせる。
すると修の身体は大きく浮き上がった。羽ばたきを連続させてやれば、まるで空を泳ぐように上昇していける。
高度を得たらあとは落ちるだけだ。
どこかの映画に、格好つけて落ちているだけなんて言葉があった気がするが、まさにそれだ。翼で風を受け止め、船で水面を進むかのように前へ移動する。
空気とは何も無いようでいて、粒の集まりなのだ。極端に言えば水泳と同じ感覚で空を飛ぶことだってできる。
「慣れれば楽しいものだよな。おっと」
ポケットの中で電話機が震えている。
修ははばたきによるホバリングで安全に着地すると、電話機を取り出した。
通話の着信だ。相手は美咲紀。
修はこの先の展開を予測しながら、応答ボタンをタップした。
優秀な人間はあらゆることを効率化できる。
勉強も仕事も、生活サイクルも人生さえもだ。
修が優れているのはそういうところなのだが……時として優れていないほうがいいと思うようなときだってある。
それが、美咲紀の突拍子の無い発想を聞くときだ。
「翼がはえたので、ピクニックにいくのです!」
空を飛ぶのでも。
今まで行けなかった場所に行くのでもなく。
バスケットにお弁当を詰めて、二人でピクニックに行こうというのだ。
美咲紀は翼をはばたかせ、修の横を飛んでいた。
「それにしても、なぜピクニックなんだ?」
「だって」
にっこりと笑う美咲紀。
「なんだかとっても、トクベツって感じがするからなのですよ」
「…………」
日常。誰にでもある、日常。
朝起きてご飯を食べて、学校に行って勉強をして、帰ってまたご飯を食べて、やがて眠る。
繰り返されるサイクル。
たまに変化を求めて山へ行ってみたり、マシュマロをたき火で焼いてみたり、お泊まり会を開いてみたりしたけれど……どこまで行ってもそれは日常だ。
しかし今。
背中に翼があるという、きわめて決定的な非日常のなか、それを日常として享受しようというのだ。
あまりに特別で、あまりに尊い時間では無いか。
「シューくん」
少しだけ前にでて、美咲紀が振り返る。
「なにか私に言ってもいいのですよ?」
促すような彼女の口調に、修は苦笑した。
「似合ってるぞ」
「シューくんもかっこいいのです!」
寝子島の端の、ほとんど人がこないような原っぱに降り立った。
大地に足をつけているのに、空が近く、海が低く感じた。
雲は手の届かないものじゃない。
海は行く手を遮るものじゃない。
どこにでもいける自由。
それをもってして、二人はビニールシートを引いてお弁当を広げた。
「ねえシューくん、ここからだと塔がよく見えますね」
「そうだな……」
二人はサンドイッチを手にとって、のんびりと風を浴びた。
原っぱを撫でる風が、髪をもなでてゆく。
今翼を広げたら飛べるだろうけれど、二人はあえてそれをしなかった。
小鳥が、もしくは天使がそうするように。
自由で特別な時間を、静かに安らかに、過ごすのだ。
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あとがき
担当マスター:
青空綿飴
/
豚野郎
ファンレターはマスターページから!
このたびは豚野郎マスター(すごいなまえですね!)の代筆を勤めさせて頂きました、青空綿飴でございます。
豚野郎様の空気感や世界観を期待した皆様に少しでもご満足いただけるように書かせて頂きました。
どうぞごゆっくり、翼のお話をおたのしみくださいませ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青空綿飴
豚野郎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月09日
参加申し込みの期限
2017年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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