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背中の翼を大きく広げて
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■悪戯心に翼を授けて
朝、
新田 樹
が着替えていたときにそれは起こった。
「あれ、翼がはえてる」
鏡に向けて翼を広げてみせる樹。普通の人なら気が動転するところだが、そこは慣れというものだった。
軽くばっさばっさとやってみれば、思ったように風がおこる。
少し強めに動かしてみれば、身体が浮き上がりもした。
「へえ、飛べるんだ。他に何が起きてるわけでもなさそうだし……」
この翼でしなければいけないこともない。
いつまで生えているかもわからない。
言ってみればこれは、日常に与えられたフシギと言う名のバカンスだ。
「面白そう。ちょっと外に出てみよっと!」
樹は押し入れを開けて、あれやこれやを取り出した。
お外に出るに当たって樹がまず用意したのはヘルメットだ。
飛んだ拍子になにかに頭をぶつけたら危なかろうという、樹なりの配慮である。
次に用意したのがゴーグル。
風で目をあけられないという状況や、飛んでいる最中になんらかの理由で目が開けられなくなったらマズイという……これもまた安全対策だ。
でもって、固定式のカメラも用意した。
なんとなくお察し頂けるかもしれないが、ここまでの装備はハングライダーやスカイダイビングに用いられる装備だ。
樹は翼の生えた現状を、お空のスポーツとしてとらえたのだ。
まずはこの状態で試運転。
走ってジャンプして、翼をばさっとやって上昇してみれば民家の屋根に軽々と登ることが出来た。
逆に屋根から飛び降りて風を翼で受けてやれば、反動で大きく飛び上がることだってできる。
気流に乗れば無理に翼を羽ばたかせなくてもよいようで、風向きさえよめれば本土にだって飛んで行けそうだった。
が、そのまえに。
「どうにも、飛んでる時の私ってみんなから見えてないみたいなんだよね」
ちらりと、樹の悪戯心が顔を覗かせた。
大きく飛び上がり、島を歩く帽子のおじさんをロックオン。
「それっ!」
勢いよく降下して、風を受けながら地面すれすれを飛んで急上昇。
巻き起こった風がおじさんの帽子をぶわりと舞い上げた。
「わっ、すごい! ごめんねおじさん!」
樹は帽子をキャッチしてやると、おじさんの上に落としてやった。
一連の動作をした樹が見えなかったおじさんは、突然の風になにがなんだかという顔で帽子をキャッチしていた。
悪戯心もおちついて、今度は冒険心がわき上がった。
「ネットの衛星写真みたいにぐーっと高く飛んでみよっと。リアルで楽しいかも」
ばさばさと翼を動かして、どんどん高度をあげていく。
元々知っていたはずの寝子島の風景が、まるで見たことの無いもののようにすら思えた。
「すごいな。寝子島って、こんなに綺麗にも見えるんだ……」
樹はもう暫くの間、この光景を独り占めにすることにした。
■空気の妖精
妖精が飛んでいた。
誰にも見えない妖精が、夕暮れ時の空を飛んでいた。
彼女の名は
三宅 葉月
。
一日だけ、妖精になった少女だ。
星ヶ丘寮の一室に朝日が差し込んでいる。
カーテンの隙間を割るように、暖かな空気を可視化させたかのように、一筋の光がさしている。
光はベッドの脇をさし、美しい手が掛け布団のはじからのぞいていた。
白くすきとおった、陶器の芸術品めいた手。
その手がなにかを探って、そして止まった。
布団をはいで、起き上がる。
手から想像するに難くない、芸術品のような少女であった。
だが彼女を真に『芸術品のような』と言わしめるのは、彼女の背に生えた美しい翼である。
「……」
おや、という顔で自らの背中についた翼へ振り返り、そっと指で撫でる葉月。
翠のつやをもった黒い翼だ。遠い南国の鳥や、神話に語られる天使や、はたまた美術館に飾られたなにかを思わせる色と形。
葉月は手に伝わる感触と、鏡に映るその異様な翼が嘘では無いことを確かめて、そして小さく息を吐いた。
仕方なしにと諦めた吐息か。
それとも美しさについたため息か。
それとも、もっと別の……。
ひらひらとしたコンサートドレスのような服を着て、葉月は早速バルコニーへ出た。
天気は快晴。太陽の光が目をやくほどに強い。
まばらな雲も、青い空の幕も、いまや見上げるだけのものではない。
葉月は翼をめいっぱいに広げて、飛び立つ準備をはじめた。
ばさり、ばさり。羽ばたくたびに身体が浮き上がり、風があたりをまいていく。
はためくカーテン。飛んでいく木の葉。
そして葉月はひときわ大きく羽ばたいて、空へと飛び出していった。
翼に感じる風の圧力と、身体全体へしなるように伝わる一体感が、葉月に飛行への確信をもたせた。
風という風が身体を抜けていき、翼がそれを包むようにして払っていく。
それがさらなる力となって自らを上昇させ、前へ前へと進めていく。
葉月も飛行機の原理は知っていたが、翼を自らの手足のように扱えればこうも簡単に空を飛べるのだろうかと考えた。
否、この翼自体がもはやフシギの産物。深く問うこともあるまい。
ただただ、まるで夢のように訪れたこの時間を楽しむのだ。
翼を広げ、風に身を任せる。
寝子島の上空をまわる風は、葉月の身体を高速で、しかしどこかゆるやかに空へと留まらせた。
大きな大きな旋回飛行。しかし遠くなった寝子島の風景はほとんど動くこと無く、本土の風景や広い海や、そのずっとむこうにある大陸が見えた。
太陽はいまだ遠く、海をまぶしく乱反射させている。
それでも近いからだろうか、どこか照りつけるように身体があつかった。
イカロスの翼が溶けて落ちるのも納得である。
けれど葉月の翼は蝋でかためた偽りの翼なんかではない。
彼女からうまれた、彼女だけの翼だ。
だからいつまでも、いつまでも、太陽の色が変わるまで、彼女は空を飛んでいた。
もしそんな彼女を見ることができた者がいたなら、きっとこう述べたことだろう……。
妖精が飛んでいた。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月09日
参加申し込みの期限
2017年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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