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背中の翼を大きく広げて
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■だれかの恋と、わたしの恋
鳥の声。揺れるカーテンとたわむ光。
木漏れ日の草地にも似た、どこかすこし暖かい絨毯の上で、
嘉島 和穂
はある一点を凝視していた。
手元の皿に置かれたダーツをやわらかく手にとって、矢の全体を自らと一体化させる。フライトからティップまで、もはや自らの指先だ。
まるで機械のように正確に、しかし生き物のように熱く、鋭くダーツを放つ。
空気の中を泳ぎ、まるで吸い込まれるように的へと突き刺さる。
ただ小さな矢をもって投げるだけでは済まされない。膨大な集中とカロリー。緊張から開放された和穂は、おおきく肩を下げて息をはいた。
「よし、今朝もいい感じ」
ダーツは平常心のスポーツだと言われることがある。毎日続けることで己のコンディションの幅を知り、試合の際にもできるだけ高い能力を発揮することが必要だ。
そう、いついかなる時もダーツを握れば心を平らに保つことが出来――。
鏡に映った自分に翼がはえていた。
「――!?」
三度見、というのを生まれて初めてやったかもしれない。
持っていたダーツを思わず落とすというのも、もしかしたら初めてかもわからぬ。
そもそも背中から翼が生えていた経験がないので、誰でも似たようなリアクションになるのかもしれないが……。
「ど、どうしよう。外せない……よね?」
姿勢確認用の鏡を前に、くるくるとやったり翼の根っこをつかんで引っ張ってみたりした。
どうもただの翼というワケじゃなく、なんだかほんのり暖かい。その上どくどくと血が通っているように思える。たまにぴくりとも動く。
もしやと思って肩甲骨と背中の間の……なんだ、こう、言いしれぬどこかを意識する要領で力を込めてみると、翼がぶわりと広がった。
「もしかして……これ、飛べるの?」
人間は切り替えられる生き物である。
翼が生えて、それが動かせるなら、まあ一旦飛んでみてもいいかなと思えてしまうし、そのままお家を飛び出してみることだってある。
それが自宅のベランダであったことも、落ちたら痛いじゃすまなそうな高さだったことも、もはや別問題だった。
ご想像いただけようか。
ベランダに抜けるガラス戸をどこか窮屈そうに抜け、ベランダの手すりから天井までのごく僅かな隙間によじ登る。
背中の翼を天井にぶつけないように身体をぐっと前に倒し、重力で外にひっぱられるさなか、足を突っ張って外へと飛び出すのだ。
本来落ちるはずの身体は風を翼でとらえ、揚力をもってたわむ竹のような軌道を描き空に舞い上がっていく。
空を飛ぶ自分も、その翼も、誰にも見えてはいないようだ。
ひとしきり空の風と空気をあびてから、ポケットに手を入れる。
得意のダーツを握り、空をゆく。
『標的が視界に入れている人に対して、元から抱いている好意的感情を一時的に増幅させる』という、まるで恋のキューピットのようなろっこん能力を、いまこそ使うのだ。
翼のはえた今ならば、きっととっても、お似合いだろうから。
「久しぶりに頑張っちゃったなぁ」
夕暮れ。ビルの屋上。ほおづえをついて眼下をゆく小学生の男女を見やる。仲むつまじく手を繋ぐ赤と黒のランドセル。
「私、うまくできたかな」
つなぐことはできても、永遠につないであげることはできない。
恋が恋のまま終わることも、それが愛や天命に変わることも、その人次第なのだ。
その人次第。
自分は、どうだろうか。
つながったとき、自分は、それを恋から何に変えられるだろうか。
「ちょっとだけ、会いに行ってみようかな」
和穂は立ち上がり、そして飛び立った。
白い羽根が、屋上にはらりと残される。
■ナイトウィング
時計の表示が深夜を示すころ、光のささぬ冷たい部屋。
奇妙におおきく膨らんだ布団の中で、
絹織 真由良
はうーんと寝苦しそうに唸った。
不思議な感覚がするのだ。
背中に硬い毛布が挟まったような、寝返りをうとうにもうてない狭っ苦しさがあるのだ。
うっすらと目を覚まし、枕元のライトを手探りした。
しばしぱたぱたと手を動かしたところで、スイッチに手が触れる。
部屋が淡く照らされ、真由良の姿が露わになった。
起き上がる。
リュックサックでも背負ったような重みが背中にあった。
「なんだ?」
眠い目をこすって振り返ると。
灰色の翼がはえていた。
「――」
流石に目も覚めようというものである。
背中に翼が生えた経験のある方は、おられようか?
もしくは自らに翼がはえる空想をしたことはあろうか。
思春期の空想のひとつとしてもはや定番ともいえる飛行ではあるが、その最たるものは――。
「ベランダから飛び立つ!」
本来自殺願望でもないかぎり乗り越えないベランダの手すりへ、踏み台を使って軽やかによじ登る。
屋根の縁に頭をぶつけてしまわないように、よじ登った勢いそのままに身体をがくんと前に倒した。
翼が動くと知って大きく羽ばたいた時、うっかり天井に頭をぶつけてしまったものである。その経験を活かして翼をただ広げたまま、ついでに両腕も広げ、まるで自由落下にまかせるがごとくベランダから落ちる。
そう、落ちる。
重力は身体を大地へと引き、その反動で風が自らを抜けていく。されど広げた翼は風をとらえ、受け流すまでの流動によって揚力を得て大地すれすれで上昇を始めた。
タイミングは今だ。大きく翼を羽ばたかせ、上向きの気流を掴んで身体を持ち上げる。
一気に高度は増し、家の屋根すらも遠くなった。
寝子島の、星ヶ丘寮の夜景が小さくなっていく。
「おお~、飛んでる飛んでる!」
普通はこんな高さに立てば恐怖がわき起こるものだが、真由良のメンタルはむしろ自らが飛行しているという事実への高揚が勝っていたようだ。
更に翼をはばたかせ、滑空によって町の空をゆく。
「このまま、夜景でも見に行くか」
どこへゆこう。
寝子島の夜景が一番綺麗に見えるのはどこだろう。
それともいっそ、大空から見下ろしてやろうか。
真由良は夜風と一体になりながら、そんな風に考えた。
夜の海は黒くて広い。その有様に恐怖する者もいると聞く。
一方で真由良は、寝子島の空から見渡した広い広い海の有様に、より大きな高揚を感じていた。
たとえばこのまま海に乗り出して、翼をはためかせながら飛んでいったらどこまで行けるのか。
大陸という制限をなくした自分に、もはや海は境界のていをなさない。
高い壁も、遮り立つ人々も、もはや真由良をとめられはしない。
これが自由というものなのだろうか。
翼に象徴される、自由という……。
「ま、今は……」
真由良は島の端でターンをして、眼下に広がるちらほらとした光を見た。
今は、ここで良い。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月09日
参加申し込みの期限
2017年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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