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be enjoy lunch time
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■ある屋上の300秒
雲が泳いでいるではないか。
どこか遠くを走る自動車のエンジン音と、空をゆく小鳥の声。
昼休みはじめの五分ほどは、屋上のベンチは静かなものだ。
このうちに菓子パンを黙々と食べきってしまうのが、
逢坂 魁
における日課である。
まるで飲み込むように食事を終え、背もたれがわりのフェンスによりかかる。
屋上はいい。何もないようで、すこしだけ何かがある。
ぼうっとするには丁度いい環境だった。
垂らしたままのくにゃっとした前髪が、三月のまだすこしばかり冷たい風に流れていく。
うっとうしそうに、しかし面倒くさそうに放っていると、背もたれ代わりのフェンスがきしんだ。
「よ、どうした。昼飯抜きか?」
隣に座った
斎賀 藤馬
が、テーブルにリュックサックを下ろした。
リュックサックである。
「藤馬か。……俺はもう食べた」
ポケットに手を入れる。空になった菓子パンの袋がくしゃりとなった。
「そっちはピクニックか」
「屋上にピクニックしにくる奴がいるかよ」
「じゃあキャンプだ。まさかリュックサックの中身が全部弁当だなんて言わないよな」
藤馬は少しだけ目をそらした後、リュックサックに手を突っ込んで弁当包みを取り出した。
取り出して、魁の前に置く。
「これはお前のぶん」
「……」
魁からえもいえぬ視線を受けて、藤馬は手を翳した。
「か、勘違いしないでよね! 作りすぎただけなんだからね!」
「わかった」
「そこはツッコミをいれろよ! なんかお前に気があるみたいじゃんかよ!」
「気を遣ってくれてるのは事実だろうに」
「こいつ……!」
拳をわなわなさせる藤馬をよそに、魁は弁当包みを開いた。
タコさんのウィンナーやらウサギさんのリンゴやらが詰まった可愛らしいお弁当箱である。
渡す相手も作る人間もなにもかもが間違っている、ように思えた。
これはあれだよ。指に絆創膏巻いた後輩女子がワイルドな先輩にあげるやつだよ。弁当箱に愛が詰まっているよ。
けどこれそういう話じゃあないんだ。期待した大きな少女たちはすまないが帰ってくれ。また来てくれ。
「悪いな」
食事を面倒くさがる魁といえど、さすがに包みごと差し出された弁当箱をむげにするような育ちはしていない。
箸を借りてウィンナーをつまみあげた。
「しかし、いつも俺の隣にくるな。いいのか、それで」
「それ、『友達いないのか』って意味か?」
「そういう意味じゃ無いんだが……俺と食べても楽しくないだろうに」
「ああ、そりゃきみ――」
言いかけて、藤馬は口を自らの口を塞いだ。視線を空になげかける。
「誰と食べても楽しいもんなんだよ、こういうのは」
「そういうものか」
「そういうもんだ」
魁が弁当箱の中身をしげしげと眺めている。
栄養効率についてぶつぶつと言っているが、ウサギ型に整えたリンゴに効率的な意味があるとは思えない。真面目なやつだなあと思いながら藤馬は自分の弁当箱を取り出した。
改めてリュックサックの中を見る。
重箱が入っていた。
重箱である。
三段重ねである。
運動会の日でもないと学校に出現しないようなアイテムである。
何を思ったか極端に料理を作りすぎてしまった結果の産物である。確実に昼食が足りてないであろう魁に食べさせたはいいが、よほど無理しないことには三段重ねの重箱が無くなるとは思えない。
「いっそ配るか。配って歩くか……」
「なにか言ったか?」
「いやなにも」
真顔で返す。精一杯の見栄である。
しかし見栄を一日以上はるわけにはいかない。昼休みが終わる前に、最低でも放課後までには重箱の中身を有効活用しておきたい。もったいないことにはしたくない。
もういっそ腹を空かせた誰かが突如迷い込んでくれはしないか。
などと思っていると……。
「や、相席いいかな」
テーブルの向かいに
八神 修
が現われた。
横には
椿 美咲紀
と
新田 亮
。
見回すと、他のテーブルは大体人で埋まっていた。
座るところがなくて困っているのだろう。なに、こちらのテーブルは半分も空いているのだ。もったいないことにはしたくない。
チャラチャラした見た目に反して主夫気質の藤馬である。
しかし隣の魁がどう思うか……。
顔をうかがってみると。
「あ、どうも」
前髪をつまんで小さく頭をさげていた。
なんだか社会人みたいな反応だった。今にも名刺交換を始めそうな堅さである。
「そんなにかしこまらなくていい。同学年だろ? 楽にしてくれ。俺は八神」
「ああ……そうだったな。ありがとう。逢坂だ」
なんだか見慣れない横顔だ。
思えば修は生徒会の副会長だった。バッジを見るに同学年なのだが、妙に目上の雰囲気が出ていたのだ。魁もうっかり先輩扱いしてしまったらしい。
「ありがとうな、この際だから立ち食いになるかと思ってたところなんだ」
小ぶりな弁当箱を掴んで椅子につく亮。
「折角いいお天気なのですから、お外で食べたいのは皆いっしょなんですねー」
いそいそと弁当箱を開いて手を合わせる美咲紀。
おや。もしやこの人たちに作りすぎた弁当を配るというのもアリなのでは。
しかし迷惑になってはいけない。まずは相手の様子をうかがって空気を読まねば……。
新田亮は割と普通の高校生である。少なくとも自分はそう思っている。
強いて言うなら妹のくじ運が『悪い意味で良い』ので、時折困ったことになるというくらいだ。
「新田、わかめご飯か。美味しそうだな」
「そうだろう。俺も初日はそう思ってた」
「初日……?」
覗き込んだ修が片眉をしかめる。
弁当箱の蓋をあけていく。わかめご飯に続きましてわかめの佃煮、ゆでわかめ、キュウリとわかめの漬け物にわかめナムル、ついでにわかめを混ぜた卵焼きにわかめサラダが加えられていた。
覗き込んでいた修や美咲紀、向かいにいた魁や藤馬までも表情を曇らせていった。
「……親戚に漁師でも?」
「だとしたらえらい嫌がらせを受けたもんだな」
亮は頭を抱えた。
「妹が懸賞で。まあ、今はいろんなわかめ料理が食べられて楽しいんだが」
「それは……おめでとう?」
祝っていいのか悪いのか、複雑な反応を見せる修である。
一方で美咲紀はマイペースに、自分の弁当箱を広げてルンルンしていた。
「ワカメは身体にいいのです。なんなら取り替えっこしましょうか。お勧めはですねー、このブロッコリーですよ!」
フォークでブロッコリーを刺して掲げる美咲紀。
シンプルなゆでブロッコリーだが、どこか誇らしげだった。
それもそのはず。
「このブロッコリーは私が作ったのです」
「へえ、料理を……」
「肥料選びには拘ったのです」
「栽培を!?」
藤馬が二度見した。
「ほかにもプチトマトにー、サニーレタスにー……あ、お料理は私じゃないんですよ。メイドさんが」
「メイドさんが!?」
藤馬が三度見した。
ついでに魁へ振り返った。
「金持ちってみんなああなのか?」
「俺に聞かれても困る」
美咲紀は彼らの気持ちを知ってか知らずか、にゃんこフェイスに海苔をしいたおにぎりを自慢していた。
それメイドさんが作ったんでしょ、と考えると受け取り方が一段上がる。魁にパスしようにも、魁は藤馬のうさぎリンゴが気に入ったみたいでひたすらシャクシャクやっていた。
「ブロッコリーか。いいな。海藻ばかりで野菜に飢えていたんだ」
「そこまで……ハッ!」
藤馬の脳裏でなにかがスパークした。
おかずを交換するは我にあり。
今こそ三段重箱を開放し、好きなだけお食べと言うべきじゃあないか。
藤馬は咳払いして、リュックサックから重箱を取り出した。
「ん、なんだそれは」
予想通りに食いついてきた亮たちに、藤馬は再び手を翳した。
「か、勘違いしないでよね! 作り過ぎちゃっただけなんだからね!」
「そうか」
「そこはツッコミをいれろよ! またも気があるみたいになっちゃったじゃんかよ!」
「気を遣わせちゃってわるいのです」
「ここは天然ジゴロの巣窟ですね!」
頭を抱えてのけぞる藤馬。
とはいえ狙いは良かったようで、彼の作ったタコさんウィンナーやら型で作った目玉焼きやらを美咲紀や亮がキャッキャしながら(イメージを簡略化しております)楽しんでくれた。
特に修はまじまじとカニさんカットしたウィンナーを眺め、深く鑑賞しているようだ。
「みんな自分で作ったのか。家庭的な料理は久しぶりだから、なんだか気持ちがいいな」
ああ、この人もメイドが作ってるクチかなという目で見ると、修は苦笑で返した。
「ああ、うちにメイドはいないよ」
「そ、そうか……偏見だったな、すまん」
「シェフが作ったんだ」
「シェフ!」
藤馬、二度見。
「なあ藤馬」
魁が改まった様子で語りかけるので、藤馬はゆっくりと振り返った。
何事かと思った藤馬に、よく通る声でひとこと。
「リンゴをもうひとつ貰おうか」
「うん、あげる。ひとつといわず全部食べてもいいんだぞ?」
庶民感覚をワンパンで破壊する人たちを前にしていたからか、魁の振る舞いに和む藤馬である。
一応修くんの献立を説明しますとですね。
はじめに菜の花と海の幸のマリネ。チコリーの鴨パテ詰め、ブロッコリーとアスパラのオムレツ、エンドウとトマトのサラダ、バケットと共に。
レストランのメニュー表かよ!(庶民意識に則った感想となっております)
「美味しいけど、運動部で過ごすにはすこし足りないと思っていたんだ。助かるよ。今度お返しをしないとな」
「いや、そういうのいいんで」
なんかすごいの来そうなんで。
両手を翳す藤馬である。
一方でおにぎりをつまみながら、美咲紀がふと顔を上げた。
「そういえばシューくん、今日は参考書とか取り出さないんですね。片手でサンドイッチ食べながらお勉強するものかと思ってました」
「ひとがお弁当箱を広げてる時に参考書を広げるわけにもいかないだろう。後でちゃんと広げるよ」
「いや、そういうのいいんで」
両手を翳す美咲紀である。
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3人まで
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日常
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10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月07日
参加申し込みの期限
2017年02月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月14日 11時00分
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