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【期末テスト】赤点?満点??春風、四日間の死線<物語編>
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●桜花寮にて
「ただいまー」
恵御納 夏朝
は帰寮するや、着替えをして5階にあるオープンスペースへ向かった。オープンスペースは、カーペット敷の広めの部屋で、ソファやイス、テレビなどがあり、寮生は自由に使える。この日もそれなりに人がいて、勉強はもう結構、夕食までの時間は誰かと話して過ごそうと、まばらに島を作っていた。
ののこを見つける。ソファに身を埋めている。へたれたアホ毛から察するに、試験結果は万々歳とは行かなかったようだ。彼女を囲むようにあおい、
串田 美弥子
がいる。夏朝はその島に足を向けた。
「試験結果、帰って来たね。期末テスト……どう、だった?」
「私はみんなと勉強した甲斐あって、まあまあだったよ」とあおい。「でもののこちゃんが……」
「家庭科だけ赤点だったんだよね?」美弥子が続ける。
「ははっ、赤点って赤いね……まるで血の色みたいだよ……」
ののこはしゅんっと肩を窄めている。
夏朝は、そっとしておこうか、愚痴を聞くか迷って、結局声かけてみた。
「今回は大丈夫だったけど……僕も前に1回赤点取ったことあるよ。そのときは追試や補習で乗り切れたし……多分、今回も何らかの救済措置はある……と思う!」
「あんまり甘やかさない方が……」
苦笑する美弥子だが、ののこは夏朝の『救済措置』の話で、がぜん元気が戻ってきたようだ。
ののこの顔に、いつもの能天気な笑みが広がる。
「夏朝ちゃんありがとね!」
これで試験の話は打ち切りとなり、話題は次年度のことになる。
「僕達1年も部屋変え、あるのかな?」
桜花寮は川を挟んで男子棟と女子棟に分かれていることは前にも述べたが、男子女子それぞれ、ABCの三棟から構成されており、風呂やトイレが共用のAB棟はおもに下級生が、各部屋に風呂とトイレがあるC棟はおもに上級生が使用している。
「僕もC寮に入りたいなぁ……桜花寮って心機一転、部屋割りの変更ってあったりしないのかな」
「あるかもしれないね。先輩の学年でも途中からC棟に移ったり、ルームメイトを交換した子がいるらしいし」
美弥子が答える。
「……2年生でもC棟に入れるのかな?」
「空きがあれば入れると思うけど……新学期からの部屋割りのルールに関しては寮母さん次第じゃないかな」
「そっか……」
そこまで言ってから、ばれたくない秘密がある事を思い出し、内心慌てる。
現在夏朝は、一人部屋であるのをいいことに、こっそり
不思議な猫
を飼っているのだ。
(秘密がばれないように部屋の引越、できるかな……?)
試験が終わったら終わったなりに、次のことが気がかりになる夏朝なのであった。
◇
ぴたりと閉じられたドア。
廊下を行き来する足音は、膜の向こう、遠い世界の出来事だ。
定位置である二段ベットの下の段に、
葉利沢 倫理子
は制服のまま突っ伏している。
ひどく疲れている。
もとより丈夫な方ではなく、夏休みから10月まで体調不良で学校を休んでいたこともあって、傍目には体調不良で寝込んでいるように見えたし、誰かが通りかかりに部屋を覗くようなことがあれば、大丈夫かと声を掛けもしただろう。しかし、そんな誰かはおらず、部屋には倫理子ただひとりだ。
テストが返却された。
成績自体は2学期の期末より少し下がった程度で、一応上位には食い込んでいる。夏休みからの欠席が響いて出席日数は際どかったが、平均で80点代後半の成績を修めていれば文句はあるまい。
深く、ため息をつく。
――今は、私よね。
近頃、自分の意識と記憶が喪失することが増えた。直接のきっかけは始業式の日の夜で、それ以来、断続的に数度、同じことが起きている。
そのたびに覚えるのは、自分の中の何かが蠢いている感覚。黒の心像。
――私の中に、誰かがいる。
その感覚の濃密さゆえに、比喩でなく、確かに起こっていることだと感じる。
最近も
奇妙な夢を見た
。誰かに優しくされる夢。顔は覚えてない。名前も定かではない。何かを囁かれたが、それも記憶にはない。唇に甘やかなキスの記憶だけが残った。あれも同じ、黒の心像。
倫理子は身を捩らせる。
窓から、夕日の金色が差し込んでいる。
だが、ベッドの下の段――倫理子のいる場所の闇はむしろ濃くなっている。
瞼を閉じれば、曖昧だが確実にそこにある黒の――……。
瞼を開き、手のひらを見る。
「……なんだか、私が私じゃない気がする」
明日は心療内科の日。だけど、このことを話す気にはなれない。
◇
桜花寮男子棟の、閉鎖された食堂へ続く扉に凭れ掛かるようにして、
霧谷 朧
は電話を掛けていた。
相手は両親――周りには教えていないが、朧は施設の育ちで電話の相手は養い親である。
内容は試験の結果について。
「うん……うん。赤点はない。それなりにできたから留年の心配はしなくていいよ。それでさ……」
もう1年寮生活を続けたいと思うんだ、と朧はつづけた。
「ルームメイトがいいやつっていうのもあるけど、少し自信がついてきたっていうのかな……なんていうか歩いて行けるような気がするんだ」
電話の向こうで、養母の息を呑む音がする。
はっ……というその一瞬の響きは、彼女が心から自分のことを気に懸けている音だった。意味するところは「良かった」かもしれないし「寂しいわ」かもしれない。人間関係が希薄で、人と接することを怖がっていた彼が、もう1年、大勢が生活する寮で暮らしたいと言い出したことへの驚きだったかもしれない。
複雑なスパイスみたいに交じり合った意味の中に、愛があった。
朧は背中を押された気がして話を続ける。
「3年になったらのこともさ、それからのことも、ちょっと違う方向も考えられるようになったからさ」
だから春休みに帰って話したいんだ、というと養母は今度は「待ってるわ」と言葉に出して喜んでくれた。
電話の相手が養父に替わる。
学校は楽しいかい、と落ち着いた声だ。
「うん、楽しいよ、寝子高に行かせてくれてありがとう」
俺を信じてくれてありがとう。
そう続けたかったが、涙が零れそうになって唇を噛んだ。
ちょうど1年前の今頃はまだ、自分のことも他人のことも怖かった。
幼い時、実の両親は自分を愛することはしなかった。
自分を育てようともしなかった。
一番愛を欲するときに得られなかったことが、自己否定に繋がった。
愛されたことがなかったから他人とどう接していいかわからなかった。
他人はただただ怖い存在だった。
そんな中で傷つかずに生きていく方策として、朧は前髪を長く伸ばした。
人と視線を合わせずに済むように。視線の中に潜む刃を見つけずに済むように。
前髪は、前線の兵士であり、鎧の役目をも果たしていた。
そうやって頑なに身を守ってきた朧が、今みたいに前向きなことを言えるようになったのは、今の両親が愛情をもって支えてくれたからだ。
電話の向こうの心配してくれる言葉が、自分を思ってくれる声が嬉しい。
自分に向けられる大好きだよ、の言葉が心を温めてくれる。
だから――俺は、俺を好きになれる気がする。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
コメディ
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
77人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月01日
参加申し込みの期限
2017年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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