this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【期末テスト】赤点?満点??春風、四日間の死線<物語編>
<< もどる
1
…
29
30
31
32
33
…
35
つぎへ >>
●感じる、決意
音楽室にただひとり、
市橋 誉
の姿がある。
ドの鍵盤を左手の人差し指で、ポン……と鳴らす。
この感触が、誉の心を安らがせる。
誉は心を鎮めて両手を鍵盤におく。手は自然と動き出す。
奏でるは夜のカフェラウンジで流れていそうなジャズナンバー。
誉はしばし、音の流れに身を任せる。
ピアノに触れていると、心が落ち着き考えも上手く纏められる気がする。
誉は今回の試験結果に想いを馳せた。
他人にはほとんど語ったことがないが、ジャズピアニストになって、自分の喫茶店を持つことが誉の密かな夢だ。プロのピアニストになる為には、留学も視野に入れたい。となると英語は必須。今回の試験では音楽のほかにも英語に力を入れた。
(今後はもっと英語に力を入れていきたいな。音楽以外の芸術方面の勉強にも力を入れて、表現力を上げる糧にもしたい。喫茶店を営業する為には、経営関係や調理関係の資格も必要だ。これも並行して勉強しないとな)
やりたいことも、夢のためにやらねばならぬことも、たくさんあって、時間は幾らあっても足りないように思われる。
(けれど、積み重ねてきた道は、必ず未来へと繋がる筈だから)
誉は自分の努力を信じる。苦手な理数の点数が少しずつ上がってきているという事実も、誉の漠然とした不安を、前向きな確信に変えてくれる。
(それに……夢を目指し勉強できるって、とても贅沢な環境だ。迷わず、このまま突き進む……!)
誉の心に呼応するように、弾いていた曲もいつの間にか明るい曲になっていた。
こういうとき、自分の指は本当に素直だと思う。
(今日は好きな曲を己の為だけに弾いて、自室に帰ったら何か美味しいものを食べよう。それくらいの自分へのご褒美があってもいいよな? まあ、料理するのも俺だけど)
弾むようなリズムに心も体も預けながら、誉は何を作ろうかと思考を巡らせる。ちょっと洒落たものがいい。フレンチっぽいサラダや、凝ったソースの肉料理はどうだろう。盛り付けにもこだわって、香草を添えてみてもいいかもしれない。
イメージするうち、くすっと笑みが零れてくる。
幸せだ。
音楽と、おいしい料理。
その組み合わせは、自分が目指すところにとても近い。
小指が、楽しそうに高音を弾く。
「Without haste, but without rest.(急がずに、だが休まずに)」
ゲーテの言葉を口にして、誉はあらためて意志を固める。
◇
テストが返却されて数日後。
三宅 葉月
は都内の実家に帰る途中で、祖父が眠る墓地へと寄った。
父に、試験の結果を報告しなければならない。だが、まっすぐに家に向かう気にどうしてもなれなかった。
黒のゴシックドレスに身を包み、黒のヴェールを被った葉月は、墓の周りを丁寧に時間をかけて掃除し、白百合の花束を供える。
(ここへ来るのは去年の秋の三回忌の時以来ですね、おじいさま……)
葉月は深い翡翠色の瞳を伏せ、静かに墓前に手を合わせた。
葉月の祖父は、財界人としても文人としても抜きんでた才能を持っていた。幼い葉月に様々なことを教えてもくれた。その時の大切な記憶は今でも鮮やかに思い出すことができる。
葉月の中に眠っていた絵の才能を発掘してくれたのも祖父だった。
孫娘のもつ才能を愛し、その芽を摘み挫折させようとする父の卑劣な妨害から守ってくれたのも祖父だった。
「おじいさま……」
葉月の瞳が揺らいで潤む。
今は御影石の墓石の下に眠っている祖父は、自分の死期を悟っていたのだろうか。
孫娘を自分の母校である寝子島高校へ進学させるように、という遺言が、儚くも伸びる若芽のような葉月を、手折ろうとする父の悪意から守ってくれることになった。祖父は本当に遣り手であった。周囲に念入りに根回しをして、父がこの遺言に反対できないようにすることも忘れなかった。
――もしも、おじいさまがいなかったら。
父は私を雁字搦めに束縛し、才能の芽も感情の芽も摘み取ってしまっていたことでしょう。
こんなふうに自由に、高校生活を過ごすことは叶わなかったでしょう。
伏せた瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
葉月はしばし、涙の流れるままに泣いた。
心は静かな湖面のようであるのに、涙だけが幾筋も幾筋も白磁の頬を伝っていった。
風の音をきいた。
鳥の鳴くのをきいた。
世界は、けっして敵ではなかった。
やがて、葉月は涙をぬぐった。
「おじいさま。私、今年で高校3年生になります。父の妨害が一番苛烈な一年になるでしょう。けれど、おじいさまが守ってくれたものを、易々と失うつもりはありません。どうか……私を見守っていてください」
<< もどる
1
…
29
30
31
32
33
…
35
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【期末テスト】赤点?満点??春風、四日間の死線<物語編>
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
コメディ
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
77人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月01日
参加申し込みの期限
2017年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!