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【期末テスト】赤点?満点??春風、四日間の死線<物語編>
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●放課後デイブレイク
肩を落として歩く先輩や、うきうきとスキップする同級生とすれ違いながら、
綾辻 綾花
はつま先を図書室に向けた。心配なところもあったが、結果を見たら赤点はなかったので、これで無事2年生になれると足取りも心も軽い。
図書室は、試験後なだけあって静かだった。
(珪先生は……?)
いた。司書を務める
早川 珪
先生の赤いシャツを見つけ、綾花の足取りは心と同じように跳ねる。
先生は、奥の方の本棚の整理をしていた。試験前、図書室が生徒でごった返していたときに、適当な棚に戻された本を整理していたらしい。
「珪先生、お疲れ様です」
綾花が声を掛けると、先生は振り返った。
「驚いた。綾辻さんか。どうしたんだい、今日は当番じゃないよね?」
「はい。そうなんですが、テスト返って来たので先生に報告したくて。結果はどうだったと思いますか?」
綾花のニコニコ顔を見れば考えるまでもない。
「その様子だと、良かったんだね」
「はい。珪先生に色々教えてもらったおかげです。有り難うございました!」
綾花は深々と一礼する。スカートの裾が、勢い、翻る。
「テストで赤点もなかったですし出席日数も皆勤賞を更新してるぐらいなので留年はならないと思います」
「皆勤賞か。すごいね。健康は何よりの財産だから」
生徒からのよい報告に、先生は白い歯を見せて零れるように笑んだ。
「でも」
と綾花は悪戯っぽい顔で先生の耳元に手を当て内緒話。
「留年したら珪先生が担任の可能性があるかもって思っちゃいましたけど」
早川先生は今3年生をもっているので、来年は1年生の担任になる可能性は十分にある。もっとも、そればっかりは校長や教頭や理事長の判断になるのだけれど……。
綾花はといえば、先生が担任になったらいいのになあという本心を吐露してしまってから、迂闊なことを言ったかしらと口元を押さえ、申し訳なさそうに小声になる。
「あの……みわちゃん先生も大好きなのでこれは内緒でお願いします」
「はは、もちろん。了解だよ」
◇
さてこちらは職員室。
カツカツと靴音を鳴らして乗り込んできたのは、副会長の
屋敷野 梢
女史である。
「島岡せんせー! あのあのー、ちょっとお時間大丈夫ですか!」
「は、はい~なんでしょう~?」
梢の勢いに、
島岡 雪乃
先生は早くも押され気味だ。
梢はぐいと身を乗り出し、島岡先生の眼鏡に向かって捲し立てる。
「副教科、試験日を最終日にまとめるとかって出来ませんかー? 副教科と主要教科が同じ扱いってなんとなく納得できないんですよね。副教科の比重が大きいって言うか受験を視野に入れるとちょっと不安だなーって……予備校の試験はうけてるんですけど、学校の試験でも色々な問題を経験しておきたいなーって」
ぐぐぐ、と前のめりになる梢と対照的に、ううう、と後ろに身を反らす島岡先生。
だが、梢が一息ついたところで、先生も体勢を立て直した。
「屋敷野さんは、京大薬学部志望でしたね」
「そうです。……あ、副教科を軽んじていいとかは思ってないです! 気分転換になりますし、好きな科目なんですけどもー」
言いながら梢は自分で話の整理を始めたようだ。
「ん……? あ。そーか、体育科美術科も同時に受けてるから、こんな感じなんですね。となると、島岡先生に相談する話でもなくて……ムムム、なんか根が深いですねー。ねここーの闇ですね、これは!」
「いえ、闇と言うわけでは……」
「……ごめんなさい、話してるうちに気にするほどじゃないかなーってなりました。たぶん、単純に誰かに愚痴りたかっただけだったのかもです……」
自分ではじめて自分で納得して終わりかけた話に、島岡先生は一石を投じる。
「屋敷野さん」
「はい」
「人生の遠くって考えてみたりしますか?」
「人生の遠く、ですか?」
「ええ。人生は受験で終わるわけじゃない。その先があるから……だから、音楽も家庭も美術も体育も、なんだ思います。本当に人生に困ったとき、人を救ってくれるのは、もしかしたらそういうものかもしれないから」
梢は思考を立ち止まらせた。
それから、夏の森が奏でる木の葉や蝉や鳥たちの音楽のことを思った。昆虫の羽根の美しさのことを思った。何気なく野に生える、おひたしにしたら美味しい植物のことを思い、虫網片手に駆け回った日のことを思った。
不思議と、元気が出てきた。
「……これで1年1組最後の試験でしたが、島岡先生のクラスに入れて良かったです! 苦手だった英語も、大分伸びましたし! まだ他の科目と比べると少し低いけど、がんばりまーす! 来年も先生のクラスに入れたらなーって思います! 話を聞いていただいてありがとうございました」
「いえ、こちらこそありがとうございます。また一緒になったら……よろしくお願いしますね」
◇
人気のなくなった1年2組の教室。
いや、ひとりだけまだ生徒が残っている。
鬼崎 あやめ
だ。
あやめは……もはや人の態を為していない。
(れ、れいてん……れいてんが、ふたつ……)
思考の中ですら漢字を使うことができない。
灰だ。吹けば飛びそうな、真っ白な灰になっている。
(……ヤバい……これじゃあ、入学してくる義理の妹と同学年になっちゃう……)
焦りで、思考の中の漢字が復活した。
(このままじゃ、姉の威厳が木端微塵になる事態に!?)
同居しているひとつ年下の義妹は、自分のことを「お姉ちゃん」と慕ってくれている。マダオな叔父を叱咤激励しつつ看板娘として店を盛り立てている自分は、彼女にとって憧れの存在であるはずだ。
それがもし留年なんてことになったらどうする!?
(あの子に困り顔で『えっと……よろしくおねがいしますね。同学年ですけどあやめお姉ちゃん』なんて言われた日には私は死ねる)
アハハ……。
灰になったあやめの口から、木枯らしのような笑いが漏れる。
(人間最悪を目の当たりにすると笑う事しか出来ないって本当だわ……乾いた笑みしか出来ないもの……)
フゥっと首筋に蒸気が当たる。
「あらぁん? まさかと思うけれどまた赤点を取ったんじゃないでしょうねぇ」
「……ハッ!? この気配は……」
あやめは白い灰から一転、真っ青になって、ギギギ、とぎこちなく振り返る。
「フ、フジコ先生……っ!?」
「そう。あなたの! フジコゃんよぉン。どれどれ……あらヤダっ! 英語と数学が0点なの!?」
フゥーフゥーッと獣のような息に嬲られ、あやめは生きた心地がしない。フジコ先生はマスカラでバッチバチに固めた睫毛が刺さりそうな距離まで顔を近づけると、あやめの顎を人差し指でくいと持ち上げた。
「わかってるわよね……?」
◇
綾花はすぐには帰らずに、早川先生を手伝って、本の整理をしていた。
「帰らなくていいのかい?」
「はい。スーパーのタイムセールは5時からなのでまだ余裕があるんです。玉子1パックと砂糖1キロが100円を切る安さなんですよ。もちろん並びます!」
「さすが猫鳴館生は逞しい……、え!?」
早川先生の動きがぴたりと止まる。
目が大きく見開かれている。
何事かと綾花も先生の視線を追うと……、
「お、鬼崎さんと……フジコ先生!?」
フジコブレスやフジコストリームを受けながら、あやめが涙目で廊下を歩いている。
「accept、受け入れる、acquire、身につける……あ、甘い息をかけないで……ひゃん! もういやー!」
「追試まで0点じゃ困るでしょ! 覚えるの。身体に叩き込むのよ!」
「いやーっ、堪忍してー」
「シャアアアアアッらああああああっぷ!!」
「すみませんすみません私はフジコ先生の犬です」
なんだろう……フジコ先生の特別授業(?)を、あやめも心のどこかで喜んでいるようにみえる。
これはきっと何かの夜明け。キロキロリン、という謎の効果音は、忠誠の証(スレイブライセンス)とやらがレベルアップした音かもしれない。
「……綾辻さん、今日はもう帰りなさい」と早川先生が言った。
「は、はい……そうします」
綾花は改めて先生に礼を言うと、そそくさと学校を後にしたのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
コメディ
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
77人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月01日
参加申し込みの期限
2017年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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