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【期末テスト】赤点？満点？？春風、四日間の死線＜物語編＞
●打ち上げっ、カラオケっ！
八神 修と椿 美咲紀は、野々 ののこと七夜 あおいを誘って、カラオケで打ち上げを楽しんでいた。
「今まで勉強色々と教えてくれたシュー君ありがとう！ 今回の試験、色んな人に勉強教えて貰ってすっごく頑張ったののちゃん、そしてあおいちゃん、お疲れさまなのですっ！ それからいっぱい頑張った自分も褒めてあげなきゃ。ってわけで……テスト終了、おめでとうなのです！」
美咲紀の音頭で、四人はぱーんとクラッカーを鳴らし合う。
「思い切り歌えばストレス発散、スッキリするのですよー！」
そう言うや否や、次々と曲を入れはじめる美咲紀。
流行歌から、定番のアニソン、ちょっとマニアックなやつまでとりどりだ。
ののことあおいが、美咲紀の曲をマラカスやタンバリンで盛り上げる。修はソファに深く凭れて、そんな女子たちの楽しそうな様子を微笑ましく見守っている。
（あおいが嬉しそうでよかった）と修は思う。
「お疲れ様。頑張り屋さんのあおいなら、きっといい結果が出るよ」
口に出すと、あおいははにかむように笑った。
「私は私は？」
ののこが二人の間に割り込んだ。修はののこの頭をよしよしと撫でる。
「野々も勉強凄く頑張ったよな」
「そうですよーののちゃんは今回とっても頑張ったのです！」
私がした勉強方法をテスト前に少しおすそ分けしたのだ、と美咲紀が太鼓判を押す。
「俺も数学を教えたから期待が高まるよ」
「いやーそんなに期待されちゃあ困るけど……赤点じゃないといいなっ」
「大丈夫です！」
美咲紀はののこの手を握るとぶんぶん振った。
「ポイントしぼって勉強しましたから何とかなったハズだと信じるのです。私達の努力はきっと報われるですよ、ののちゃん！」
「そうだよねっ。信じるっ」
ののこは深く頷く。
それから、「美咲紀も頑張ってたな」と修が言うと、美咲紀はジト目で修を見た。
「付け足しみたいに言わないでくださいよー。もっと褒めて！ 超頑張りましたよ私！」
「すごいぞ美咲紀。今日はなんでも好きなものを頼んでくれ」
「むふ～そうこなくっちゃ！」
失礼しまーす、とドアが開いて、季節のスイーツと紅茶が運ばれてくる。ご褒美と言ったら甘い物に限る。
頭を使って頑張ったあとは猶更だ。
歌ったり食べたりとわいわい楽しむ中、頭の中で試験の反芻をしていた修は、突然、
「あっ！」
と叫びに似た声を上げた。
「シュー君どうしました？」
「国語で１問間違えたかもしれない」
「古典ですか？」
「そうだ。問３の選択問題、何にした？」
「私は『イ』にしました。辞典で最初に書いてある意味ですよね。アレしかないかと」
「しまった。あの単語には別の意味があるから含蓄ある表現にしたのかと……」
「え、違う意味もあったですか？ そんなに捻っていないと思うですよ。難関大学入試引っ掛け問題じゃあるまいし……」
「そ、そうか……深く考えすぎた……」
「頭いい人が１回はやらかすミスですね。素直に考えればよかったんですよ」
「それって結構、実は俺には難しい……」
１問ミスしたくらいなんてことないと思われるだろうが、修にとっては、ほかの人には計り知れないほどショックであったようだ。修曰く、「画竜点睛を欠く」らしい。
どよ～んと項垂れる修を、女子たちは代わる代わる慰める。
「どんまいなのです、シュー君」
「何言ってるかわかんないけど、ドンマイ！」
ののこは呑気なものだ。
あおいもレベルの高い話に苦笑しつつ、
「次頑張ればいいよ」
と声を掛けてくれる。それで修は救われたような気持ちになった。
「それにしても、どうしてそんなに真剣に勉強できるの？」
ののこが、そこが理解できないとばかりに修に尋ねる。
「好きだからかな」と修は答える。
「それと、実は条件なんだ。成績が落ちたら実家に戻されるんだよ」
「寝子高を辞めなきゃいけないってこと？」
「そうなるかもしれない。だから頑張っているんだ。学ぶこと自体は好きだから辛くはないけれどね」
修は苺の乗ったチョコムースを口に運ぶと、心配そうな顔になった女子たちに向かって淡く笑んだ。
「心配いらないよ。国語で１問間違えた程度で帰ってこいってことはないから。それより歌おう。あおい、良かったらデュテットしないか？ たぶん知ってる曲だから」
そういうと、修は、先日解散してしまった有名男性アイドルグループＳＮＹＡＰ（スニャップ）の「世界に１本きりのバラ」を入れた。いまでは音楽の教科書に載るほどになった名曲だ。
あおいはイントロを聞いて、わかる、とマイクを取る。
美咲紀とののこも、マイクはないが一緒に合唱し、鳴り物で歌を盛り上げる。
歌いながら、ふっとあおいと視線が合って、修は自然に微笑んだ。
（頑張るよ、俺。一緒の高校で居たいしさ）
八神 修と椿 美咲紀は、野々 ののこと七夜 あおいを誘って、カラオケで打ち上げを楽しんでいた。
「今まで勉強色々と教えてくれたシュー君ありがとう！ 今回の試験、色んな人に勉強教えて貰ってすっごく頑張ったののちゃん、そしてあおいちゃん、お疲れさまなのですっ！ それからいっぱい頑張った自分も褒めてあげなきゃ。ってわけで……テスト終了、おめでとうなのです！」
美咲紀の音頭で、四人はぱーんとクラッカーを鳴らし合う。
「思い切り歌えばストレス発散、スッキリするのですよー！」
そう言うや否や、次々と曲を入れはじめる美咲紀。
流行歌から、定番のアニソン、ちょっとマニアックなやつまでとりどりだ。
ののことあおいが、美咲紀の曲をマラカスやタンバリンで盛り上げる。修はソファに深く凭れて、そんな女子たちの楽しそうな様子を微笑ましく見守っている。
（あおいが嬉しそうでよかった）と修は思う。
「お疲れ様。頑張り屋さんのあおいなら、きっといい結果が出るよ」
口に出すと、あおいははにかむように笑った。
「私は私は？」
ののこが二人の間に割り込んだ。修はののこの頭をよしよしと撫でる。
「野々も勉強凄く頑張ったよな」
「そうですよーののちゃんは今回とっても頑張ったのです！」
私がした勉強方法をテスト前に少しおすそ分けしたのだ、と美咲紀が太鼓判を押す。
「俺も数学を教えたから期待が高まるよ」
「いやーそんなに期待されちゃあ困るけど……赤点じゃないといいなっ」
「大丈夫です！」
美咲紀はののこの手を握るとぶんぶん振った。
「ポイントしぼって勉強しましたから何とかなったハズだと信じるのです。私達の努力はきっと報われるですよ、ののちゃん！」
「そうだよねっ。信じるっ」
ののこは深く頷く。
それから、「美咲紀も頑張ってたな」と修が言うと、美咲紀はジト目で修を見た。
「付け足しみたいに言わないでくださいよー。もっと褒めて！ 超頑張りましたよ私！」
「すごいぞ美咲紀。今日はなんでも好きなものを頼んでくれ」
「むふ～そうこなくっちゃ！」
失礼しまーす、とドアが開いて、季節のスイーツと紅茶が運ばれてくる。ご褒美と言ったら甘い物に限る。
頭を使って頑張ったあとは猶更だ。
歌ったり食べたりとわいわい楽しむ中、頭の中で試験の反芻をしていた修は、突然、
「あっ！」
と叫びに似た声を上げた。
「シュー君どうしました？」
「国語で１問間違えたかもしれない」
「古典ですか？」
「そうだ。問３の選択問題、何にした？」
「私は『イ』にしました。辞典で最初に書いてある意味ですよね。アレしかないかと」
「しまった。あの単語には別の意味があるから含蓄ある表現にしたのかと……」
「え、違う意味もあったですか？ そんなに捻っていないと思うですよ。難関大学入試引っ掛け問題じゃあるまいし……」
「そ、そうか……深く考えすぎた……」
「頭いい人が１回はやらかすミスですね。素直に考えればよかったんですよ」
「それって結構、実は俺には難しい……」
１問ミスしたくらいなんてことないと思われるだろうが、修にとっては、ほかの人には計り知れないほどショックであったようだ。修曰く、「画竜点睛を欠く」らしい。
どよ～んと項垂れる修を、女子たちは代わる代わる慰める。
「どんまいなのです、シュー君」
「何言ってるかわかんないけど、ドンマイ！」
ののこは呑気なものだ。
あおいもレベルの高い話に苦笑しつつ、
「次頑張ればいいよ」
と声を掛けてくれる。それで修は救われたような気持ちになった。
「それにしても、どうしてそんなに真剣に勉強できるの？」
ののこが、そこが理解できないとばかりに修に尋ねる。
「好きだからかな」と修は答える。
「それと、実は条件なんだ。成績が落ちたら実家に戻されるんだよ」
「寝子高を辞めなきゃいけないってこと？」
「そうなるかもしれない。だから頑張っているんだ。学ぶこと自体は好きだから辛くはないけれどね」
修は苺の乗ったチョコムースを口に運ぶと、心配そうな顔になった女子たちに向かって淡く笑んだ。
「心配いらないよ。国語で１問間違えた程度で帰ってこいってことはないから。それより歌おう。あおい、良かったらデュテットしないか？ たぶん知ってる曲だから」
そういうと、修は、先日解散してしまった有名男性アイドルグループＳＮＹＡＰ（スニャップ）の「世界に１本きりのバラ」を入れた。いまでは音楽の教科書に載るほどになった名曲だ。
あおいはイントロを聞いて、わかる、とマイクを取る。
美咲紀とののこも、マイクはないが一緒に合唱し、鳴り物で歌を盛り上げる。
歌いながら、ふっとあおいと視線が合って、修は自然に微笑んだ。
（頑張るよ、俺。一緒の高校で居たいしさ）
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年01月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年01月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年01月08日 11時00分
