【期末テスト】赤点？満点？？春風、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？春風、四日間の死線＜物語編＞

●とろけるフォンデュ

　その後、ロベルトとアカリは、フォンデュの店へ行った。
　くつくつと熱いチーズフォンデュを前に、ロベルトは甘い思い出に浸る。
「フォンデュ……そういえば前に行ったなぁ」
　フォンデュパーティで、チョコフォンデュを悠月とアーンしあった、という話を聞いては、アカリも黙っていられない。今日は攻める男なのだ。
「先輩、あーん」
　ブロッコリーをフォークに刺し、あつあつチーズを絡めて、ロベルトのお口の前に差し出す。
「来島もあーんしてくれるのか！　やった！」
　ロベルトはそれを、はふはふしながら呑みこんで、じぃんと感動に浸る。
「美少年のあーん……やはり最高だ……！　今日はとってもいい日だなぁ……！！」

　帰り道、アーンの余韻を引きずったロベルトはふわふわした足取りだった。
　アカリはさらに攻めの手を打つ。
「先輩、今日どこ泊まるかとか、決まってますか。もし、決まってないなら……うち、来ませんか」
「いいのかい？」
「はい……」
　うつむき加減に頷いて、アカリはきりりと前を向いた。
「……ロベルト先輩。その……３月って言ってもまだ寒い、ですし。だから、その……手、繋いでくれてもいい……んですよ？」
「本当かい！？」
　ロベルトはすかさずアカリの手を握る。
　平日と言ってもそこそこ人はいるのに、全く躊躇する様子がない。
「来島の手、暖かいね！」
　とロベルトは言った。
　アカリは赤くなって頷いた。

　……端から見たら、恋人同士に見えるだろうか、と思いながら。