推理ゲーム『ねこじま人狼』3rd｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』3rd

●　四人→三人の占い師

　役職……という言葉に、三人いる占い師、二人いる騎士、それから爆弾ともいえる狂人カミングアウトに注目が集まる。サキリは探偵役らしくクールに紅茶を傾ける。
「まず気になるのは三人の占い師だ。占い師のみんな、主張に変更は？」

「主張に変更はなし。占い師で、占ったのは欠け役職。内容はらっかみだった」
　まっさきに占い師であると名乗り出た卯木衛は、このときもまっさきに言い切った。
　衛に疑わし気な目を向けるのは、主張が真っ向からぶつかっている来島アカリだ。

「卯木……いざ尋常に殴り愛と行こう。俺も、占い師として結果を主張するぞ。欠け役職はらっかみだった。実際らっかみカミングアウトした者もいねーし、村視点でもこれは事実でいいはずだぜ」

「いや……」
　目を閉じて思考していた水守流は、ゆっくりと瞼を上げ、衛とアカリをねめつける。

「占い師は俺だ。結果は新江が白だった」
「たしかに俺は白だ」
　と新江天懸は静かに言った。
「ただ、今回出た占い３人について、信用はあくまでも平等だ。欠けがらっかみ主張なのは、狼少年対策かもしれないが、３人に決定的な差はない。殴り愛で真主張して欲しいってとこだな」
　その通りだ、と三人とも不敵に頷く。
　まず切りかかったのはアカリである。
「俺視点では、対抗は卯木が狼目、水守は狂人目で見てる。理由は出方だな。水守は、卯木、俺、志波先輩がカミングアウトして占い師が３人になった時点から出てきた。狼なら、これだけ占い師が出ていたら、敢えて占い師として出ようとはあんまり思わねーんじゃねーかな？」
　すると流が反論する。
「何と言われても変更はない。逆にその状態から出たことが真の証じゃねえ？　俺としては自分が占い師で新江が白という事実は変えようがねえわけだし？」
「そうかな？　白を出した水守は、人狼を囲えたらラッキー、最悪らっかみに当てて破綻して吊られてもいい……っていう風に見えたんだよな。ま、今回はらっかみ欠けだった訳だけど。で、相対的に卯木が狼目って感じかな。吊られたくない雰囲気も感じるし？」
　返す刀で切りつけられた形になった衛は、ちょっと眉間にしわを寄せた。
「たしかに、俺は、現時点では占い師を吊るのは『まだ』避けたいと思ってる」
　そう言って衛は、自分は騎士だという天懸と武道を交互に見る。
「占い師が三人出てて、吊れる機会が２回しかないとなると、占いローラーには吊り縄足りねえし、数が足りる騎士は片方真確定だから絶対ローラーはしたくねえ。から、しても占いランだと思うけど」
　ローラーは対象者を順に全員吊ること、ランは対象者の中からランダムに吊ることである。
「２夜とも占いから吊ったら、人外を逃す公算の方が高いと思う」
　アカリは口元に手を当て、「むー……」と唸る。
　紅茶を片手にくつろいだ様子でやりとりを見守っていたサキリが、話の転換を促した。
「誰も意見を変えない。占い師については平行線みたいだね。さて？」
「となると、やっぱり気になるのは騎士、だ」
　とアカリは武道の方を見た。
「とくに、志波先輩の、占い師から騎士へのスライドについては、話を聞きたいんだけど……？」

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