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開放的な一日
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広々とした居間には相応のテーブルが置かれていた。そこにゆったりとした白いワンピースを着た
椿 美咲紀
が現れた。腰が低い状態で水色のジャケット姿の
八神 修
を招き入れる。
間もなく二人は用意された椅子に並んで座った。美咲紀は機嫌よくノートを開く。参考書を少し指で押しやって焼き菓子を摘まむ。
隣にいた修は呆れたような顔付きとなった。
「参考書よりも菓子の方が多くないか?」
「頭を使うには糖分が絶対に必要なのです」
「まだ始めてもいないが」
「シュー君も召し上がってくださいなのです。我が家のメイドさんの手作りで味は絶品なのですよ」
器に盛られた菓子を修に進める。憎めない笑顔に押し切られ、一つを摘まんで口に入れた。小気味よい音が口の中で弾ける。
「程良い甘さでいい焼き加減だ。確かに絶品だな」
「そうなのですです」
「十分に糖分を補給したところで勉強を始めようか」
修の笑顔が迫ってきた。美咲紀は、はいなのです、としおらしく答えた。
二人だけの勉強会が始まった。
修は持参した参考書を開いた。黙読しながら隣にも目をやった。
美咲紀は英語の長文問題に取り掛かっていた。声には出さないが唇が微妙に動いている。シャープペンシルの先で一つの単語を突っついていた。
修の頭が微かに上下に動く。
――単語の意味に気を取られていると、全体の和訳は難しくなる。修飾関係も頭に入れて考えた方がいいな。
頭の中に明快な答えが浮かぶ。修は自身の参考書の頁を捲った。その横では美咲紀が沸騰しそうな顔で問題に取り組む。合間に器の菓子を引っ掴んでボリボリと食べた。
――糖分の取り過ぎだよ。
修は見守る母親のような心境で微笑んだ。
「調べるのです!」
傍らにあったコンパクトな辞書に活路を見出す。荒々しく頁を捲った末に仰け反った。
「……載ってなかったのです。もっと大きな辞書が必要なのです」
「俺が取って来ようか。美咲紀の自室でいいんだよな」
「私が案内するのです」
晴れやかな笑顔で立ち上がり掛けたところを修が止める。
「一人で十分だ。美咲紀は別の問題を解けばいい」
「あー、せっかくの息抜きが奪われてしまったのですぅ」
「そんなことだと思ったよ」
修は爽やかな笑みを返した。
長い廊下を歩き、幾つもの扉の前を通り過ぎた。楚々としたメイド達に何度か頭を下げられ、一つの扉に行き着いた。ノブに手を掛けて中へと入る。
「キュウリらしいな」
部屋には本が散乱していた。苦笑しながらも本を拾い上げる。近くの本棚の空いたところにジャンルごとに分けて収めていく。
床に散らばっていた本は全て片付いた。残された一冊は机上に置かれていた。読み掛けなのか。頁は開いた状態になっていた。
――栞がないな。よく見ると本は斜めになっている。無造作に置かれたようにも見えるが。
修は本を手に取った。表紙に目を向ける。
――文学作品か。確か、自伝的な内容で異常な愛を表現したものだったな。
中身を流し読みして程なく閉じた。本棚の前に移動して空いたところに収めた。すると金属的な音が鳴った。
「本棚から?」
探るように掌を当てると、何故か壁際の本棚が傾いだ。軽く押しただけで回転ドアのように回ったのだ。
「隠し部屋か」
覗いた暗がりに向かって言った。
居間に残された美咲紀は英語の文法問題に頭を悩ませていた。迷うような筆跡で空欄を埋めては消した。
「この問題も辞書が必要ですねぇ」
その時、けたたましい音が鳴り響く。仰天した様子でスマートフォンを取り出した。
『秘密の部屋に侵入者』
画面に表示された内容に目を剥く。美咲紀は鼻息を荒くして立ち上がり、居間を飛び出していった。
――誰が秘密の部屋の扉を解放したのです! ま、まさか、シュー君ですか!?
走りながら親指の爪を噛む。額には脂汗が滲んでいた。
――秘密の部屋にはBL系な薄い本があるのです! CDとかDVDがどっさりなのです! 男性のシュー君に知られたら精神的な討ち死になるのであります!
滑るように止まって自室の扉を開け放つ。
「狼藉者はここかー、であります!」
踏み込んだ美咲紀は開いた本棚を目撃して、ヒィィィー、と金切り声を上げた。隠された部屋からは淡い光が零れていた。
騒々しい状態から急に押し黙る。美咲紀は本棚に忍び寄って中を窺う。
修が薄い本を読んでいる。パラパラと頁を捲りながら声を掛けてきた。
「意外と早い到着だな」
「な、なんのことですかねぇ」
澄ました様子で美咲紀が部屋に入る。四方の壁には専用の本棚が聳え立つ。全てのタイトルから倒錯的な雰囲気が漂っていた。
修は読んでいた本を閉じて美咲紀の方を向いた。
「俺がこの隠し部屋に入って間がない。防犯装置の類いが仕掛けられていたと考えるのが自然だろう」
「反論したいところなのですが、その通りなのです。でも、ですね。どうして鍵となる本を本棚に戻すのですかぁ。ちゃんと読み掛けの状態で机の上に置いていたのに」
「栞がなかったな。読み掛けにしては開いていた頁がおかしい」
「……どういう意味です?」
少し間を空けて聞き返す。修は落ち着いた声音で答えた。
「切りが悪かった。先の展開が気になるところで中断するのは難しい。読書家であれば尚更だ。他にも理由はあるが、そのような些細なことはどうでもいいだろう」
「そ、そうですね。その、ここは隠し部屋って感じではなくて、えっと、遊び心みたいなものでありまして」
ほんのりと赤い顔で美咲紀はたどたどしい説明をした。
「いや、部屋自体を否定はしてないぞ。俺の邸宅にも似たような部屋はあるし。身分によっては、このような部屋は必要になるかもしれない」
「そうなんですか?」
「寮だけの話ではなくて、星ヶ丘の全体で見ても珍しいことではないと思う」
説得力のある言葉に美咲紀は頻りに頷く。途端に表情は明るくなり、その場でくるりと回った。
「私が心の赴くままに蒐集した膨大なBLも至って普通で健全な女性の証なのですね」
「いや、それは違うと思う。ホモ好きの趣味を否定はしないが」
「ホモという言い方は可愛くないのです! 見目麗しい男性が赤裸々に内面と外面を織り成す、そう、これは文学的なエッセンスを加えた人類の永遠のテーマなのです!」
拳を握って美咲紀は力説する。目にした修は首を傾げながら笑った。
「この部屋の存在がシュー君に発見されて少しすっきりしたのです。文学論を軽く披露したところで鍵となった本の映画でも観ますかね」
「息抜きには早いが、あの本の内容は気になる」
「ようやく意見が一致したのです。シュー君にBLの才能をビンビンに感じるのです!」
「いや、それはない」
頑なに否定する修を見て美咲紀は意味ありげに笑う。
――BLの甘美な世界にシュー君を引き摺り込むチャンスなのです!
勉強会を早々と中断。突如として映画鑑賞会が始まった。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月28日
参加申し込みの期限
2016年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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