ボウリングしようよ！｜リアクション

ボウリングしようよ！

　そんな、楽しい声が響くボウリング場で、一人シリアスに沈む彼の姿があった。
（みんな、幸せそうだな……）
　彼の名は、サキリ・デイジーカッター。
　独り席に座る彼の周囲には喧騒も鳴りを潜め、寂しさすら漂わせている。
（みんな、なんて楽しそうにゲームしてるんだ！！）
　世界に向けて八つ当たりをしたい気持ちをぐっとこらえ、サキリは振り返る。
　そこに、待ち人が朗らかに歩いてきた。
「コン・ニチ・ハァン❤」
　そこにいるのは富士山権蔵。
　いや、じぇのさいだー☆フジコ！
　未来の科学技術が生み出した、殺人サイボーグである。
「逃ゲズニイタコト、褒メテアゲルワ」
「逃げられるわけ、ないだろう」
　突然現れたフジコの出した条件。
　ボウリングしないと殺す。
　負けても殺す。
　ついでに関係無い人も殺す。
　突然の要求に、逃げるという選択肢は最初から、なかった。
　なんでこんな目に！
「デスマッチよ！」
　ゲームが始まり、フジコが指先でボールを回しながら進む。サキリは瞠目した。
「に、200ポンド玉！？」
「フジコ・ジェノサイドキャノン！」
　豪腕が振るわれ、10本のピンが弾け飛ぶ。
　そして重すぎる玉に機械等が故障し、ゲームは中断された。