ボウリングしようよ！｜リアクション

ボウリングしようよ！

　レーンが直り、フジコとサキリは再び対峙する。
「サァ、ソッチノ番ヨ。少々学習シテキタヨウネ」
「ああ」
　サキリは、勝負の行方を見守る亮に感謝のサムズアップを見せ、進み出る。
　一方、
「……とりあえず、少し見てから行くか」
　やたら真剣に聞くサキリに付き合ってアドバイスし、勝負するからと聞いて来た亮。フジコ先生――実際は違うが――もいるのかと、興味本位で観戦をする。
「頑張れよ、デイジーカッター」
「ああ！」
　気合い一投。サキリの投げた球は豪快なストライクをもぎ取る。
（コツを聞くうちにイメージが湧いたよ。球を転がすと思っちゃいけないんだ）
　１０本のピンの首を全て切り裂き薙倒す、『斬撃』。
　そのイメージこそが、サキリに合った投げ方だったのだ。
「ヤルワネ。デモ私ノフジコキャノンハ、必中必倒ヨ」
　笑うじぇのさいだー☆フジコが、200ポンド玉を取り出す。サキリは奥の手を出した。
「その玉、店員さんが『壊れるから使用禁止』だって」
「ナ、ナンデスッテェ！？　イツノ間ニ話ヲ！」
「それだけじゃない、ハアァァァ！」
　サキリの精神集中が極限まで高まり、チャクラとかセブンなんとかとかの超感覚が――ノリ的に――解放される！
「さぁ、ここからが本当の勝負だ。僕は負けるわけにはいかないんだ！」
「クク、デキルモノナラ、ヤッテゴランナサイ！」
「……ところで何で先生から、機械音がするんだ？」
「行くぞ！」
「イクワヨォ！」
　亮の当然の疑問をよそに、二人の対決が再開された。
　そして――
「イヤアアア！」
　惜敗した殺人ロボは、窓からジェット噴射で空へと昇ると、人知れず大爆発を起こす。
「勝った……ありがとう、君のアドバイスのおかげだ。町は救われたんだ」
「ああ、そうか……」
　爆光から目を離せず、亮はついで思った。

　なんか今日は、色々起こるな……と。

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