マジコーネ大陸記｜リアクション

マジコーネ大陸記

　出れなくなった――そう冒険者たちが途方に暮れた時だった。
『汝らは訪問客か』
　朧げな人影が再び出現する。
「……だれ、これ」
「ああ、門番みたいなやつ」
　ゴウが答える。
「そういや、カヤは宝、見てなかったな」
「あ、見つかったんだ。どんなのだった？」
「ああ、それは――」
「おいのんきだな。脱出方法がなきゃ死ぬんだぜ？」
　カエデが嘆息して、人影に目を向ける。
「おい、どこか別の出口はないのか？」
『訪問客よ、答えはイエスだ。部屋の壁は好きな場所に出口を作れる』
「……マジか」
　あっさり解決した。
『ただし、この場所以外は土に埋もれている』
「あの道なら大丈夫かな？」
　カヤの言わんとすることは他の四人も理解した。
「拡張工事をしてたあの道か！」
　冒険者たちは生存の道にほっとし、人影にその意を伝えた。
　やがて、出口への道が部屋に開かれる。
「最後に一波乱あったが、無事帰れそうだ」
「早く行こう。高利貸しの連中の件が気になる」
「じゃ、バイバイ」
　ゴウ、ハルト、そして最後にカヤが人影に手を振って、部屋を後にする。
　やがて、壁は再び閉じられた。

このページにイラストを設定する