【第５ゲーム】

【親猫決定ダイス！】５回目
※サイコロの結果はこちらからどうぞ



親猫：千歳飴 楓子（バニーガール）
　Ｍ字開脚は長続きしなくとも、バニー楓子はセクシーです。少し痩せぎすながらもすらりとした手足に肌の白さ、黒髪の内側を彩る水色の鮮やかさが目について、なんともスタイリッシュなバニーガールなのです。
　楓子はソファーに寝そべるようにして、ゆったりとくつろいでいます。アンニュイに流した憂い目のような眼差しに見つめられたなら、健全な精神と身体をお持ちの男子諸兄は例外なく、きゅうんっと心奪われてしまうことでしょう。
　えー、まぁ……だらだらゆるーんっとしながらぺもぺもぺも、ふわぁっとあくびをひとつ。だらしなーくスマホ弄り倒してなければ、ですけれど。
「おおーい、このゴクツブシ！　お前の番だぞひょろひょろブサイクー、早く命令しろなー？　大体お前ー、なんだその水色の髪はー？　地を這うゴミムシごときがようー、色気づきやがってようー。そーいうの百年早いっつーんだよなー」
「んんー？　いやー、考えてる。今考えてるから、命令。考えて……む、このステージはちょっと難しいな。戦力が足りないか。よし、ガチャを回して補強して……おお、そうだ」
　ぱ、と突然起き上がった楓子に、ヨエコさんはうわっと飛び退ります。
　何やらゲームアプリでもやってたようですけれど、楓子は何か思いついたように、薄く笑みを浮かべて言いました。
「ちょっと協力してもらうとしようか」

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親猫：千歳飴 楓子（バニーガール）の命令

『ガチャを回せ』！
もちろん、子猫ちゃんたちのお金でな？

【マッチングダイス！】５回目

子猫Ａ：来島 アカリ「うぅ……お、お手柔らかに……！」
子猫Ｂ：新田 亮「……大丈夫だ。俺が何とかしてやる！」



「というわけで、このゲームのガチャを回してくれ」
　すっと差し出した楓子のスマホの画面では、凛々しい表情のキャラクターがこちらを睨むようにして、武器を構えています。
　ゲームのタイトルは、『Cat/Nyanko Order（キャット/ニャンコオーダー）』だそうです。
　アカリは不安そうに覗き込んで、
「こういうの、すっげーお金かかるんじゃねーの……？　俺、今あんまりお金ないんだけどなぁ……」
「俺もそれほどあるわけじゃないが。心配するな、俺が少し多めに出そう」
　なんて、亮は頼もしく胸を叩きます。今日の彼は、仲間のサポートに徹することを決めているのです。危険な命令を下されたなら身体を張って率先してこなし、他の面々へなるべく被害が及ばないようにと心を砕くつもりなのです……何たる紳士！
　まぁその後、親猫ののたまうお言葉を聞いて、ちょっぴりくらいは後悔してしまったかもしれませんけれど。
「で、どのくらい回せばいいんだ？」
「目当てのキャラが出るまで、とか……か？」
「……全部だッ」

「『このゲームに存在する全てのカードを引き当てるまで』、引いてもらう！」

　たらり、と冷や汗。このゲームに詳しかろうとそうでなかろうと、分かります。それがいかに困難なことか……どれほどにお金のかかることであるのか。
　なぜならこれは、猫様ゲームだから！
「高レアリティカードを一枚当てるまで、だなんて、そんなのありきたりだろう。つまらない」
「そうだぞーお前たちー？」
　笑う楓子に、ヨエコさんが面白がって乗っかってしまったが最後、その命令はどうあっても達成しなければならない、絶対的な強制力を持ってしまうのですから。
「すーぐそうやって安易なところに逃げようとするから、お前たちの人生いつまでたってもヘドロ並みなんだぞー？　限界を越えろ！　後先なんて考えるな！　そのくらいやって初めて、やっと真人間の足元くらいには這い寄れるんだからなーお前たちはー」
　ちなみにヨエコさんは、ゲームとかガチャとかなんとか、サッパリ知らないそうです。



【猫様ダイス！】09

○全部のカードが揃うまで、かかった費用

１：１万円くらい
２：５万円くらい
３：１０万円くらい
４：５０万円くらい
５：１００万円くらい

６：沼



アカリ「で、出ない……出ないよぉ……最後の一枚が出ないよぉ……！」
亮「もう十万越えちまったのか……！？　くそっ、あと一枚……あとは、『ニャスター』クラスの『ニャニャ藻の前』さえ出れば、全て揃うのに……ッ！」
アカリ「出ろ、出ろ、出ろ……！」
　ぺもぺもぺもぺも（タップ音）

バニー楓子「うーむ。事前に楓子がけっこう回してたから、思っていたより早く揃ってしまいそうだな。つまらん。あっちの新規登録したばかりのゲームにしておけば良かった」
ヨエコ「つーかこいつらが一体何をやってんのか、あたしにはぜんっぜん分かんないぞ……！　あれだなー、こうやってスマホばっか見てうだうだやってるから、こいつらはダメなんだよなー。スマホをぶっ壊せ！　とか命令すりゃーいいのになー」
バニー楓子「それは楓子が死んでしまうからダメだ……おっ」

　ぴろりろりろりん。じゃじゃーん！

亮「……で」
アカリ「で」

アカリ＆亮「出たあああああああああああああああ」



　投資金額、ふたり合わせて実に１０万円越え。ハマるとまさしく泥沼のようにお金を吸い込んでしまうこの手のゲームとしては、多いのやら少ないのやら……こんなもので済んで良かった、と思いたいものです！
「うむ。良くやってくれた。これで楓子は、このゲームの覇者となるだろう。ふはははは」
　ばばーん！　スマホを天高く掲げ、ドヤ顔をキメたバニー楓子を見上げるふたりの顔は、何とも形容しがたい苦み走った表情でありました……。

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来島 アカリと新田 亮は、
千歳飴 楓子の命令『自腹でガチャ回せ！』
を達成しました。


アカリ「何とか、終わって良かったけど……ううっ、俺のお金……」
亮「……………………」

ヨエコ「つーかお前ー、さっき『俺のほうが少し多く出そう』とか言ってたよなー？　実際どんだけ出したんだー？」
亮（ビクッ）



【猫様ダイス！】10

○亮くんの男気ダイス・どのくらい負担してくれた？

１：５０％
２：６０％
３：７０％
４：８０％
５：９０％

６：むしろ１０％



亮「……すまない……すまないッ……！　不甲斐ない俺を許してくれ……！」
アカリ「い、いいって、気にすんなよ……！　半分出してくれただけでも、俺は助かったし……さ！」

バニー楓子「うーん。美しい友情だ」
ヨエコ「ひょろひょろー、お前はもう少し人の気持ちってやつを考えるべきだなー」
バニー楓子「ヨエコ氏には言われたくない」