「おー! そこのブサイクどもー!」
シツレイ極まりないそんな声に、振り返った純朴そうな男女数名の寝子高生たちは、戸惑いとともに眉をひそめます。
やけにちんまりとして小柄な女の子……ヨエコさんこと
千倉 四重子はおもむろに、ぺちんと額に手のひらを当てて首を振り、かーっ! と言いました。
「相も変わらず、寝子高生ときたらどいつもこいつも、シケた面してやがんなあ! かーっ、この万年ヘタレどもがー! ぺっ! そんなんだから、いつまでたっても人生ドブ色のままなんだぞーお前たちー?」
いきなりひどい言いぐさですけれど、それはとっても気になるのですけれど、それより何より。
ヨエコさん、道端に置いた椅子にどっかと腰かけて、短い足を頑張って組んでみたりしておりますけれど、
「あっあっ♥ ヨエコ様ぁぁぁん♥ もっと、もっと責めてぇぇぇん♥」
よくよく見ると、椅子は恍惚顔で喜々として四つん這いになっている、
嘉月兔 ネヴィアくんでした。先日に行われた
とあるゲームにて、その才をいかんなく発揮した結果、彼はすっかり、ヨエコさんのお尻の下とか足の下とかに敷かれることへ快感を覚えてしまったようです。
寝子高生の皆さん、ドン引きです。
「ん? あーこいつは気にするなー、ただの椅子だから。椅子豚だから」
「ぶひィィィン
♥」
「そんなことよりお前たちー、そのままでいいのかー? 便所のスミッコについた染みみたいな人生のまんまで、本当にいいのかー? いいや良くない! 良くないぞーお前たちー」
にかっ! 口からこぼれるヒドイ語彙とは裏腹に、ヨエコさんはとっても良い笑顔です。
「なーに心配するなー! お前たちがどんなゴミクズだろうと、ド底辺の醜い下等生物だろうとなー、あたしはちゃーんと愛してやるからなー! ちゃーんとお前たちに、ブサイクなりに人並みの人生を歩めるような、最低限の人生ってやつを与えてやるからなー。そう、
猫様ゲェェェーーーッム!! で、あれっ?」
気付くと目の前には、だーれもいません。寝子高生たちは、ヨエコさんが得意げにドヤっとウザ顔でキメている間に、ぴゅーっとどこかへ走り去っていってしまったのでした。
「ま、まただー!! 信じられん、超絶美少女なあたしの誘いを、あいつらはどーして断れるんだー……!? まるで、サナダムシみたいな自分には訪れるはずのない奇跡とか、ありがたい幻覚だとでも思ってんのかー……? いくら神々しくて後光が差してるからって、あたしはこうして、現実に存在する美少女だっていうのに!」
どかん! ヨエコさんが苛立たしげなケリを入れると、
「痛ありがとうございまぶひィィィンッ
♥」
椅子は嬉しそうに鳴きました。
「……おーっ! ベンジョコオロギみたいな面の、そこの
ブサイク!」
もうお分かりでしょうけれど、つまりはそんな救いがたい場面へうっかりふらりと登場してしまったのが、
あなたです。
何とも残念、ご愁傷さま。ヨエコさんは、にっぱーっ! まるで太陽のように純朴な笑顔で、言いました。
「このヨエコさんが、下水のヘドロみたいなどうしようもないお前の人生に、救いの手を差し伸べてやるからなー。任せとけ! と、いうわけでー」
「『猫様ゲーム』、しようぜー!」
墨谷幽です。よろしくお願いいたします~。
自ら恥辱と屈辱へ塗れようという勇者を歓迎する、『猫様ゲーム!』の二回目でございます。
ガイドには、嘉月兔 ネヴィアさんにご登場いただきましたぶヒン。ありがとうございました!
こちらのシナリオでは少々特殊な手順が発生するのと、前回から多少のルール変更がありますので、以下のマスコメを良くお読みになってからご参加をいただけますと幸いです~。
あと、自PCさんが意味も無く罵倒されたり、割とヒドイ目にあったりするかもしれませんので、その点あらかじめご了承くださいませ!
あ、ちなみにガイドでは寝子高生さんが主に絡まれてますけれど、どなたでもご参加いただけますので~。お気軽に!
このシナリオの概要
あなたは唐突に、『猫様ゲーム』なる遊びに参加することとなってしまいました。どうやら、あなたに拒否権は無いようです。
主催者である『千倉 四重子』にゴーインかつ一方的に連れ込まれたのは、彼女の実家であるという、個人経営のカラオケボックスの一室。ゲームは基本的に、この部屋の中で行われます。
『猫様ゲーム』はつまるところ、『王様ゲーム』の寝子島アレンジ版? のようなものです。
参加者は1ゲームごとにクジを引き、
・命令を出す『親猫』x1名
・命令を実行する(させられる)『子猫』x2名
という役割が選出されます。
通常の王様ゲームと異なる点のひとつは、
・『猫様』(千倉 四重子)
の存在です。命令は、クジで引いたジャンルに沿って親猫が考えることになりますが、猫様が『猫様ダイス!』と称して(マスターがリアクション執筆の合間にコメントページを使って)気まぐれにサイコロを振り、その出目によって、命令や結果がランダムに変動することがあります。
比較的緩い命令にもっとシビアでハードな条件が付け加えられたり、あんまりにもキビシイ命令がマイルドにされたり、元からヒドイ命令がもっとヒドイことになったりするかも?
もうひとつは、主催者も与り知らぬことながら、舞台となる部屋が神魂の影響を受けているということです。これにより、命令がどんなものであっても必ず実行されなければならない、という強制力が働きます。
舞台となる部屋には、いわば『猫様ゲーム時空』とでも呼ぶべきものが形成されており、どんなに荒唐無稽で非現実的、大規模な命令であっても、一度下された命令は必ず実行され、またその条件を満たすためのあらゆる物品・シチュエーションが現実化します。実行の際に生じる時間的・距離的・空間的制約などは、神魂により無視されます。(『キスしろ』という命令なら何があってもすることになりますし、『海外の○○に行って××を買って来い』という命令なら、実際に行って買うことになります)
また神魂は、参加者の精神にも影響を与えているようで、ゲーム実行中に限り、天使のように優しい人が悪魔のようなヒドイ命令を下したり、狡猾なイメージの人がピュアで優しい命令を下したりするようになります。
なお、『猫様ゲーム』で起きたこと、発生した諸々の被害などは、ゲーム終了後に元通りになります。たぶん。
ヒドイ目に遭うPCの皆さんはさておき、プレイヤーの皆さまは、お気軽にお楽しみくださいませ!
アクションでできること
アクションには、以下の手順に従ってコメントページに発言、ご自分の該当する項目をご確認の上、マッチング用の3つの数字と、親猫時に下す命令をお書きください。
※前回のシナリオにご参加いただいた方への、特殊ルール
前回の猫様ゲーム!にご参加いただいた方は、
○A.心機一転、改めて素の状態で参加
○B.前回の性格ロール、リアクションで生えてきた設定や効果(+受けた被害)などを引き継いで参加
の、いずれかを選択することができます。
Aをお選びいただく場合は、以下の内容に従って、通常通りにサイコロを振ってください。
Bをお選びいただく場合は、サイコロの左←の目(命令のジャンル)のみ参考にし、性格ロールは前回のまま
でご参加ください。
●1.コメントページで発言し、サイコロを振る
コメントページにて、【クジを引く】と宣言し、何か発言してください。内容は何でも構いません。それ以外に何も書かなくてもOKです。
書き込むことができるのは、お一人につき一回のみです。重複した場合は、上記タグのある最初の書き込みを参照します。
サイコロの出た目のうち、左のサイコロが、あなたが親猫になった際に下す『命令のジャンル』。右のサイコロが、神魂によって影響を受けたあなたの、『性格ロール』の番号となります。以下の中から、該当するものをご確認ください。
<左←のサイコロ:命令のジャンル>
あなたが親猫になった際に下す、命令のジャンルです。親猫のクジには以下のジャンルが書かれており、概ねこれらに沿った内容の命令を下す必要があります。
【←1】『恋愛系命令』
例)『キスしろ』『○秒間抱き合え』など
【←2】『エッチ系命令』
例)『胸を揉め』『服を脱げ』など
【←3】『体力系命令』
例)『腕立て伏せ○十回しろ』『寝子島一周してこい』など
【←4】『食べ物系命令』
例)『巨大ラーメン大食いチャレンジ』『シュールストレミング食え』など
【←5】『散財系命令』
例)『○万円で買えるだけ駄菓子買って来い』『親猫に○万円以内でプレゼント買ってきて』など
【←6】『自由命令』
こちらは自由枠になります。ジャンルにとらわれず、好きな命令を考えていただいて構いません。
<右→のサイコロ:性格ロール>
神魂によって精神に影響を受けたあなたは、以下のような傾向が強くなります。
親猫時に下す命令、子猫時に命令をこなす際の言動などに影響しますが、その度合いは自由に設定していただいて構いません。せっかくだからとはっちゃけてみるのも、なるべく抗ってみるのも可です。
【→1】『カオス』
カオス枠のあなたは、場により大きな混乱が起こることを好み、その状況を楽しむようになります。
【→2】『不憫』
不憫枠のあなたは、ヒドイ命令に身体的・精神的被害を被り、涙することが多くなります。
【→3】『癒し』
癒し枠のあなたは、他人の気苦労を労わり、場を取り繕おうと心を砕くようになります。
【→4】『ピュア』
ピュア枠のあなたは、どんな命令も疑問を持たずにこなそうと試み、結果を前向きに受け止め頑張ろうとします。
【→5】『無敵』
無敵枠のあなたは、どんなにヒドイ命令にも果敢に挑み、被害を受けようと全てを楽しむタフさを持ちます。
【→6】『外道』
外道枠のあなたは、他者の被害や不幸を喜び、積極的に煽りを入れたり陥れることを好むようになります。
※アクション投稿期限までに書き込みが確認されなかった方は、NPCが代わりにサイコロを振ります。
●2.3つの数字を記入する
下記に示す数字の中で、お好きな数字を、重複しないように3つお書きください。
これらの数字は、誰が親猫を担当するか、親猫の下した命令に対して誰が子猫として選出されるか、というマッチングに使用します。
<使用可能な数字>
11、12、13、14、15、16
21、22、23、24、25、26
31、32、33、34、35、36
41、42、43、44、45、46
51、52、53、54、55、56
61、62、63、64、65、66
(例:11、31、65 など)
ひとつの命令につき、マスターがマッチング用にサイコロを振り、左の出目を十の位、右の出目を一の位として扱います。
一番目の数字は、親猫を担当する順番を決定するのに使用します。
二、三番目の数字は、子猫を決定する際に使用します。この出目に一番近い数字を指定した二名が子猫として選出されますが、該当する方が複数いる場合は、マスターがバランス等を考慮し調整します。
指定した数字は親猫、子猫に選出されると廃棄され、ひとりに付き親猫は1回、子猫は最大2回まで選出される可能性があります。
(出目によっては多少出番が偏る可能性もありますので、あらかじめご了承くださいませ)
●3.自分の命令を決める
参加者はそれぞれ、必ず1回ずつ親猫を担当し、子猫に対して命令を下します。
該当する命令ジャンル、性格ロールを参考に、命令を1つお書きください。
命令の詳細は参加者自身が自由に考える……ということになっているものの、ゲーム中のあなたは神魂の影響を受けており、望まずとも上記のサイコロの結果に沿った命令を下すことになります。
とはいえある程度合致していれば、あまり厳密に考えなくても大丈夫です。現実にはありえないような、突拍子も無い命令でも構いません。
なお、命令は簡潔に、あまり長くない感じでお願いできましたら。
※命令は、基本的には2名で実行できるものでお願いします。
例)子猫同士でポッキーゲーム! など
※ただし『猫様ダイス』の結果次第で、子猫以外に対象が拡大することもあり得ます。
例)2人で闇鍋 → せっかくだから全員で食材用意してぶち込もう! など
なお、2名の子猫は親猫が命令を決定した後に選出されます。
場合によっては男同士でアレな感じになったり、女の子同士でいやーんな感じになったりするかもしれませんけれど、それもまた一興ということで。
その他、上記と合わせて、
・参加の経緯、きっかけ
・はっちゃけ度
(楽しそうなので前向きに、とりあえずは冷静に淡々と、早く終わらせて帰りたい、などなど)
・ヒドイ命令に当たった時のリアクション
などもお書きいただけましたら、参考にさせていただきます~。
その他
●参加条件
特にありません。どなたでもご参加いただけます。
●舞台
旧市街に最近オープンした個人経営のカラオケボックス、『BUSANEKO』。基本的にはその一室が舞台になります。
店主は主催者の父親で、娘を溺愛しているそうで、店で何が起こっても、何をやらかしても関知しません。
基本的なカラオケ機器やフードメニューなどが揃っていますが、ゲーム中は命令に絡まない場合は使用不可です。
●NPC
○千倉 四重子
やたらめったら小さい身体と裏腹に、やみくもに態度がデカイ寝子高1年生。最近マタ工から転校してきました。
息をするように罵倒しこき下ろしながら、同時に他者を労わり慈しむ、愛のある毒舌が特徴。
『ひと』であり、神魂やもれいび等についての知識は全くありませんが、おバカなので細かいことは気にしません。
●備考や注意点など
※今回のシナリオには参加していないPC、及び上記に明記されていないNPCに関するアクションは基本的に採用できかねますので、申し訳ありませんが、あらかじめご了承くださいませ。
以上になります。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております~!