【第１ゲーム】

【親猫決定ダイス！】１回目
※以下、サイコロの結果はこちらからどうぞ



親猫：花厳 望春
「おーなんだお前ー、ヘンなの付けてんなー」
「……うん？」
　ヨエコさんが興味を持ったらしいのは、進み出たトップバッター、望春がいつも頭につけている、可愛らしいヘアピンです。
「そうだなー、お前女っぽいもんなー。ブサイクよりブスって感じだなー？」
「はい？」
「いやいや、数少ない自分の貧弱な武器でも、それを活かそうとするのはいいことだぞー？　どうやっても男らしくはなれなさそーだもんなー、女顔を活かしておめかしして、女ぶってフリフリクネクネしてキャーイヤーンカワイーンなんつってなー、ぼせーほんのーをくすぐろうって作戦だろー？　そういう女々しいやり方もブスには必要だもんなー、分かる！　分かるぞー」
「はあ？」
　畳みかけるようなブシツケ発言に、ぴくり、ぴくぴくと望春の眉は跳ねて、見る間に愛らしい……失礼、可愛らし、でもない素敵なお顔は険しい表情に包まれていきます。
　ヨエコさんは、ばしん！　力任せに望春の背中を叩いて、
「よーし、お前の目指すべき方向性は分かった！　これからあたしがなー、お前を立派な男の娘ってやつに仕立て上げてだなー……」
「あ゛ぁ゛？　なんか言った？」
「…………男らしい！？」
　びっくん！　ヨエコさんを飛び上がらせたさせたのは、神魂でもなんでもなくて、望春本来の負けず嫌い気質、無意識に飛び出した強気な一面でありました。

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親猫：花厳 望春の命令

『飴をお互いに食べさせ合って』！

「簡単でしょ？　ああでも、もちろん普通の味じゃないからね？　普通の飴を食べるだけなんて、そんな命令つまらないからね」



【マッチングダイス！】１回目

子猫Ａ：来島 アカリ「普通の飴じゃねーの、か……？　い、嫌な予感するけど……頑張ろう、な？」
子猫Ｂ：八神 修「これも神魂のなせる業、か。いいだろう、受けて立とう。俺にはその『覚悟』があるッ！」



望春「じゃ、この棒付きキャンディの中から、好きなのを選んでね。まぁ、微妙な味のが大半なんだけどね……ハバネロとか（ぽそり）」
アカリ「い、今なんて言ったんだ？　なぁ、なんて言ったんだ……？　ハバネロとか聞こえたんだけ、ど……！」
ヨエコ「っつーか自分で選べたんじゃつまんないなー、よーしあたしが選んでやろうー。お前たちにふさわしい飴は、こいつだー！」
修「望むところだ！　引き当てろ、俺の豪運！！　（ネタ的に）美味い飴をッ！！」
アカリ「お、お手柔らかに……？」



【猫様ダイス！】01

○何味の飴？

１：青い飴（ラムネ味）
２：緑の飴（キュウリ味）
３：茶色い飴（ジンギスカン味）
４：赤い飴（ハバネロ味）
５：黄色い飴（ニャーマイト味）

６：黒い飴（サルミアッキ）

アカリ：４　修：１



「赤い！！　いや、これハバネロだろ……！　絶対ハバネロだ……！」
　アカリが手渡されたのは、他でもありません。あまりにも赤い、真っ赤っか！　激辛唐辛子として名を馳せるあのハバネロを、もー死ぬほどたくさん使い倒して作られたという一品であります。反対に、アカリの顔色はさああっと、一気に青くなりましたけれど。
「まぁ大丈夫、一応食べ物だし。いけるいける！　さ、頑張って召し上がれ？」
「よしっ、頼むぞ来島！　残念ながら俺は至ってフツウのラムネ味だ、リアクションには期待しないで欲しい。つまり、場の盛り上がりはお前次第ということだ。なに心配するな、お前がいくら嫌がろうとも、必ず全部食べさせてやるからな！！」
「そんな覚悟はいらなかった、なぁ……！？」
　にっこり微笑んで勧める望春に、むやみやたらと頼もしい修。ヒキ気味のアカリくん。
　修が真紅の棒付きキャンディーを、アカリが顔色と同じ青いキャンディーを手にしたら、お互いに腕をクロスさせて、いざ実食！　あーんっと相手の口の中へ……ぱくり。

修「うむ……うむ、美味いな！　それ以上説明のしようがないくらい普通の味だが、普通に美味いラムネ味だ。しゅわっと爽快な味わいが口の中で弾けて、実に清々しい気分に……うん、あんまりにも普通で、これ以上コメントのしようがない。やはり全てはお前にかかっている、いくぞ来島！！　奇跡のリアクションを見せてやれ！！」
アカリ「む、無駄にハードル上げてんじゃねー、あっ待って心の準備……も、もがあーーー」

アカリ「……あああああかあああっらあああああああああああああああ（泣）」



　ひーひー、れろーんっと出したアカリくんの舌は、なんとまあ真っ赤っか！
「あああああ！　かっ、からひ……！　からひよぉぉぉ……！」
　ハバネロ飴は激烈非情なとてつもない辛さであるらしく、彼は飲み物を要求したものの、もちろんそんなものここにはありません。命令が絡まなければ水ひとつ飲ませてもらえない、それが猫様ゲーム……ッ！！
　けれどアカリは律儀に、
「からっ、からひ……けろ、おれ、まけねーもん……みんらといっひょり、えーむ、たおしぅんら、もん……！（訳：辛い。辛いですが私は負けません。皆さんと一緒にゲームを楽しみたいのです）」
　なんて涙目うるうるな上目づかい、頬はぽわっと赤く染まって、熱い吐息をほふうっ。ふっくら艶やかな唇からは、つう、とこぼれた唾液……健気なセリフを口にする様は、何だかやけに色っぽく見えました。

ヨエコ「な、なんだこいつの泣き顔の、この破壊力はー……！？　ブサイクのくせに思わず押し倒しそうになっちゃったぞー……！」
望春「ごくり……俺までちょっとドキドキしちゃうくらいだよ、来島くん色っぽいなぁ……！」
ヨエコ「ぐぬぬ、こうなったら……こうなったら！」
望春「こうなったら！？」

ヨエコ「もっと食わせて、もっと色っぽいところを見たいじゃないか！」
アカリ「！？」

修「もっともっと、ゲームを楽しみたい。来島、お前のその『覚悟』……しかと受け取った！！」
アカリ「！？！？」



【猫様ダイス！】02

○何個食べた？

１：＋１
２：＋３
３：＋５
４：＋１０
５：＋２０

６：倒れるまで



　しゅばばばっ！　すぐさま望春の両手に現れる、計１０本のハバネロ飴！
「来島くん……キミの『覚悟』を、無駄にはしないよ！　さあ、八神くんッ！！」
「ああ、任せろ花厳！！　俺が来島を、輝かせる……ッ！！」
　ずびしっ！　包装を解かれ、手渡された飴たちを手に構える、修。きりりと吊り上がる眉、ニヒルに結ばれた唇……何とも凛々しいこの佇まい。今日の彼は『覚悟』完了済み、場を盛り上げるため、全力を賭す所存なのであります……！！
「ひゃ、ひゃめ……かぁい！　かぁいかぁ……！　こぁれひゃう……おれ、こぁれひゃうよぅ……！」

アカリ「あああああああああああああああんっ（泣）」

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来島 アカリと八神 修は、
花厳 望春の命令『お互いに飴を食べさせ合え！』
を達成しました。


アカリ「くすん……かぁいぃ……けろ、まけれー、もん」
修「素晴らしい『覚悟』だったぞ、来島ッ！！」