仲良くなりたい、その３｜リアクション

仲良くなりたい、その３

○寝子高の廊下で

　３年生の仙藤紫は、私物の整理のため寝子高を訪れていました。
　職員室前の廊下を歩いていると。
「仙藤さん」
　大橋尚先生が顔を出しました。先生は手招きして紫を職員室の隅に誘います。
「こないだはありがとう。それで、二月のイベントのことなんだけど」
　予想通りだと思いながら紫は微笑みます。
「はい、古代ローマですね」　
　紫は先月も大橋先生の呼び出され、コスプレについての相談をして、その時に誕生日プレゼントを渡したのです。
「考えてみたけど、やっぱりクレオパトラが鉄板かと思うわ」
「そうですね、それでいきましょうか」
「ゴージャスに見える飾りをつけて、せっかく歴史ものだからローマらしさにも凝りたいわ」
　まだまだ話していたそうな尚先生ですが、チャイムが鳴りました。
「それじゃ、また連絡するわね。楽しみにしてるわ」
　もうすぐ卒業だけれど、このままコスプレの縁は続いていくのかもしれません。

　