this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【マラソン大会】晴れ、ときどきあわあわ!? マラソン大会!
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
つぎへ >>
そして、10kmにも栄冠を勝ち取る者が現われようとしていた。
空間が揺らめき、幽霊とレースしていた走者が現実世界のコースを走り出す。
「なんとか、なったのかな……?」
思わず足を緩めそうになる夏朝だったが、ゴールまであと◯メートル、という立て札を見つけ、最後の力を振り絞って走る。
「はぁ、はぁ」
周りには他のランナーもいた。牛に追われているうちに追い越しされたのか、ペースを上げてきたのかかなりの人数がいる。
(それでも、走り切る……!)
夏朝もラストスパートを仕掛ける。
そして、その先頭にいたのは……。
「俺は王となる。そのときの妃は君になってほしいんだ」
「王子…………はい。私でいいのなら」
「君がいいんだ」
「王子!」
「碧南!」
「ちょっと待ったぁ!」
「――!? お前は、同ブランド・次回作の登場人物!」
「イケメンの革命軍リーダーさん!」
「時空を超えてやってきたぜ。お前を処刑し、俺が王になる」
「そして碧南姫の心も略奪する!」
「おめでとう!」
「ど、どうなってるの!?」
「だから一位だよ、おめでとう!」
「…………え!?」
乙女ゲームの一人二役、さらには別ゲーの登場人物までも混ぜて迷走していた碧南は、そこで現実に返ってきた。
妄想の果てに飛び込んだのはパラレルワールドではなく、現実のゴールだ。
「わ、私戻ります!」
「何を言ってるんだ!」
「まずい錯乱している。救護テントへ」
碧南は連れていかれる。
「しかし今年の大会は様子が変だ。なにかあったのか?」
「お願いもう少しあっちの世界に戻して! 続きを、あと少しだけ!」
無心(?)で道を走り続けた碧南は、こうしてめでたく一位となる。
終着が見えてきた。
紫の体感が、残り二キロを切ったことを告げた。
それまでに起こった出来事を紫は知らない。なにやら一波乱あったことは分かるが、同時にそれについて想いを馳せるほど余裕があるわけでもない。
最後の二割弱が、最も苦しくなってくるのだ。
ペースを落とすランナーたちを抜きながら、しかし紫はさらに速度を上げていく。
今まで抑えていた力を解放していく。
耳元で風が音を高め始めた。
(あの地点、たしか一年の時にへたり込んだ場所ね)
少し先の町中を、一年生の女の子が走っている。スタートから上位後方につけていた気がする。バテているのは明らかだった。
その姿が自分に重なってくる。
(あの時は動けなくなったけど、結局最後まで意地で走り通した)
リタイヤが癪だったのだ。次々と自分を抜いていく走者の中を、遅い足取りでついていった。自分も存外負けず嫌いなのね、と気づいたきっかけでもあった。
昔の自分を、今の自分が抜いていく。
過去の自分がはるか遠くになっていく。
背中でそう感じながら、小さくなっていく自分に、なにかが胸に去来するのを紫は感じた。
それが何か分かる間も無く、今度はゴールテープが見えてくる。
意識が前に向いて、ほどなくして紫は足を緩めていた。
「お疲れ様、あそこまで移動して」
タオルを受け取って、汗を拭く。そこでけっこうな泡が付いていることに気づいた。
「妙な終わり方ね」
言ってから、本当に終わってしまったのだと実感した。
思いのほか、最後はあっけない気もした。
「これでもう……完全に終わったのね」
後ろの走者たちがゴールへと走ってくるの光景を、紫は不思議な感慨とともに見つめた。
二着だと聞かされたのは、それからほどなくしてからだった。
三位まで決まった音が前方から聞こえてきた。
(関係ない。僕は僕のベストで走る……!)
夏朝は追い越されながらも、最後まで力を緩めない。
亮が夏朝を追い抜いていく。幽霊が消えたことに気づいてないようだった。
「あと、少し……!」
近くで走っていた拓郎が徐々に前へ出て、ラストスパートをかけていく。その背中がどんどん小さくなっていった。
(最後まで走り……切るんだ!)
刀が、サキリが短距離走のような速度で駆け抜けていく。張り直されたテープを二人が腰に絡めるようにゴールする。
そして次に張ったゴールテープは、夏朝を迎えた。
やった!
足を緩める。他の参加者同様、少し移動して歩きーー夏朝は地面に座り込んで、次いで倒れた。
「……や、やりきった!」
心臓が破裂しそうなほど痛くて、苦しい。
それでも、こみあげる達成感に夏朝は笑顔を浮かべていた。
ひとケタには入れなかったが、最初に思ってたよりはずっと上位だったのだ。
ふと見たゴールではその後も、中位・下位の選手たちがゴールしていく
走りながら、自分の意識がどんどん内側に沈んでいくのを感じていた。
いってしまえば、今見ている光景がどこか遠くの窓かに移った光景にしか見えないような感覚だ。
外界の環境に身体が勝手に反応して、意識は別のことに没頭している。
さゆるは過去の出来事で、他者よりもそういう行為に慣れていた。
そうして考えているのは、先ほどの自問だった。何度もなんども思考が擦り切れるほどに考えて、自分でも視野狭窄していると分かりながら思考の中を泳いでいく。
そうして得たこととは。
……遠からず、自分は破滅するかもしれない。
いや。
すでに、破滅に向かって進んでいる。
長く虚ろな夜をやり過ごすための快楽も、睡眠薬も限界だった。
目覚めて見る夢の毒素に、心の侵食は止まらない。どんどん熔けただれ、崩れていく。
堕ちてしまえ。狂ってしまえ。
その先の破滅へ突き進め。
もう一人の自分がそうささやいている。
「 」
さゆるはその声に、言葉を返した。
意外にも、今度ははっきりとした声が聞こえた。
「え、今なんて言ったんだい?」
いや、これは現実の声だ。
意識を表層に戻す。目の前に大会のスタッフらしき人がいた。
「大丈夫かい?」
「ええ。なんでもないわ」
さゆるはスタッフから離れて歩き出す。周囲では歓声が湧き、ランナーたちが肩で息をして歩いていく。
いつの間にかゴールしていたのだ。
しかしさゆるの関心は、自分があのささやきになにを返したか、ということに向けられていた。
「やっと、やっと終わった……」
踏み越えたゴールゾーンに、雅樹は口の端を痙攣させて笑う。
途中、泡に襲われたり体力の限界を何度も乗り越える羽目になったが、それでも辿り着いたのだ。
「ハァ、ハ……ハァ、ッヒィ、ハァ」
ゴール横の草地まで歩いて、倒れるように横たわる。
「…………」
太陽と青い空が、少しうらめしい。
だが、「やり切った」感はあった。
「ん?」
ふと見ると、莉鳥がゴールするのが見えた。
莉鳥は疲労困憊といった様子で歩いてくる。そして倒れた雅樹に気付くと、無言で隣に横たわった。
どうにか牛を撒いてきて、消耗しきってた。もちろん雅樹が知るよしもない。
――なんで、
俺より遅いんだよとか、他にもいろいろ聞きたいことがあったが、疲れて言葉なんて霧散してしまう。
ただ笑えてきた。
笑い声に気付いた莉鳥と顔を見合わせて、不思議と同時に苦笑を浮かべた。
「ゴール、できた!」
綾花はゴールした瞬間、その場にくずおれかけて、あおいに助けられる
「わっ……っと、大丈夫?」
「あはは、ゴメン。急に足から力が抜けちゃって」
座り込んでしまいそうな身体を支えてもらい、綾花は歩き出す。今にも達成感と安心感で動けなくなりそうだった。
「お疲れ様」
「私、リタイヤせずに走りきったんだよね?」
「うん! すごく頑張ってたよ」
思わず泣きそうになって、綾花はあおいを抱きしめた。
「~~!……ありがとう」
息を整えて言ったその言葉は、嬉しさに溢れていた。
「もう、無理」
それからしばらくして、修がゴールした。ドンドコ鳴っている心臓をクールダウンした方がいいと思いつつ、コース脇に倒れこむ。
空で雲がぐるぐると回っていた。
冷たさが心地よくて、しばらくずっとこうしていたかった。
「大丈夫?」
空から声が降ってきた。
視界に綾花の顔が入ってくる。走り終わってだいぶ回復したようだった。その次にあおいの顔も写り込んできて、修は気力で立ち上がる。
「綾辻もゴールしてたんだな。お疲れ様」
「あおいちゃんのおかげだけどね」
修はあおいに向き直る。
「修くんもお疲れ様」
「……最後まで頑張れたのは、途中、あおいが応援してくれたからだ……ありがとう」
「……一応、私も応援したんだけれど」
「も、もちろん綾辻の応援も大きかった!」
綾花のツッコミに修が慌て、やがて三人の笑い声に変わった。
途中で重くなっていた足が、嘘のように軽やかに進んでいく。
(これがランナーズハイ……なのか)
さっきまで苦しかったはずなのに、景色がグイグイ進む。風が背中を押してくれてるようで、不思議と笑えてしまう。
勇生にはわかっていた。
ランナーズハイもたしかにあるが、今の自分があるのは気持ちが切り替わったからなのだと。
(最初は踏んだり蹴ったりだなって思ってたけど、見方一つでこうも変わるなんて)
目前のランナーが足を速めた。
残りの距離を示す看板が前に現われて、やがて勇生の後方へと過ぎ去っていく。
ゴールまであと少しだ。
その前にもう一人だけ抜いてみるのもいい。
「く、あ、あ、ああああああっ!」
普段なら「もういいや」と力を抜き始めるころかもしれない。
その状況で、勇生は勝負を仕掛けた。
『!!』
前を行くランナーが一瞬振り返り、無言で速度をあげ始める。
「――――く」
追いつけない。
牛に追われたり泡を被ったりした分、足の疲労に違いがあった。
勝てない。
(負けたって――いいんだっ)
ハイの状態からさらに息苦しくなってきたが、勇生は走り続けた。ゴールが見えてくる。
距離は縮まらない――かに思えた。
前のランナーが目に見えて速度が落ちた。相手も限界だったのだ。
「!!」
勇生が走って、抜き去る。
先にゴールしたのは勇生だった。
止まり出した身体に、急激に今までの疲労が被さってくる。
(くる、しい……)
口の中に血の味がする。呼吸もほとんどできない。
視界がくらくらして、頭の中もほとんど真白だった。
だけど――なんだかとても清々しかった。
『ナイスファイト』
最後に追い抜いた選手が、そう言って手をかかげてくる。
(もう、しゃべれる、なんて……元気だなぁ)
そう思いながらかかげた勇生の手に、その選手の手がハイタッチしながらすり抜けていった。
「――――――――え?」
振り返ると、その選手の背中から向こうの景色が透けて見えた。
その向こうで、亮が青ざめた顔でこちらを見ている。
そのまま虚空に薄れて消えていく幽霊選手を、勇生は凝視するしかなかった。
じゃあ、ずっと近くを走ってたのは……。
「……ん? おい、大丈夫か! 顔が真っ青だぞ!」
亮と勇生の顔は、
高野 有紀
が慌てるくらいだったという。
この後、寝子島ではマラソンの時期になると現れる幽霊の噂が生まれるのだが、それはまた別のお話。
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【マラソン大会】晴れ、ときどきあわあわ!? マラソン大会!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
叶エイジャ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
35人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月12日
参加申し込みの期限
2016年11月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!