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眠猫島夢奇譚 古代ネコ文明（探索編）
●ジャーナリズムの炎となれ！
ご存じの皆様方には今更ながら、椿 美咲紀について深く語りたい。
美咲紀。みさきち。みさきゅうり。いつもニコニコ元気印の新聞部。
取材と名が付けば海の底から地方の遊園地までどこへでも行けるバイタリティをもち、そのくせ小石ですっころぶくらいのドジな一面も持ち合わせるキュートな女子高生である。
そんな彼女が今回取材先として選んだのは、夢の中で遭遇した巨大ピラミッドであった。
眠猫島（ねねこじま）。寝子島と同じなようでどこか違う夢にでてきたその島は、巨大なピラミッドが建っていた。
「取材に行くのは、そこに山があるから……ならぬ、ピラミッドがあるからなのですよ！」
取材道具をナップザックに詰め込んで、美咲紀はピラミッド前へとやってきた。
「美咲紀か。よく会うな」
「シュー君！」
入り口前で出会ったのは八神 修。ある意味美咲紀以上に今更な、生徒会副会長である。
部活もちょくちょく被るので、美咲紀とは面識も深い彼である。
修はピラミッドを眺めつつ、レコーダーに情報を入力していた。
「ピラミッドといえばエジプトだが、日本にもピラミッド伝説があることを知ってるか」
「そうなんです？」
「飛騨や広島、富山といった地方にエジプトの宗教観に酷似した石材遺物が点在している。これは日本に流れ着いたエジプト王家が故郷の文化を持ち込んだ形跡であると感が選れられていて、日本のいくつかの神社にその資料として残っているんだ」
「く、詳しいんですね……」
「ピラミッドはミステリーの宝庫だからね」
行こう、といって入っていく修。
美咲紀がそれに続くと、修は説明口調で語りを続けた。
「眠猫島は寝子島の裏側の世界だと見ている。眠った俺たちが精神体としてこの島へ来ていると考えるのが妥当だろう」
「ほー……」
壁にマグライトをあてる美咲紀。
なんだか風に揺れる猫じゃらしに包まれて人がきゃっきゃしてるような絵が彫り込まれている。
「これってどういう意味なんだろ」
絵を撫でてみる。
すると、壁にぽこぽこ穴が空いて大量の猫じゃらしが飛び出してきた。
「ひゃあ！？」
たちまち猫じゃらしに飲み込まれる美咲紀と修。
「あははははくすぐったいです！」
「こんなもの、引っこ抜く……！」
ねこじゃらしをブチブチ引き抜き、逃げるように奥へ。
すると、彼らを追い詰めるかのようにミイラが現われた。
具体的には壁がばこんと外れて内側からミイラが飛び出してきた。
「シュー君！」
「分かってる」
三段ロッドを展開して構える修。
美咲紀はナップザックを振り回せるように肩から下ろした。
「乾燥しているミイラは火が弱点だ。腕を松明にして殴りつければいい」
「なるほどー。で、どうやって腕をとるんです？」
「……そういえばそうだな」
まずは頑張って応戦するしかないか。
と思ったその時。
「くらえっ！」
ミイラの頭がパーンってなった。
具体的に説明するとつらいので、想像で補って頂きたい。
「二人とも、無事か！」
息を深く吐いた新田 亮が、ミイラをバックアタックで倒してから二人を庇うように回り込んできた。
戦闘向けのろっこん使いが来てくれたのは助かった。
美咲紀は倒れたミイラから腕をもぎもぎして、指先がカタカタ動いてるのを見て投げ捨てた。きもちわる！ ってなもんである。
「新田か、お前もピラミッドに？」
「映画みたいで楽しそうだと思ったんだが、それこそ映画みたいなミイラが出てくるとは。叫びながら逃げたい気分だ――けど！」
亮が今負うべき役目はミイラを積極的に倒して修や美咲紀を助けることだ。
大きな壁が開き、置物のように剣を抱いて立っていたミイラが動き出す。
ファイティングポーズをとる亮。
相手の武器は金属製の剣。刃は朽ちて鉄の棒と化しているが、殴られれば当然痛かろう。
頭めがけて大上段から振り込んでくる。
息を止め、剣を拳で迎え撃つ。
拳に痛みが走ると同時に、凄まじいパワーで跳ね返された剣がミイラの頭に当たってそのままぶっ倒れる。
よし、と思ったのもつかの間。
周囲の壁が一気にばこーんと外れた。
剣を持ったミイラが列を組んで現われた。
「「…………」」
顔を見合わせる三人。
そして、回れ右をしてダッシュで逃げた。
多勢に無勢とはこのことである。
「けど、逃げてどうするんだ！？」
「逃げながら対策を考える！」
「わわっ、指ひろっちゃった！ うごいてる！ 気持ち悪いですぅ！」
「しんがりは任せろ、なんとか時間を稼いでみる」
修が最後尾に回り二人を先に行かせた――と思ったら、急に美咲紀と修の足下がばこんと開いた。
「あっ」
「「あっ？」」
重力ってやつは、いつも心の準備をさせてはくれぬ。
ご存じの皆様方には今更ながら、椿 美咲紀について深く語りたい。
美咲紀。みさきち。みさきゅうり。いつもニコニコ元気印の新聞部。
取材と名が付けば海の底から地方の遊園地までどこへでも行けるバイタリティをもち、そのくせ小石ですっころぶくらいのドジな一面も持ち合わせるキュートな女子高生である。
そんな彼女が今回取材先として選んだのは、夢の中で遭遇した巨大ピラミッドであった。
眠猫島（ねねこじま）。寝子島と同じなようでどこか違う夢にでてきたその島は、巨大なピラミッドが建っていた。
「取材に行くのは、そこに山があるから……ならぬ、ピラミッドがあるからなのですよ！」
取材道具をナップザックに詰め込んで、美咲紀はピラミッド前へとやってきた。
「美咲紀か。よく会うな」
「シュー君！」
入り口前で出会ったのは八神 修。ある意味美咲紀以上に今更な、生徒会副会長である。
部活もちょくちょく被るので、美咲紀とは面識も深い彼である。
修はピラミッドを眺めつつ、レコーダーに情報を入力していた。
「ピラミッドといえばエジプトだが、日本にもピラミッド伝説があることを知ってるか」
「そうなんです？」
「飛騨や広島、富山といった地方にエジプトの宗教観に酷似した石材遺物が点在している。これは日本に流れ着いたエジプト王家が故郷の文化を持ち込んだ形跡であると感が選れられていて、日本のいくつかの神社にその資料として残っているんだ」
「く、詳しいんですね……」
「ピラミッドはミステリーの宝庫だからね」
行こう、といって入っていく修。
美咲紀がそれに続くと、修は説明口調で語りを続けた。
「眠猫島は寝子島の裏側の世界だと見ている。眠った俺たちが精神体としてこの島へ来ていると考えるのが妥当だろう」
「ほー……」
壁にマグライトをあてる美咲紀。
なんだか風に揺れる猫じゃらしに包まれて人がきゃっきゃしてるような絵が彫り込まれている。
「これってどういう意味なんだろ」
絵を撫でてみる。
すると、壁にぽこぽこ穴が空いて大量の猫じゃらしが飛び出してきた。
「ひゃあ！？」
たちまち猫じゃらしに飲み込まれる美咲紀と修。
「あははははくすぐったいです！」
「こんなもの、引っこ抜く……！」
ねこじゃらしをブチブチ引き抜き、逃げるように奥へ。
すると、彼らを追い詰めるかのようにミイラが現われた。
具体的には壁がばこんと外れて内側からミイラが飛び出してきた。
「シュー君！」
「分かってる」
三段ロッドを展開して構える修。
美咲紀はナップザックを振り回せるように肩から下ろした。
「乾燥しているミイラは火が弱点だ。腕を松明にして殴りつければいい」
「なるほどー。で、どうやって腕をとるんです？」
「……そういえばそうだな」
まずは頑張って応戦するしかないか。
と思ったその時。
「くらえっ！」
ミイラの頭がパーンってなった。
具体的に説明するとつらいので、想像で補って頂きたい。
「二人とも、無事か！」
息を深く吐いた新田 亮が、ミイラをバックアタックで倒してから二人を庇うように回り込んできた。
戦闘向けのろっこん使いが来てくれたのは助かった。
美咲紀は倒れたミイラから腕をもぎもぎして、指先がカタカタ動いてるのを見て投げ捨てた。きもちわる！ ってなもんである。
「新田か、お前もピラミッドに？」
「映画みたいで楽しそうだと思ったんだが、それこそ映画みたいなミイラが出てくるとは。叫びながら逃げたい気分だ――けど！」
亮が今負うべき役目はミイラを積極的に倒して修や美咲紀を助けることだ。
大きな壁が開き、置物のように剣を抱いて立っていたミイラが動き出す。
ファイティングポーズをとる亮。
相手の武器は金属製の剣。刃は朽ちて鉄の棒と化しているが、殴られれば当然痛かろう。
頭めがけて大上段から振り込んでくる。
息を止め、剣を拳で迎え撃つ。
拳に痛みが走ると同時に、凄まじいパワーで跳ね返された剣がミイラの頭に当たってそのままぶっ倒れる。
よし、と思ったのもつかの間。
周囲の壁が一気にばこーんと外れた。
剣を持ったミイラが列を組んで現われた。
「「…………」」
顔を見合わせる三人。
そして、回れ右をしてダッシュで逃げた。
多勢に無勢とはこのことである。
「けど、逃げてどうするんだ！？」
「逃げながら対策を考える！」
「わわっ、指ひろっちゃった！ うごいてる！ 気持ち悪いですぅ！」
「しんがりは任せろ、なんとか時間を稼いでみる」
修が最後尾に回り二人を先に行かせた――と思ったら、急に美咲紀と修の足下がばこんと開いた。
「あっ」
「「あっ？」」
重力ってやつは、いつも心の準備をさせてはくれぬ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年10月16日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年10月23日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年10月23日 11時00分
